1 目的・概要
これまで培ってきた県内における介護人材のもと、介護の基本的なスキルを持った人材をさらに増やし、介護職員の確保、介護離職の防止及び住民が主体となって高齢者を支える地域づくりを目指すとともに、我が県が誇る介護技術の発信を図る。
事業費 | 13,000千円(前年度ゼロ) |
事業内容 | 1 「介護職員初任者研修」の受講促進
6,000千円(補助金)
2 介護離職ゼロに向けた働く介護家族への支援
1,000千円(補助金)
1,800千円(委託料)
3 「新たな介護を支える“結(ゆい)”ボランティア(仮称)」創出モデル事業
4,200千円(委託料)
4 介護サービスの質の向上支援事業
(オールジャパンケアコンテスト開催支援)
2,000千円(補助金) ※別掲 |
財源 | 地域医療介護総合確保基金(介護) |
2 事業内容
1 「介護職員初任者研修」の受講促進
基本的な介護業務を行うことができる介護職員初任者研修修了者を地域に増やすことが介護職員のすそ野を広げることにつながることから、受講促進のための支援事業及び広報を行う。
(1) 「介護職員初任者研修」受講支援事業
研修受講者に対し受講料の一部を補助し、介護職員として就職した場合等は補助額を加算する。
事業費 | 6,000千円(前年度ゼロ) 補助金 |
対象者 | 介護職員初任者研修修了者
(例)
他業種から介護分野へ再就業する者
地域で介護ボランティアを行う者
家族を介護している者 等 |
補助金額
(一人当たり) | ・3万円(上限)
・2万円加算(県内の介護事業所に、介護職員として就職した場合等) |
積算根拠 | (3万円+2万円)×120人分 |
(2)「介護職員初任者研修」広報事業
「介護職員初任者研修」は、介護職員だけでなく介護家族等も受講できることや、夜間や土曜・日曜にも開催していることなどを広く県民に周知し、受講を促すため、県政だよりやテレビ等により広報する。
【期待する効果】
研修受講により、家族に対する介護等の充実につながる。
また、介護スキルを身につけた人材は、介護職場だけでなく、地域で住民主体による高齢者支援の担い手として期待できる。
2 介護離職ゼロに向けた働く介護家族への支援
働く介護家族等が、「介護職員初任者研修」で基本的な介護スキルを学べるよう受講しやすい環境を整備するとともに、介護と仕事が両立できるよう職場内の意識醸成を図る。
(1)働く介護家族向け「介護職員初任者研修」開催支援事業
研修事業者に対し、働く介護家族等が受講しやすい「介護職員初任者研修」の開催を促すため、費用を支援する。
事業費 | 1,000千円(前年度ゼロ) 補助金 |
対象者 | 介護職員初任者研修実施事業者 |
補助金額
(1コース当たり) | 10万円
〈要件〉
・会社員等が受講しやすい研修時間の設定
・所定のカリキュラムに加え、介護と仕事の両立に役立つ講座の開催
・働く会社員等に向けたものであることを含め、本研修について企業等に対する特別な周知・広報の実施
・受講者が受講しやすいように、受講料を低く設定(6万円以下)
・定員10名以上 等 |
積算根拠 | 10万円×10コース分 |
(2)「働く介護家族応援!」企業内研修開催支援事業
働く家族が介護不安から介護離職してしまわないよう、職場を通し介護サービスや制度に関する情報提供をするとともに、介護者が働きやすいような意識醸成・環境改善を狙い、企業内研修の開催促進を図る。
事業費 | 1,800千円(前年度ゼロ) 委託料 |
委託先 | 研修講師を派遣できる介護事業所、介護福祉士養成校等(公募を想定) |
委託金額
(1地区当たり) | 60万円
〈委託内容〉
・企業等を訪問し、介護に関する研修会を働きかけ
・希望する企業等で、研修会を開催
・研修会では、介護サービスの活用だけでなく、介護関係者として介護の魅力「楽しさ」「広さ」「深さ」を伝えるものとする。 |
