(1)背景
・スギ、ヒノキの需要減から、中核となる生産者が、平成7年から広葉樹ポット苗生産を導入し経営安定を図ってきたが、近年、両方の需要がさらに落ち込み、生産者の生産意欲の低下が著しくなっている。
・この状態が続けば、各苗木生産者は廃業に追い込まれ、本県から生産できる種子供給がストップしてしまう危機的な状況となる。
・森林造成には、数十年の長期間を要し、森林造成の成否は苗木そのものの素質に委ねられる部分が大きく、成長、通直性等の優良性はもとより、特に外観からは判断できない遺伝的優良性等については、山林樹苗協同組合等が有する、持続的な苗木生産体系、技術等に頼らざるを得ない状況になってきている。
(2)目的
・苗木生産者の経営安定及び生産体制の確立
・優良な種苗の確保による健全で活力ある森林の造成
(1)生産基盤施設等整備(3,080千円:単県)
少花粉スギ等の優良品種を通年で植栽可能なコンテナ苗として
安定供給する苗木生産者を支援。
(2)採種園維持管理(県営)(2,758千円:単県)
精英樹による優良品種、病害虫抵抗性品種により造成した採種穂園の下刈り、薬剤散布等の維持管理を行う。
(3)林業用種子の採取及び精選(1,351千円:単県)
上記(2)から生産される種子を採取及び精選を行う。
(4)種子精選施設撤去(600千円)(新規:単県)
種子精選施設について、老朽化が激しく、倒壊する危険がある
ため、撤去することとしたい。
(5)採種園用苗木等購入(350千円)(単県)
県営採種園造成のための、少花粉苗木等の購入。
(6)残苗補償(2,500千円:国庫・単県)
苗木生産者の需給調整後に発生した残苗の本数に応じて生産者に苗木廃棄に対する損失を補償する。
・実施主体:鳥取県山林樹苗協同組合
・事業費=販売価格×残苗本数
・国庫事業名:苗木安定供給推進事業
・補助率 国1/2、県1/4
(7)【新規】採穂園造成管理支援(生産者)(333千円:単県)
少花粉スギ苗等の優良品種にかかる採穂園造成管理経費について苗木生産者を支援。
・補助率 県1/2
(8)研究会による継続研究調査(700千円:単県)
皆伐再造林の推進のため設置された、「鳥取県人工林皆伐再造林研究会」(H25設置)において、森林組合等林業関係機関が連携し、持続的な林業経営を目指して、抵コスト皆伐再造林の技術体系や、品質に優れた品種苗やコンテナ苗、有用広葉樹苗等についての調査・研究を行い、研究会や作業委員会を開催し、話し合い、検討しながら、皆伐再造林の推進を図る。
・研究会、作業委員会の開催
・低密度コンテナ苗植栽地の生長量調査
・成長及び形質等の優れたスギ品種の開発のための現地調査
等の実施。
・センダン等の早生樹種についての研究の実施。