1 概要
鳥取県雇用創造推進協議会(県事務局)が鳥取労働局から受託し、民間団体等に再委託するなどして実施した地域雇用創造推進事業について、平成25年度実施分の労働局検査の結果、対象外経費が指摘された。
労働局から協議会に対して対象外経費とされた額の返還が求められたが、協議会は本委託事業を行うために県が設置した団体で返還財源もないため、県に責任があると認められる額について返還額の一部を負担するものです。
なお、協議会において県、再委託先からの委託費返還財源を受け、一括して鳥取労働局に返還予定です。
(経緯)
平成23年度、24年度実施分については昨年度会計検査院実地検査による不適正支出額が指摘され既に返還を行ったところですが、会計検査の対象とならなかった25年度実施分については同時に労働局による検査が行われており、このたびその結果が示されたものです。
2 内容
返還要求額 57,738,366円
再委託先負担額 5,299,859円
県負担額 52,438,507円
3 返還額の内訳
【対象外経費との理由で返還を求められている経費の扱い】
対象外経費として指摘されたもののうち、再委託先に責任があると認められる備品購入費、委託業務に無関係の出張旅費等は再委託先に負担を求めるが、
○再委託先が事前に準備したテキスト等教材費
○協議会が国に再委託承認を受けていなかったために対象外とされた再委託事業、契約に係る収入印紙代
○事前に協議会が了解していた再委託先の高額教材購入費
については再委託先に責任がないと認められるため県が負担する。
【支出根拠がないとの理由で返還を求められている経費の扱い】
支出根拠資料無しとして指摘されたものについては、再委託先に全ての支出証拠書類を残すよう指導しておらず、委託検査時に支出根拠資料を確認しないで額確定委託契約と同様に処理しており、再委託先に責任がないと認められるため県が負担する。
4 参考
【地域雇用創造推進事業】
県内の雇用情勢が厳しい中、雇用機会の創出を図るため、県が事務局を行う鳥取県雇用創造協議会が鳥取労働局から委託業務を受託して平成23年度から25年度に実施。
〔主な業務内容〕
○雇用拡大メニュー(事業主向け)
・経営診断等を通じ、各企業の課題に応じた体系的な人材育成計画等を支援
・デバイス技術、自然エネルギー関連技術、海外取引に精通した人材育成に資するセミナー
○人材育成メニュー(求職者向け)
・経理、総務関係業務、観光関連産業、カスタマーセンター、コールセンター関係業務を希望する求職者を対象とした各種知識・技術の習得を支援するセミナー
・創業やベンチャー起業希望者を対象に、創業に必要な知識・技術の習得を支援するセミナー
⇒協議会から民間団体等にセミナー等の実施を再委託し、約2千名を対象に各種研修を実施し、3年間で829名の就職を実現した。
【鳥取県雇用創造協議会】
地域雇用創造推進事業等を実施して地域経済の活性化や雇用機会の創出を図るため、経済団体、学術機関、市町村等を構成員として平成23年2月18日に設立。
(会 長) 鳥取県商工労働部長
(事務局) 鳥取県商工労働部雇用人材総室
(構成団体) 鳥取県、各市町村、大学、商工団体等(39団体)
【その他】
平成23、24年度実施分については会計検査院検査の結果71百万円の返還を求められ、平成28年3月31日に労働局に返還したところ。
返還額 71,142,739円
再委託先負担額 17,609,607円
県負担額 53,533,132円