現在の位置: 予算編成過程の公開 の 平成29年度予算 の 農林水産部の鳥取イチゴの再興に向けた革新的栽培技術の確立
平成29年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:園芸試験場費
事業名:

鳥取イチゴの再興に向けた革新的栽培技術の確立

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農林水産部 園芸試験場 野菜研究室  

電話番号:0858-37-4211  E-mail:zaisei@pref.tottori.jp
  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
29年度当初予算要求額 804千円 6,358千円 7,162千円 0.8人 0.9人 0.0人
28年度当初予算額 804千円 6,238千円 7,042千円 0.8人 0.9人 0.0人

事業費

要求額:804千円  (前年度予算額 804千円)  財源:単県 

事業内容

概略説明

本県の冬季寡日照条件下におけるイチゴ栽培の生産性、品質向上を図るため、EOD反応を活用した効果的加温技術の確立やオリジナル品種の栽培特性解析および現地普及に向けた栽培技術の確立を行う。

1.事業の必要性

1)イチゴは鳥取県で冬季に高収益が期待できる唯一の野菜品目であるが、現在の主流品種は本県のような冬季低温寡日照地域では生産性が低いため導入が難しい。

    2)収量確保には夜間加温が必要であるが、燃料費高騰により十分な投資効果が得られにく、加温栽培が普及しない。
    3)一方、同様に冬季に加温を必要とする花き栽培ではEOD反応を活用した効果的加温技術の研究が進んでおり、野菜栽培への応用、技術確立が求められている。
    4)また、本県の気象条件下で収量、品質が優れるオリジナル品種「とっておき」を育成し平成28年2月に品種登録申請し、今年度から現地への普及が始まり、早急に新品種に適した栽培技術の確立が求められている。
    5)さらに、県内のイチゴ栽培は旧来産地の生産者数は減少しているが、個別の新規就農者による生産者は増加しており、新規就農者が確実に安定生産できる栽培技術の確立が求められている。
    6)EOD反応を活用したイチゴ栽培は事例がない本県独自の技術であり、オリジナル品種の栽培技術と標準技術とすることで本県のイチゴ生産の拡大が期待できる

2.試験の内容および効果

試験内容
期待される効果
1.EOD反応の活用による生産性向上効果的加温方法の確立高単価の122月の生産量が増加するともに、加温燃料費が削減されイチゴ経営が安定する。
光照射による生育制御
2.次世代品種の活用による高品質多収生産オリジナル品種の特性解析と栽培技術の確立収量性、食味、輸送性に優れる品種の普及で県外市場へのPR、供給が可能になる。
新規導入品種等の適応性検定

3.これまでの成果

試験項目
成果の概要
イチゴに対するEOD活用の効果夜間8℃とFR光の照射の組合せ及び日没後3時間、20℃加温の組合せで慣行と比較して収量が増加した。
FR光照射は冬期の草勢維持、果実肥大効果が認められた。
FR光への反応性は「章姫」が「とっておき」より高いと考えられた。
オリジナル品種の特性解析「とっておき」は「章姫」に比べて採苗時期、ポットの大きさが定植時期に及ぼす影響が大きいと考えられた。6月下旬採苗では定植時期は9月上旬、7中旬採苗では9月上旬から中旬であった。

4.H29年度の試験内容

試験項目
試験内容
1.EOD反応の活用による生産性向上・EOD加温およびFR光照射の相乗効果の検討
・LED照明によるFR光照射強度と生育反応
2.次世代品種の活用による高品質多収生産・オリジナル品種「とっておき」の栽培特性解明
・有望品種の特性解析
・野菜成系統評価試験(農研機構野菜茶業研究所の受託試験))

5.H29年度の要求内訳

内訳
要求額
(千円)
 旅費
  65
 栽培資材・実験器具購入費
 734
 通信運搬費
   5
 合計
 804

6.試験実施期間

平成27〜29年度
年度
試験内容
事業費
(千円)
H27
・EOD加温の加温時間、温度設定の検討
・R-RF比率の異なる光照射の反応確認
・オリジナル品種に適した育苗方法、栽植密度の検討
・有望品種の特性解明
・野茶研育成系統評価試験
  804
H28
・EOD加温、FR光照射の相乗効果の検討
・FR光の放射強度と生育反応の確認
・オリジナル品種の栽植密度、肥培管理の検討
・有望品種の特性解明
・野茶研育成系統評価試験
  804
H29
・EOD活用技術およびオリジナル品種栽培技術実証およびマニュアル作成
・野茶研育成系統評価試験
  804
合計
 2,412

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

イチゴに対するEOD反応を活用した加温方法として、日没後3時間20℃加温し、その後無加温とすると慣行加温よりも早期収量の増加、燃料費削減効果あることが明らかとなり、平成26年度に新しい技術として情報提供した。また、FR光照射が果実肥大促進に効果的であることを明らかにした。品種によって反応に違いがあると考えられた。
 収量性が高く食味が優れるオリジナル品種「とっておき」の栽培技術確立に向けて花芽分化時期、採苗時期、栽植密度、育苗方法等を検討した。
オリジナル品種「とっておき」を今年度から県内農家23戸に配布した。また、「とっておき研究会」を開催して農家への栽培技術の普及を図っている。

これまでの取組に対する評価

平成26年度 外部評価委員会議(事前評価)の結果
評点 12.8  判定 ◎
(評点9以上で試験実施)

評価委員の主な意見
・新しい視点での技術開発であり期待ができる。
・EOD光照射は低コストで導入しやすいので是非研究して欲しい。
・農業経営の選択肢が広がると期待される。

<自己分析>
EOD加温技術はほぼ確立することができた。EOD光照射についてもFR光に対する反応性が確認され、今後技術確立する。
オリジナル品種「とっておき」が現場で普及し始め、栽培技術について「とっておき栽培研究会」の中で農家との情報共有ができる体制を作ることができた。

工程表との関連

関連する政策内容

低コスト生産・経営管理技術の開発

関連する政策目標

花き、イチゴにおけるEOD加温栽培管理方法の確立とEOD光照射条件の検討





要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 804 0 0 0 0 0 0 146 658
要求額 804 0 0 0 0 0 0 146 658