1 事業概要
○災害復旧事業など各種負担補助制度(国制度)の対象とならない小規模な災害(異常な天然現象に起因する地域内生活道路・地域内用排水路・地域内児童利用遊具の崩壊等)について、地域にとっては重要な公共的施設で機能復旧が必要とされるものに対して、地元自治会等が復旧する際に、復旧にかかる材料費等必要経費について、県が一部補助する制度。
○具体的には、地元自治会等が直営で復旧(もしくは外注)する場合、それにかかる材料費等必要経費を補助する(市町村施行は対象外)。
2 補助内容
○最終補助対象者:地元自治会や地域ボランティア団体など、国庫負担等によらない災害復旧事業を実施する団体(市町村施行は対象外)
○県補助先:市町村(県は市町村へ補助)
○対象地域:県内全域
○補助率:市町村が負担する額の1/2以内
○補助限度額:300千円/件 (公共土木施設災害復旧事業の市町村採択要件が600千円以上であり、それ以下の小規模災害を対象。ただし、国・県から別の負担金・補助金等が支給される場合は、対象外。)
3 必要経費
補助金:3,000千円 ⇒ 300千円×10件
(内訳)H28年発生災害に係るもの8件
H29年発生災害に係るもの2件
4 現状と課題
公共土木施設や農林水産業施設について、災害復旧事業及び災害関連事業があり、被災時には施設の管理等に応じて、採択可能な事業によりその施設復旧を行っている。
しかし、地域内の共同施設(生活道路、地域所有の用排水路等)の被害については、行政による支援が無いため所有者負担による復旧が必要である。このため、中山間地域を対象に以下の目的で、平成24年度に補助事業を創設した。
(目的)
・地域所有の用排水路等の施設が被災し、復旧されずに放置されることで、隣接する他の施設へ影響を及ぼす可能性があるため、補助で地域全体の施設として防災面での機能維持を図る。
さらに近年では、「まちなか過疎」の問題も顕在化し始め、都市部においても少子高齢化が進んでいる。このような中、平成28年10月21日に発生した鳥取県中部地震では、中山間地域でない地域(北栄町、倉吉市)においても個人住宅の被害が多く、地元も共同施設の復旧にまで手が付けられない状況にある。
(中部地震時の共同施設の復旧支援に関する問題点)
倉吉市上井地区(倉吉駅周辺)は中山間地域であるのに対し、倉吉市成徳地区(白壁土蔵群周辺)、社地区(国分寺跡周辺) などは中山間地域でないため、地元管理の被災した共同施設が多数あるにも関わらず支援できない。
これは、他の中山間地域以外においても容易に想定されるものであり、現行の制度では支援できないため、適用範囲を鳥取県全域にする必要がある。