・平成20年策定「鳥取梨産地活性化ビジョン」で、県オリジナル梨新品種を「梨産地とっとり」復活の切り札とし、平成27年までに200ha植栽することを目標に据えて増反に取り組んできた。
・その結果植栽面積は171haまで増加し(平成27年度末)、目標年での達成はならなかったが、あと一歩のところまで来ている。
・なかでも「新甘泉」は市場や消費者の評価が高く販売単価も好調で、新品種の植栽面積の半分を占めているが、生産量はまだ少なく、市場や消費者からの注文に十分応えきれていない。
・こうした状況を受け、県では平成27年度に「食のみやこ戦略チーム」を組織し、「新甘泉」を育成すべきトップブランドと位置付け、栽培面積を現状の76haから120haにまで増やす目標を新たに設定した。
・一方、「秋甘泉」も「新甘泉」と同様に高糖度・良食味で、「新甘泉」の後に収穫できる有望品種である。
・「新甘泉」の収穫期間は2週間程度と短く、1戸の農家が栽培できる面積には限りがあることから、「新甘泉」に「秋甘泉」を組み合わせ、「甘泉シリーズ」として売り出そうとしている。
・また、県園芸試験場が「新甘泉」に「秋甘泉」を3〜5割程度混ぜて植えることで、人工授粉作業が不要になる省力化技術を発表しており、この2品種に対する期待が今後さらに高まると思われる。
梨は植えてから本格的に収益が上がるまでに8年以上かかるため、高齢な生産者には取り組みづらい側面がある。
一方、既存品種へ新品種を高接ぎすると2〜3年目から収穫が始まり早期増産可能となるが、穂木づくりが大変なことや作業に手間がかかるため行う農家が少ない。
そこで、産地(選果場の生産部など)を単位として、「新甘泉」「秋甘泉」増殖運動を展開し、皆で協力して接ぎ木する取り組みを支援する。
要求額:2,400千円(2,400千円)
定額助成
・生産組織への一律奨励金:100千円×5組織
・一挙更新の面積割奨励金:50千円/10a×300a
・順次更新の面積割奨励金:20千円/10a×200a
【変更点】
・生産組織として取組が可能となる面積の下限を撤廃し、多くの組織が取り組める形に変更する。ただし一律奨励金は従来の基準面積をクリアした組織にのみ交付する。
苗木の注文は春と秋の年2回行われるが、その年の販売が好調であると苗木の注文数も増えるため、農家は秋に苗木を発注することが多い。しかし春注文分は先行予約として確保されるが、秋注文への対応は予備生産した苗木の範囲内での供給となるため、苗木供給が不足することがある。
県があらかじめ予備の苗木を県推進枠として確保することにより注文数の急増時に対応できるよう、全農とっとりを通じて苗木業者に苗木の増殖を依頼し、結果的に売れ残った苗木の価格を県が支援する。
要求額:1,500千円(1,500千円)
「新甘泉」「秋甘泉」の苗木確保1,000本分:1,500千円