1 現状と課題
小学校校庭芝生化モデル事業補助金の創設から6年が経過。実施主体が負担すべき経費の高額化がネックとなり、校庭芝生化が進んでいないのが現状。
⇒同補助金の活用実績は6年間でわずか5校。現場(先生及びPTA)の理解は得られているが、経費負担の問題から校庭芝生化を見送っている小学校が多数。(今年度は4校と打開策を協議中)
⇒一方で、『事業費=補助金』で実施が可能な保育所・幼稚園の園庭芝生化事業補助金の活用実績は、6年間で30園と順調に推移
2 対応策(調整要求内容)
現状を受け止め、以下のとおり小学校校庭芝生化モデル事業補助金要綱を改正し、改めて鳥取方式の芝生化発祥県・芝生化先進県として、全国に誇れる校庭芝生化の推進体勢を整えたい。
<補助金要綱改正案>
○補助額(1校当たり)
・現行:500円/m2×7,000m2=3,500千円
・改正案:800円/m2×7,000m2=5,600千円
(参考)
7,000m2:小学校の平均的な校庭面積
(同補助金活用実績のある5校の校庭面積の平均は5,500m2)
⇒現行制度は、鳥取方式による芝生化所要経費を1,000円/m2程度と見込み、1/2相当の500円/m2補助することとしていた。
⇒しかし、効果・効率的に芝生を維持するためには、ある程度充実した環境(勾配造成及び散水施設整備等)が必要であり、過去6年の実績から所要経費は1,600円/m2程度必要となっている。
⇒以上から現行制度を見直し、所要経費の1/2相当に当たる800円/m2を補助することとしたい。
3 効果
・実施主体の費用負担の軽減が図れ、校庭芝生化の広がりが期待できる。
★(非公開)鳥取市及び米子市教育委員会は、『実施主体=実行委員会(先生及びPTA等)』の方針を示しており、市教委の協力を得ること(事業の予算化)が困難。今回の要綱改正を県内の取組みを促進する契機とし、引き続き校庭芝生化に向けて関係者の理解を促す。
4 査定結果及び調整要求額
<小学校校庭芝生化モデル事業補助金>
・H28当初査定額:3,500千円×2校=7,000千円
・要綱改正に伴う必要額:5,600千円×2校=11,200千円
・差額:11,200千円-7,000千円=4,200千円(⇒調整要求額)
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
●平成21年9月補正予算
緊急的に取り組む必要のある普及啓発に取り組むとともに、県施設が率先して芝生化に取り組む体制を整えた。
●平成22年度当初予算
保育所・幼稚園の園庭芝生化の支援及び小学校の校庭芝生化モデル事業に取り組むこととした。
●平成22年度9月補正予算、23年度当初予算
鳥取方式の芝生化を全国に展開するための組織の立上げを支援した。また、前年度に引き続き幼稚園保育園、小学校の芝生化及び広報、プロジェクトチームによる全庁的芝生化促進に取り組んだ。
●平成24年度当初予算
補助対象者について、市町村・施設設置者に追加して維持管理団体(保護者、地域関係者等で構成する実行委員会組織)を認め、柔軟に事業化に対応できる制度とした。
●平成25〜27年度当初予算
前年度に引き続き幼稚園保育園、小学校の芝生化及び広報、プロジェクトチームによる全庁的芝生化促進、鳥取方式の芝生化全国サポートネットワーク等による広報活動に取り組んだ。
これまでの取組に対する評価
【幼稚園・保育園の芝生化】
平成22年度:37園、平成23年度:28園、平成24年度:2園
平成25年度:2園、平成26年度:4園、平成27年度:6園
芝生化は一定程度広がっているが、依然芝生の園庭で生活できる子どもは半数に満たず、さらに園庭の芝生化を促進する必要がある。
【小学校の芝生化】
(平成22〜23年度は申請実績なし)
平成24年度:2校、平成25年度:2校、平成26年度:1校
全面芝生化が広まっているが、さらにモデル校を創出し、他校へ波及させる必要がある。
【啓発・PR】
県庁内におけるNPO法人との連携及び鳥取方式の芝生化全国サポートネットワークの取組により、芝生化促進に取り組む体制は構築されつつあるが、特に市町村・教育現場における理解にばらつきがあるため、啓蒙活動による理解促進が必要。