現在の位置: 予算編成過程の公開 の 平成30年度予算 の 福祉保健部の肝炎治療特別促進事業
平成30年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:衛生費 項:公衆衛生費 目:生活習慣病予防対策費
事業名:

肝炎治療特別促進事業

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福祉保健部 健康政策課 がん・生活習慣病対策室  

電話番号:0857-26-7769  E-mail:kenkouseisaku@pref.tottori.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
30年度当初予算額 108,531千円 3,178千円 111,709千円 0.4人 1.0人 1.8人
30年度当初予算要求額 148,756千円 3,178千円 151,934千円 0.4人 1.0人 1.8人
29年度当初予算額 174,444千円 3,179千円 177,623千円 0.4人 1.0人 1.8人

事業費

要求額:148,756千円  (前年度予算額 174,444千円)  財源:国1/2 

一般事業査定:計上   計上額:117,962千円

事業内容

1 事業内容

○肝炎治療特別促進事業

    (1)制度の概要
     B型肝炎、C型肝炎の早期治療を促進し、肝硬変や肝がんへの進行を未然に防ぐ観点から、肝炎治療にかかる月々の自己負担額を、世帯の所得に応じて軽減する医療費助成制度。
     肝炎治療受給者証交付申請者に対し、県が認定審査の上、肝炎治療受給者証を交付し、指定する医療機関に受給者証を提示することにより、保険医療費の月額自己負担上限額を上回る額を助成(現物支給)する。
    平成20年4月より事業開始

    (2)実施主体  

    (3)補助率    国1/2、県1/2

    (4)助成対象

    ア 鳥取県内に住所のある方

    イ C型ウイルス性肝炎の根治を目的として行われるインターフェロン治療、インターフェロンフリー治療並びにB型ウイルス性肝炎に対して行われるインターフェロンフリー治療及び核酸アナログ製剤治療で、保険適用となっているもの。(※当該治療を行うために必要となる初診料、検査料、入院料、薬剤料についても助成の対象)
    ウ 月額自己負担上限額は、世帯の市町村民税(所得割)課税年額に応じて規定される。
    エ 肝炎治療受給者証の有効期間は1年間
    (5)公費負担の範囲
    医療費
    保険料負担
    (ア)窓口負担額(3割)
    高額療養費
    負担
    高額療養費個人負担限度額
    7割
    (イ)
    高額療養費制度により負担
    (ウ)
    自己負担上限額
    (エ)
    公費負担額
    上位所得層
    20,000円
    (国・県1/2)
    下位所得層
    10,000円

    「(エ)公費負担額」=「(ア)窓口負担額」−「(イ)高額療養費負担額」−「(ウ)自己負担上限額」

    ※高額療養費とは
     1ヶ月の医療費の自己負担額(3割相当)が高額となった場合に、一定の金額(高額療養費個人負担限度額)を超えた部分が払い戻されるもの。

    <参考>
    【インターフェロンとは】
    インターフェロン(IFN)は、ウィルスに対抗できるよう体内で作られる物質である。
     ただ、C型慢性肝炎の場合、ウィルス量が多く、体内で生産されるIFNでは、多くのウィルスを退治するためには不足するため、薬として外から大量のIFNを体内に投与する必要がある。
     体内に入ったIFNには、ウィルスが増殖することを阻止する効果がある。
    【核酸アナログ製剤とは】
     ウイルスの遺伝子合成を抑える作用があり、ウイルスの増殖を抑制する抗ウイルス剤の一種でB型肝炎の代表的治療薬の一つ。現時点では、ラミブジン、アデホビル、エンテカビルが保険適用となっている。
    【インターフェロンフリー治療とは】
     インターフェロン(IFN)を用いず、高率にウイルスを除去できる治療法である。現在、保険適用となっているものは、ダクラタスビル・アスナプレビル併用療法、ソホスブビル・リバビリン併用療法、レジパスビル・ソホスブビル配合錠であり、インターフェロン治療が不適格、不耐容又は無効の患者に対するもの。

    ○肝がん治療研究進事業(新規)
    (1)制度の概要
     肝炎ウイルスを起因するがんは再発を繰り返し、また長期に渡り療養を要することから、中・低所得患者の入院医療費の自己負担額を軽減する医療費助成制度。

    (2)実施主体  

    (3)補助率    国10/10

    (4)助成対象

     ア 鳥取県内に住所のある方

     イ B型・C型肝炎ウイルスに起因する肝がん患者
        (所得制限:年収370万円未満)
     ウ 肝がんの入院医療とし、過去1年間で高額医療費の限度額を超えた月が4か月を超えた場合に4か月目以降に係る医療に対して助成

2 積算内訳

○肝炎治療特別促進事業
 区分
内容
(千円)
要求額
財源区分
医療費
(扶助費)
肝炎治療医療費(通常分)
(166,969)
131,954
国1/2
県1/2
 緊急救済措置分
(360)
360
単県
委託料
・肝炎治療診療報酬
 支払事務 事務委託料
(委託先:国保連、支払基金)

