事業概要
漁業被害をもたらすヒトデの大量発生について美保湾内における分布状況を把握し、効率的駆除方法の提示を行う。
また、ヒトデの大量発生に伴うヒラメ、バイ資源に与える影響を把握し、増殖方法の検討を行う。
調査内容
(1)ヒトデの分布状況の把握
方法:小型底びき網調査(1回/月、4回/年)
内容:ヒトデ時期別・海域別の分布及び生態の把握
大量発生した場合の効果的な駆除方法の検討
(2)バイ、ヒラメ資源に与える影響把握と増殖方法の検討
方法:小型底びき網に曳網調査(1回/月)
市場調査(1回/月)
内容:ヒトデによるバイ稚貝の食害実態の把握
放流ヒラメに与える影響の把握
資源増殖策の検討
3 調査の背景等
○平成26年秋季に美保湾でヒトデが大量発生し、ヒラメ等を漁獲する小型底びき網では擦れ等により漁獲物が傷つけられたり、操業ができなくなる等の甚大な影響を及ぼした。
○県はヒトデ駆除のため支援事業を実施し駆除を行われたが15トン程度の回収に留まり大規模な駆除はできなかった。
○平成27年春のヒラメ稚魚分布調査においても大量のヒトデ(マヒトデ、スナヒトデ等)の入網が確認され調査を開始した。
○平成28年度は、ヒトデの分布量は少なく、月別の推移でも大発生は確認されなかった。これらの結果を受け平成28年のヒトデ駆除活動は見合わされた。
○しかし、漁業者からヒトデが多く分布しているようなので確認にして欲しいとの情報が寄せられており、引き続き継続してモニターしていく必要がある。(これまでのところ、やや多い箇所もあったが、駆除が必要な状況では無かった)
○また、ヒトデの胃から殻高1cm以下の小型のバイ稚貝が確認されたことから、ヒトデによる食害の程度を把握する必要がある。
4 期待される効果
○ヒトデの分布量・推移を把握し、駆除が必要かどうかの判断材料を得る。
○ヒトデが大量発生した場合の効率的な駆除方法提示し、駆除活動の効果を高め、ヒトデによる被害を最小限にとどめる。
○バイ及びヒラメの資源・成長を把握し、必要に応じて資源増殖策の再検討を行い、資源の早期回復を図る。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○ヒトデの分布量を推定し、月別の推移を調査した。
○ヒトデによるバイの食害について調査を行った。
これまでの取組に対する評価
○平成28年のヒトデ分布量は、大量発生した平成27年度に比較し大きく減少したことが確認された。また、月別の推移でも大量発生が確認されることは、無かった。
○採取したヒトデの胃から、バイの稚貝が確認されたことから、ヒトデによる食害の程度を把握する必要がある。
○ヒトデの大量発生が確認されておらず、効率的駆除方法の検討が進んでいないが、大量発生が確認された場合は検討する必要がある。