1 事業概要
障がい者やその保護者の高齢化が年々進んでいる状況にある中、知的障がい(児)者の「親亡き後」の不安や悩みを少しでも取り除くツールとして、平成25年度から平成27年度にかけて鳥取県手をつなぐ育成会へ委託し、親が元気なうちに、我が子を段階的に託していくための引継書である「安心サポートファイル」を作成したところ。
今後このファイルの全県的普及と活用を図るため普及員の養成や、普及員や関係機関等との連絡調整を進めるコーディネーターの設置を行う。
2 内容
<主な事業内容>
○安心サポートファイルの普及の取組
コーディネーターを配置し、当該コーディネーターに、実際に各市町村内で普及を図っていただく普及員(地区育成会の役員や、各市町村知的障害者相談員)養成のための説明会を開催したり、知的障がい者の保護者、医療機関や学校などの関係機関に周知する取組を行う。
○親亡き後に向けて必要とされる支援について検討する取組
「親亡き後」の問題に対応するにあたって、コーディネータに障がい者の保護者訪問等活動していただき(育成会の会員にヒアリング、調査資料作成)、具体的にどのような支援が必要とされているのか、検討していただく(検討会設置、県もメンバー)。
また、「親亡き後」に居住地候補となりうるグループホームにおいてどのような支援策が必要なのか、またグループホームの必要量について研究も行い、求められるグループホームの在り方について検討を行う。1年目で調査研究を行い、2年目でそれに基づく実験的な事業を行うケースなどが考えられる。
3 所要額
4 査定内容
保護者等へのファイル作成支援について、市町村の意見を聞き、市町村に主体的に関わっていただく仕組みを検討してください。
5 担当課の考え
市町村には、障がい者手帳の申請に来られた方等への紹介や、広報誌での広報など、出来る限りの協力を頂くようお願いしていきます。
また本事業は「親亡き後」の不安や悩みを少しでも取り除くために委託により県が作成を進めてきた事業であることなど踏まえ、その定着が図られるまでの一定期間、県が普及を推し進めたいと思います。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
H25〜27の3カ年掛け「安心サポートファイル作成事業」により、親が亡くなった後も、知的障がいのある我が子への支援を関係者に円滑に引き継ぐための引継書『あいサポートファイルとっとり』を作成した。
これまでの取組に対する評価
引継書のフォーマットは完成したが、その浸透が図られるのを自然体で見守るのでなく、保護者や関係機関などへの売り込みを図り、普及を積極的に推進していく必要がある。
また引継書の普及だけでなく、『親亡き後』の備えとして引継書の作成だけでいいのか、保護者が存命の間、しておく事が望まれる事は何なのか、知的障がい者等の『親亡き後』を迎えるまでの間の青写真を描く事が求められる。