積算根拠 | 60万円×3地区(東・中・西部) |
3 「新たな介護を支える“結(ゆい)”ボランティア(仮称)」創出モデル事業
従来、介護施設でボランティアが活動している事例はあるが、ボランティアの意欲、活動したい内容を中心としたものであったため、介護人材が不足している施設側のニーズを必ずしも反映したボランティア活動は少ない状況である。
各施設のニーズ(業務内容・活動形態(時間・時期))を把握し、ボランティアと介護現場を“結ぶ”新たな活動「新たな介護を支える“結(ゆい)”ボランティア」モデルを創出することで、介護施設の環境改善、介護の質の向上を図るとともに、介護施設での就労意欲のあるボランティアを介護人材へとつなげていく。
【事業費】 4,200千円(前年度ゼロ)
【委託先】鳥取県社会福祉協議会
【事業内容】
区分 | 内容 |
介護施設支援のボランティア育成 | 介護施設でボランティアを行うための基礎知識を習得する基礎講座の実施。 |
介護施設体験 | ボランティアと介護施設とをマッチングさせ、介護施設での体験学習を実施。(レクリエーションの参加、地域交流イベントの補助等) |
介護施設での定期的なボランティア活動 | 施設側のニーズを聴き取り、ボランティアが定期的に活動できる機会を提供(施設側は個別の研修を実施する等、ボランティアが活動しやすいように支援)
→就労意欲のあるボランティアは、介護人材へとつなげていく。 |
4 介護サービスの質の向上支援事業
(オールジャパンケアコンテスト開催支援)
介護職員の質の向上を目的として実施する全国的な取組に対し、必要経費を補助する。
本県での技術力向上の取組を全国に発信するとともに、地域住民や高校生等に介護や介護の仕事の理解促進を図る。
事業費 | 2,000千円(2,000千円)補助金
※別掲(介護人材確保対策事業のうち) |
対象者 | オールジャパンケアコンテスト実行委員会 |
補助金額 | 上限2,000千円(補助率10/10) |
3 背景
(1)団塊の世代が75歳以上となる2025(平成37)年、要介護認定者数は2012(平成24)年の1.21倍になると見込まれ(32,186人→38,866人)、現在と同程度の配置のもとに介護を行うとすれば、介護職員を2,096人増加(年150人純増)させる必要がある。
介護職員の離職等を勘案すると、毎年1,200人の新規就労を確保していかなければならない。
| 2012
(平成24)年 | 2025
(平成37)年 | 増加人数 |
要介護認定者数 | 32,186人 | 38,866人 | 6,680人(約1.21倍) |
介護職員 | 10,097人 | 12,193人 | 2,096人(年150人純増)
→年1,200人の新規就労 |
約1.21倍 |
(2)家族などの介護を理由とした離職を防止するため、社会福祉法人こうほうえんが社会貢献事業として、企業の従業員を対象とした介護職員初任者研修を実施しているところ。米子商工会議所との共催により、会員企業の従業員は受講料負担が軽減されている。
また、南部箕蚊屋広域連合では、介護職員のほか地域の中に介護の知識を持っている人を増やし、介護の相談にのったり介護ボランティアに参加するなど地域力を向上させるため、介護職員初任者研修の受講料を補助する事業を実施しているところ。
働きながらでも家族に対する一定の介護を可能とし、介護を受ける者が可能な限り在宅での生活が続けられるよう、こうした取組を県内に広げていく必要がある。
4 介護職員初任者研修について
在宅・施設を問わず、介護に従事する者が行う業務全般に必要となる基本的な知識・技術が習得できる研修。(講義及び演習により合計130時間以上)
平成25年3月31日まで区分されていた訪問介護員養成研修2級課程(ホームヘルパー2級)に相当する。
介護保険法施行令(平成10年政令第412号)第3条第1項第2号に定められ、研修事業者及び研修を知事が指定する。