1 背景
(1)複雑化した現代社会に必要なコミュニケーション能力、課題解決能力を身につけるためグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等の手法を取り入れたアクティブラーニングの全面導入が次期学習指導要領改定で予定されているため、ICTも活用したアクティブラーニングを取り入れた授業改革の全県的な普及を図る必要がある。
(2)全国学力調査の本県小・中学校の算数・数学及び理科が全国平均と同等か下回っている状況にあり、27年第2回鳥取県総合教育会議において、委員からはてこ入れが必要という意見があった。
また、基礎学力の向上に留まらず、グローバルな視点・能力を持った上でノーベル賞に繋がるような人材育成につながる取り組みが必要。
(3)グローバル化が進展するなかコミュニケーション能力、問題解決力等の素養を身につけ、将来様々な分野において国際的に活躍できる創造的活力のあるグローバルリーダーを育成する必要がある。
(4)文部科学省スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校数
26年度 204校(新規採択9校)
41校実施希望→9校新規採択(倍率4.6倍)
27年度 203校(新規採択25校)
63校実施希望→25校新規採択(倍率2.5倍)
(5)文部科学省スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校数
26年度指定校 56校(公募数246校)(倍率4.4倍)
27年度指定校 56校(公募数190校)(倍率3.4倍)
(鳥取西高等学校27年度指定校)
2 事業の概要
(1)(新)私立学校アクティブラーニング推進事業
1 目的
教師主導の一斉講義形式の授業ではなく、学習者の能動的な授業への参加形態を取り入れた教授・学習法(アクティブラーニング)を取り入れた授業改革を行うことにより、生徒のコミュニケーション能力、問題解決力等の育成を図る。
2 内容
○ジグソー法などのアクティブラーニングを実践するための教職員研修、先進校視察、ICT機器備品整備等を進める学校へ支援。
○補助金 1校あたり 1,500千円(補助率:4分の3)
対象経費(1校あたり)2,000千円
備品購入費(映写兼用白板、プロジェクタ)
リース経費(iPad等)
教員研修経費
講師招聘経費
○事業費計 6,000千円 (2,000千円×4校×3/4)
3 効果
○高校生思考力、実践力等の資質の育成。
○平成32年度から導入される「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」への対応
(2)(新)鳥取県版スーパーサイエンスハイスクール事業
1 目的
先進的な科学技術、理科・数学教育を通して、生徒の科学的能力及び技能並びに科学的思考力、判断力及び表現力を培い、将来国際的に活躍し得る科学技術人材等を育成する。
◇国内外の大学、研究機関等との連携を図り、高等学校等の理数系教育に関する教育課程等の改善に資する実証的資料を得る。
◇国際性を育てるために必要な英語での資料収集、プレゼンテーション演習等を進める学校への支援
2 内容
○科学研究発表会や科学的思考力等の育成に関する先進的な取組計画を審査し、効果があると認められる計画について採択し、大学・企業等との連携にかかる費用、生徒の移動の伴う観察・実験等に必要な費用を補助する。
○実験機器・器具等の整備費については、理科教育振興法に基づく理科教育設備整備費等補助金(公益社団法人日本理科教育振興協会)を活用する。
○補助金 1校 1,690千円 (補助率:4分の3)
対象経費(1校あたり)2,254千円
外部講師謝金、旅費(54千円)
生徒移動交通費(1,800千円)
公開発表会等の開催に要する経費(100千円)
教員研修費(先進校、大学、研究機関視察)(300千円)
○事業費計 1,690千円 (2,254千円×1校×3/4)
○採択校数・事業実施期間
1校、採択年度から3年間
H28年度採択校:H28〜H30年度実施
※平成29、30年度にも新たに各1校を採択
3 効果
○大学・研究機関等の外部講師による先進的な科学技術を学ぶことによる、生徒の興味、科学的能力の向上。
○高等学校等の理数系教育に関する教育課程等の改善、充実。
(3)鳥取県版スーパーグローバルハイスクール事業(継続)
1 目的
社会課題に対する関心と深い教養、コミュニケーション能力、問題解決力、英語力等の国際的素養を身に付け、将来、国際的に活躍できるグローバルリーダーを高等学校段階から育成することを目的とする。
私立学校生徒の英語力の一層の向上を図るとともに、国際化を進める国内外の大学のほか、企業、国際機関等と連携して、グローバルな社会課題を発見・解決し、様々な国際舞台で活躍できる人材の育成に取り組む高等学校を「鳥取県スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に指定し、質の高いカリキュラムの開発・実践やその体制整備を進める学校への支援を行う。
2 内容
○英語による公開発表会やALTの充実などの先進的な取組計画を審査し、効果があると認められる計画について採択・補助する。
○補助金 1校あたり 3,030千円(補助率:4分の3)
対象経費(1校あたり)4,040千円
ALT配置(3,600千円)
外部講師謝金、旅費(54千円)
公開発表会開催経費(100千円)
教員研修(先進校視察)(286千円)
○事業費計 6,060千円 (4,040千円×2校×3/4)
○採択校の事業実施期間 採択年度から3年間
H27採択 鳥取敬愛高校 H27〜H29年度実施
※H28、29年度にも新たに各1校を採択
3 効果
○大学・企業等の外部講師等の社会と繋がった生きた英語を学ぶことにより生徒の興味・実力向上。
○ALTの配置時間増による、ティーム・ティーチングによる授業や教材(リスニング)の作成、英語弁論大会への指導、英語検定試験(面接)の指導の一層の充実。
○ALTが学校教育だけでなく地域住民との交流を深めることで、外国語教育の充実、地域における国際的交流を深めることもできる。