(1)【制度要求】優良品種の植栽促進
「王秋」の植栽や果樹園整備等への経費助成の拡充
・「王秋」を特別対策品種と位置づけ、鳥取梨生産振興事業(「新甘泉」「秋甘泉」特別対策事業)の対象品種に加える。
・「王秋」の栽培上の課題であるコルク状障害を予防するため、土壌改良機械を補助対象とする。
実施主体 | JA、生産組織、認定農業者等 |
対象経費 | 植栽、高接ぎ、果樹棚・網かけ施設・かん水施設・土壌改良用機械などの整備に係る経費 |
補助率 | ・新改植、果樹棚、網掛け施設、土壌改良機械: 嵩上 1/2⇒2/3 (2/3⇒3/4)
・高接ぎ(一挙更新)、かん水施設等:嵩上 1/3⇒1/2 (1/2⇒2/3)
・()内は上記経費をやらいや果樹園(※)として整備する場合
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※王秋を特別対策事業の補助率とする期間はH29〜31年度
・「王秋」を特別対策品種とすることで増加する予算額(想定)
3,800千円/年 × 3年間 = 11,400千円
(2)ジョイント栽培専用大苗供給体制の整備
・ジョイント栽培の専用大苗の安定供給のため、新規育苗業者を育成するとともに、特殊形状の大苗等の輸送システムづくりを支援する。
・地域の実情に応じた、育苗作業受委託システムの仕組みづくりを支援する。
実施主体 | 事業内容 | 補助率 | 要求額
(千円) |
苗木業者、山林樹苗組合、全農とっとり、JA、生産組織等、農業公社、認定農業者等 | 専用大苗の育苗の新規に取り組む場合に必要な生産資材、消耗品等を定額助成。 | 定額 | 3,000 |
専用大苗の育苗施設、かん水施設の整備費については補助率2/3で助成。 | 2/3 | 5,525 |
専用大苗の育苗に取り組む場合の育成委託、機械リースに係る経費を助成。
(委託の対象品種は、新甘泉、秋甘泉、王秋) | 2/3 | 3,678 |
【要求額】 | 12,203千円 |
※事業期間はH29〜31年度
(3)新技術等実証モデル事業
1年生苗のなかでも長い苗を活用した改良ジョイント栽培法や、「王秋」のジョイント栽培の現地モデル、新技術・新品種の実証を支援する。
実施主体 | 事業内容 | 補助率 | 要求額
(千円) |
農業者、生産組織、JA、農業公社等 | 新技術や新品種等の実証に必要な経費を助成。
【現地実証する新技術など】
1.改良ジョイント栽培
1年生苗の育苗過程で1割程度発生する長苗を活用した超密植のジョイント栽培の実証
2.「王秋」等ジョイント栽培
「王秋」等有望新品種のジョイント栽培の実証
3.次世代新品種
次世代新品種候補の「甘太」等の実証
対象:苗代、土壌改良材等
補助@40万円/3a×3カ所 | 定額 | 1,200 |
【要求額】 | 1,200千円 |
※事業期間はH29〜31年度
3.事業背景
・平成28年10月の地震により、鳥取県の梨主産地である中部地区を中心に、収穫前の晩生梨が落下する大きな被害が発生したことから、梨産地の復興を通じて個々の農家経営を被災前以上に発展させていく必要がある。
・訳あり梨の販売で一般にも広く名が知られた「王秋」は、梨品種の中でもトップクラスの収量があり、販売単価も良好で、新甘泉等との労力分散可能な晩生の優良品種。生産者も「新甘泉」並みに所得が高く、鳥取県が「全国一」の栽培面積を有しており、今後の有利販売が期待できると評価している。
・台風に遭いやすい晩生梨であるため、落果リスクが高く、植栽推進の阻害要因となっている。
・一方、植栽面積200haを目標に推進してきた「新甘泉」等の梨新品種は、平成31年度に230ha植栽する目標が新たに設定され、梨新植栽を再加速させることになった。
・JA鳥取中央は県が策定した「鳥取県農業活力増進プラン」を基本とし、現在管内約50haの梨新品種面積を2020年までに100ha規模とすることを目標とした「輝きある梨産地技術革新プラン」を策定して、推進を図っている。