1 事業概要
フェニルケトン尿症等、新生児の先天性代謝異常を早期発見し、適切な治療を行うことで、その疾患から生じる重篤な症状や心身の発達障がいを予防することを目的として、県が新生児に対して先天性代謝異常検査を行う。
(1)先天性代謝異常等検査費【継続】
実施主体 | 県 |
財源 | 県10/10 |
対象 | 県内で出生した新生児のうち、保護者が検査を希望したもの |
実施方法 | 1.各医療機関が、保護者の同意を得た上で生後4〜7日の新生児から少量の血液を採取し、県委託検査機関に送付する。
2.県委託検査機関は、ガスリー法等によりフェニルケトン尿症等の先天性代謝異常及び先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の検査を行い、また、タンデムマス法により16疾患の検査を行い、検査結果を医療機関及び県に報告する。 |
要求額 | 先天性代謝異常検査委託費
〔19,566(19,635)千円〕
@3,261円×6,000(6,021)件
=19,566,000(19,635,000)円 |
(2)先天性代謝異常等精度管理費(継続)
実施主体 | 県
※委託先:タンデムマス・スクリーニング普及協会 (NPO法人)、随意契約 |
財源内訳 | 県10/10 |
内容 | 委託検査機関が実施する先天性代謝異常検査等が、正確に検査が行われているか精度管理を行う。また、希少疾患についての情報提供、及び診断、治療方針に関する相談などを受け付けるコンサルテーション業務も兼ねて行う。 |
要求金額 | ○検査精度管理委託料[698(698) 千円]
@見積書:698,000円 |
(根拠:鳥取県先天性代謝異常等予防対策事業実施要綱)
2 目的・背景
フェニルケトン尿症等の先天性代謝異常を早期発見し、早期に適切な治療を行うことで、その疾患から生じる重篤な症状や心身の発達障がいを予防し、乳幼児の健康の保持増進に寄与することを目的とする。
平成23年度からタンデムマス検査を導入したことにより、発見可能な疾患が6疾患から19疾患に増加した。いずれも症状の発現前に治療を開始することで、のちの脳症、突然死、重篤な症状や心身発達の障がいを予防できる可能性が高い疾患であり、その効果は大きい。
【県が先天性代謝異常検査を実施する理由】
○先天性代謝異常等の疾患を有する児は、県の実施する小児慢性特定疾病対策事業等の医療費給付制度の対象となる場合が多く、支援の一貫性という観点から、県が当該検査を実施する必要がある。
○当該検査は、全県の医療機関で実施される検査であり、広域性の観点からも、県が実施することが望ましい。
○当該検査に係る費用については、平成13年度に国補助金が廃止されたが、同時に地方交付税措置となっている。
○タンデムマス法にかかる検査費用については、平成23年度から地方交付税措置となっている。
3 事業開始時期
事業開始:昭和52年度〜
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
県内で出生した新生児のうち、保護者が検査を希望したものに対して、先天性代謝異常等検査を実施した。
(公費負担額) (延べ件数)
H23実績 17,271千円 6,243件
H24実績 16,271千円 5,906件
H25実績 16,815千円 6,009件
H26実績 16,764千円 5,894件
H27実績 16,739千円 5,871件
これまでの取組に対する評価
先天性代謝異常を早期発見し、早期に適切な治療を行うことで、その疾患から生じる重篤な症状や心身の発達障がいの予防に一定の効果をあげてきた。
また、平成23年度から実施しているタンデムマス法による検査では、発見はまれだが予防的な治療を行うことで児童の突然死や重篤な障がいを防ぐことが可能な疾患を発見することができる。