1 事業内容
(1)認知症家族サポート応援隊の養成・派遣
ア 認知症家族サポート応援隊養成研修
○「介護家族の集い」に参加している認知症家族の介護を経験したことのある方について、ケアマネジャーなどを通じて地域の介護家族に対して訪問等により悩み等の話を聞くなどのサポートが可能となるよう、養成研修を行う。
(東部・中部・西部3ヶ所×各1回)
○地域包括支援センター職員やケアマネージャーなどの専門職に対し、ピアカウンセリングの重要性等を伝えて、介護経験者によるサポートの大切さをPRするための研修を行う。(1回)
【要求額】委託料598千円
【委託先】公益社団法人認知症の人と家族の会鳥取県支部
イ 認知症家族サポート応援隊モデル派遣
○翌年度の運用に向けて、試行的に応援隊の登録者を派遣する。(5名分)
【要求額】報償費10千円、特別旅費10千円
<応援隊派遣の流れ>
1 「介護家族の集い」に参加している方の中から参加者を募集。
2 参加者に研修を受講していただき、受講後、名簿に登録。
(認知症の人と家族の会鳥取県支部にて管理)
3 地域包括支援センターや、ケアマネジャーがケアプランの作成等のため、認知症の人の自宅を訪問する際などに、家族の状況に応じて、応援隊の活用を促していただく。
家族が希望された場合に、認知症の人と家族の会鳥取県支部に連絡していただき、名簿より人員を選定し、日時等を調整の上、登録者を派遣。
4 派遣後は、訪問先の家族より、派遣のための費用をもらうとともに、登録者に対して認知症の人と家族の会鳥取県支部を通じて行政からの補助を支給。
(2)認知症地域支え合い運動の周知
認知症の理解をさらに広げるため、「認知症の人は地域で生活できます。地域のあなたの支えがあれば。」をコンセプトに新聞広告・インターネットによる周知を図る。
【要求額】役務費 657千円
2 目的
○ 認知症は、主に高齢期になると発症する可能性が高くなる疾病であり、今後も日本人の寿命が延びれば、認知症を発症する高齢者の数も多くなることが見込まれる。
○ 認知症については、その病名等は人々の間に浸透してきているが、未だ偏見があり、地域で認知症であることを知られたくないと考える人も多い。また、自分が認知症になることをむやみに恐れる人もいる。
○ 認知症は予防することが望ましいものではあるものの、発症した場合でも本人や周りが理解をしていれば、地域で生活をし続けることができるものである。
○ 地域で認知症の方を受入れ、また、認知症になったとしても、これを隠すことなく、住み慣れた地域で生活し続けることができるよう、県民に対して、認知症への理解をさらに広める。また、認知症になっても、支えることのできる地域を構築していく。
3 事業検討の背景
昨年、鳥取市で認知症の夫を介護する妻が、介護疲れを苦に夫を手にかけるという事件が発生した。周囲に息子やケアマネジャーの存在はあったものの、1人で問題を抱え込んでしまったことが一因にあると考えられる。
このようなことが今後起きないよう、認知症の人の家族を支える仕組みづくりを行うとともに、地域で認知症の人を支えることができるよう、住民理解を進めていくことが求められる。