1 背景・目的
○地域交通の現状は、人口減少、少子高齢化、モータリーゼーションの進行等による利用者の減少により、路線の廃止等による公共交通ネットワークの縮小や便数の減少などサービス水準の低下を招き、サービス水準の低下がさらなる利用者減少を招くという負のスパイラルに陥っている。
○このような中、平成26年に地域公共交通活性化再生法が改正され、県では市町村と共同する形で、持続可能な公共交通ネットワークの再構築等に向け、生活圏ごとに「地域公共交通網形成計画」の策定を進めてきた。
○県政モニタリング事業においても、生活交通体系の確保には公共交通の利用促進が必要であり、路線図、マップの分かりやすさ、バスロケーションシステムの使いやすさ、PR広報の強化など、利便性向上に向けた意見などが寄せられている。
○また、高齢者の免許返納の急増により、移動手段となる公共交通の重要性が高まっていることなどから、高齢者、若者、観光客も対象とした総合的な利用促進に取組み、世代を超えてみんなで公共交通の維持存続を図っていく。
2 事業概要
(単位:千円)
細事業 | H30要求額
(H29予算) | 内訳 |
(1)公共交通利用促進の取組強化 | 1,300
(4,250) | 協議会の立上げ、公共交通利用促進キャンペーン、公共交通乗り方教室 |
(2)公共交通の利便性向上 | 15,747
(9,863) | バスネット・バスロケーションシステム委託料(スマホアプリ開発、端末通信、システム管理、多機能バス停の維持)、WiFi環境整備、交通マップの作成補助 |
(3)地域鉄道の利用促進の強化 | 4,250
(0) | 広報・県外イベントでの情報発信、臨時観光特急列車の運行支援 |
(4)運輸事業振興助成補助金 | 10,564
(10,454) | 県バス協会の利用促進事業への補助 |
(5)大学・市町村等の連携による公共交通利便性向上 | 0
(64) | |
(6)非常勤職員の人件費等 | 2,548
(2,549) | 非常勤職員の報酬、共済費 |
(7)需用費等 | 1,154
(2,393) | 標準事務費 |
合計 | 35,563
(29,573) | |
3 事業内容
(1)公共交通利用促進の取組強化
国、県、市町村、交通事業者、経済団体、住民等の関係者が一丸となり、今まで以上に連携して公共交通利用促進・PRに取組む。
【新】ア.(仮称)みんなが乗りたくなる公共交通利用促進協議会の立上げ(標準事務費)
生活交通確保にかかる地域協議会を軸とし、実行部隊である担当者で構成する協議会の設置
(ア)構成メンバー:県、19市町村、商工会議所、商工会連合会、
交通事業者、利用者代表、鳥取運輸支局 等
(イ)役割:関係機関が一堂に介し、公共交通の利用促進の取組みに向けた意
見交換及びPR等に取組むことで地域の機運醸成を図る。
(ウ)回数:年2回程度
イ.公共交通利用促進キャンペーン
9月の1ヵ月間を公共交通利用促進強化月間とし、バスの日(20日)をキックオフとした秋の全国交通安全運動の期間(21日〜30日)にあわせ、関係機関が連携して集中的に公共交通利用促進キャンペーンを展開する。あわせて、広告塔などの既存の広報媒体も活用したPRを実施する。
(ア)集中的にPRする時期:9月20日〜30日(バスの日・秋の全国交通安全
運動期間)
(イ)実施内容:主要駅、バスターミナル、各市町村一斉で街頭キャンペーン
※開始にあたっては、知事、鳥取県バス協会会長の挨拶ほか
(ウ)広報物品:交通トリピー(着せ替え用)、PR用幟旗(100ヶ)、チラシ等の
製作
(エ)要求額:1,000千円
ウ.公共交通乗り方教室の開催
公共交通の利用を促進するため、県内で実施される大規模イベント等にあわせて乗り方教室を共催し、バスロケーションシステムの使い方などもPRし、直接県民への利用を働きかける。
(ア)実施回数:3回(東中西部各1回)
(イ)要求額:300千円
(2)公共交通の利便性向上
スマートフォンアプリや交通マップ等による公共交通の情報提供により、利用者の「使いやすさ」、「わかりやすさ」を向上させる。
