1 事業概要・目的
生産現場の突発的な技術課題の解決、本格的な試験研究を実施する前の事前調査、研究素材の蓄積等を行うため、各試験場が当初から計画して取り組んでいる試験研究課題とは別に、迅速かつ柔軟に対応できる研究費を設定する。
2 事業内容・要求額
(1)事業内容
ア 臨時的な研究
生産現場で発生した突発的な技術課題の解決、受託研究等に対応する試験研究を行う。
イ 調査的な研究
新たな試験研究課題の設定をより的確に行うため、事前(予備)調査、研究素材の蓄積等を行う。
行政施策を推進するため、各試験場間を横断したプロジェクトチームによる事例調査・研究を行う。
(例:地球温暖化対策に対応する調査・研究など)
ウ 研究員の資質向上
新たな研究手法を習得するなど研究の質を高めるため、研究員の資質向上を図る試験研究を行う。
エ 現場密着補完研究
試験研究成果を現場へ普及する際の課題解決を行うため、補完的な研究を行う。
(2)要求額
1,789千円 (H28:1,850千円)
(1試験研究当たり約150千円程度を目安)
3 期待される効果
年度途中に発生した現地ニーズ、緊急を要する試験研究への迅速な対応が可能となる。
研究素材の蓄積、予備調査の実施、研究手法の開発等をすることで、より効果的な試験研究が可能となる。
研究成果の実用化の際に発生した課題について解決策を明らかにすることで、早急に現場へ普及できる技術となる。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<事業内容>
ア 臨時的、突発的な試験研究への対応
・H26:4件(果樹園における霜害対策技術の確立 他)
・H27:1件(スギ優良品種「とっとり沖の山」の生育実証試験)
・H28:4件(シロマジン製剤の経口投与によるハエの発生防止効果の検証 他)
イ 事前調査、研究素材の蓄積
・H26:5件(はい積み保管による燃料用丸太の水分量変動把握 他)
・H27:3件(飼料用米の安定生産技術の確立 他)
・H28:5件(施設野菜に対するFR照射の反応性の調査 他)
ウ 研究員の資質向上
・H26:0件
・H27:0件
・H28:2件予定(1月)
エ 現場密着補完研究
・H26:4件(ショウロを利用したクロマツ苗木の活着率向上試験)
・H27:1件(樹種別ダボのせん断性能試験)
・H28:0件
これまでの取組に対する評価
〈自己分析〉
試験場の研究課題に取り上げていない突発的な研究要望に対して迅速に予算対応し、生産現場等の課題解決に役立っている。
本研究の前に事前調査や素材蓄積を行うことで、研究成果の見通しや研究期間の短縮等の効率的・効果的な研究に役立っている。
平成24年度より、試験研究成果を現場へ普及させる際に発生する問題を解決するための、補完的な試験研究課題も、本事業の対象となった。
試験場統括本部会議等で繰り返し周知したことにより、事業の積極的な活用につながっている。
〈改善点〉
試験場統括本部会議や試験場の研究推進会議等でさらなる周知を図り、本事業の効果的な活用につなげていく。