ア.「バスネット・バスロケーションシステム」アプリ等の開発
大手バス路線検索アプリより掲載路線数が多くバスロケーションシステムにより遅延情報を検索結果に反映できるなどの優れた機能を有している鳥取大学開発のバスネットについて、操作性や視認性の高いアプリ版を開発するなど、観光利用者などの新たな利用促進を図る。
【臨】(ア)操作性・視認性に優れたスマートフォンアプリの委託開発
到着するバスを順番に表示したり、バスの走行位置やルートが確認し易いようなものとする
要求額:4,000千円
(イ)観光誘客に対応した受入環境の整備
観光誘客のアドバンテージとして移動中も切れ目ないネット接続環境を提供するため、バスターミナル等へWiFiルーター委託設置継続
要求額:1,492千円
(ウ)バスネット・バスロケーションシステムを使った県民への公共交通利便性向上に関する情報の提供
バスロケーションシステム及び簡易型多機能バス停委託設置の継続(日本トリップLLPへ委託)
要求額:8,639千円
イ.わかりやすい交通マップの作成・配布
圏域住民及び観光利用者等にわかりやすい交通マップを圏域毎に作成し、主要観光施設や主要駅、バスターミナルに配架
要求額:1,616千円
※交通マップは、国庫補助事業を活用(国直接補助1/2・県1/2)し、
各圏域地域公共交通活性化協議会が作成
【新】(3)地域鉄道の利用促進の取組強化
鳥取県の三セク鉄道の魅力を全国に発信し、域外からの鉄道の利用者の増加を図るため、鉄道専門誌への広告等による全国に向けた情報発信及び兵庫県との連携した臨時観光特急列車を運行する。
※若桜鉄道「昭和」H30.3運行、行き違い施設H31.3完成予定、
智頭急行「観光列車」愛称募集中
ア.鉄道の機能性・デザイン性などマニア向け鉄道専門誌等への広告及び関西圏での大規模鉄道イベント出展による県外向け情報発信
<広報>
掲載内容:若桜鉄道観光列車「昭和」、智頭急行「イベント車両」などの
地域鉄道の情報を掲載
掲載誌(案):鉄道ファン(月間22.5万部)、鉄道ジャーナル(月間13万部)
実施回数:各1回(1回2ページ)
要求額:2,000千円
<イベント出展>
実施内容:鉄道会社と連携して全国的な鉄道イベントに出展し、地域鉄道の
利用促進及び全国への情報発信を行う。
・万博鉄道まつり2019(大阪・平成31年3月頃)
※平成28年来場者:2日間・約8万人
要求額:1,500千円
イ.ジオパークエリア内の横連携の強化による兵庫県と連携した臨時観光特急列車の運行
ジオパークエリア内の横連携の強化を図るため、沿線地域の移動利便性を向上させ、沿線地域からの鉄道利用者及び交流人口の増加を図ることを目的に、鳥取〜兵庫を山陰本線で結ぶ臨時列車を試行的に運行する。
(ア)事業内容:米子−城崎温泉間の臨時観光特急列車運行
(イ)支援先:鳥取県東部地域鉄道利用促進実行委員会
(ウ)要求額:750千円 ※兵庫県:鳥取県=1:1
(エ)現 状:・鳥取−兵庫間を結ぶ特急列車は1日1往復しか運行してお
らず、城崎から鳥取方面への移動利便性が低い。
・鳥取−豊岡間は、多くの便が浜坂での乗換えが必要であり、
ジオパークエリア内で人の移動が分断されている。
(4)運輸事業振興助成補助金 (単位:千円)
区分 | H30要求額
(H29予算) |
(安全確保、事故防止)
安全運行の確保、事故防止対策(睡眠時無呼吸症候群測定機、デジタルタコグラフ、ドライブレコーダー導入支援等)、大型二種免許取得支援 等 | 4,713
(4,834) |
(環境整備)
バスターミナル、バス停留所、待合所等の整備(バス停表示板の更新、ソーラー式照明装置設置 等) | 3,300(3,500) |
(利用促進、利便性向上)
バスの日のPR、バス乗降補助ステップ購入等 | 2,551
(2,120) |
合 計 | 10,564
(10,454) |
(5)非常勤職員の人件費等
生活交通、鉄道の事務補助を行うための非常勤職員の人件費