・受給者証更新事務委託
「各保健所 2ヶ所に1名派遣」
各種申請受付、審査、交付、システム管理等
(720)
2,898
国1/2
県1/2
報酬
審査会審査員3名分
 年間12回開催
(328)
328
国1/2
県1/2
事務費
事務経費
(653)
560
国1/2
県1/2
人件費
・非常勤職員 1名 (期間1年)
 「健康政策課」
医療費支払、認定審査、医療機関契約等
(5,414)
2,548
単県


(174,444) 138,648

○肝がん治療研究促進事業(新規)

区分
         内容  (千円)
要求額
財源
区分
医療費
(扶助費)
肝がん治療医療費
(0)
9,185
国10/10
委託料
・肝炎治療診療報酬
 支払事務 事務委託料
(委託先:国保連、支払基金)
・システム構築費
(0)
542
国1/2
県1/2
報酬
審査会審査員3名分
 年間12回開催
(0)
328
国1/2
県1/2
事務費
事務経費
(0)
53
国1/2
県1/2
(0) 10,108

3 目的・背景

○我が国の肝炎(ウイルス性肝炎)の持続感染者は、B型が110万人〜140万人、C型が200万人〜240万人存在すると推定されており、わが国最大の感染症と言われているが、感染時期が明確ではないことや自覚症状がないことが多いため、適切な時期に治療を受ける機会がなく、本人が気づかないうちに肝硬変や肝がんへ移行する感染者が多く存在することが問題となっている。
○肝炎に対する抗ウイルス治療(インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療、核酸アナログ製剤治療)が奏効すれば肝炎ウイルスの根治が可能であり、その結果、肝硬変や肝がんといった、より重篤な病態への進行を防止することができる。
○高額な治療費が必要となる抗ウイルス治療のうち、肝炎患者が自己負担する治療費の一部を公費負担することにより、肝がんへの進行予防、肝炎治療の効果的促進を図る。
○肝炎ウイルスを起因するがんは再発を繰り返し、またイルス感染が原因により慢性肝炎から肝硬変を経て末期状態の肝がんへと進行することから長期に渡り療養を要するという特徴を踏まえて治療費を助成する。

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

肝炎に対する抗ウイルス治療(インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療、核酸アナログ製剤治療)が奏効すれば肝炎ウイルスの根治が可能であり、その結果、肝硬変や肝がんといった、より重篤な病態への進行を防止することができるが、抗ウイルス治療は、高額な医療費費用が必要となるため、治療に結びつかないケースがある。
 肝炎患者が自己負担する治療費の一部を公費負担することにより、肝がんへの進行予防、肝炎治療の促進を図った。

■これまで実施した広報
 新聞公告、県政だより、ホームページ、医師会を通じ医療機関へ広報及びチラシの配布、地区薬剤師会への説明会の実施、市町村に対する広報協力依頼、商工会連合会等の各商工団体が発行する会報を通じた広報

■肝炎認定審査会
平成20年5月以降、毎月第一木曜日に開催

■受給者証認定実績
平成20年度=268名
平成21年度=140名
平成22年度=858名
平成23年度=548名
平成24年度=800名
平成25年度=846名
平成26年度=1036名
平成27年度=1412名
平成28年度=1218名

■医療費(扶助費)
平成20年度実績 =46,909千円
平成21年度実績 =71,093千円
平成22年度実績 =105,626千円
平成23年度実績 =108,221千円
平成24年度実績 =109,089千円
平成25年度実績 =92,716千円
平成26年度実績 =146,507千円
平成27年度実績 =152,290千円 
平成28年度実績 =126,385千円 

■医療機関委託契約件数
医療機関=189機関
薬局=284機関
※契約機関は、随時拡大中

■経済不況に対する県独自の緊急救済措置
 最近の経済状況の悪化により、失業等で所得が減少し、月額自己負担限度額の支払いが困難となった方が、治療を中止されることなどがないよう、月額自己負担限度額を速やかに引き下げる県独自の救済措置を平成21年6月より開始した。
 平成29年10月現在で、本救済措置の利用者はない。

これまでの取組に対する評価

平成20年4月から肝炎インターフェロン治療を対象に制度が開始された。
 関係医療機関によると、多くの肝炎患者が、肝炎インターフェロン治療の開始のきっかけになり、早期治療開始が実施できたこと、また、医療機関側からも肝炎インターフェロン治療の開始を肝炎患者に勧めやすくなったとの声が聞かれた。
 また、国の制度改正に伴い、平成21年4月1日より、難治性のC型肝炎については、受給者証の有効期間(原則1年間)を6か月間まで延長するなどの制度改正を行い、これまで、有効期限が終了する者のうち約30%から、6か月延長の申請があり、肝炎ウイルスの根治に向け治療を継続された。
 さらに、平成22年4月1日より、B型肝炎に係る核酸アナログ製剤治療についても助成対象に加わるとももに、インターフェロン治療の2回目制度利用も可能となったほか、平成23年11月25日よりC型肝炎に係る3剤併用療法が助成対象となった。
 平成26年9月からC型肝炎に係るインターフェロンフリー治療が助成対象となり、これまで治療法がなかった患者に対し、治療の道が拓かれることとなった。
 平成27年5月、8月とC型肝炎に係るインターフェロンフリー治療の新薬が保険適用となり、特に8月に適用となったレジパスビル・ソホスブビル配合錠(ハーボニー配合錠)は、著効率100パーセントといわれている。

 肝がんの最大の原因は肝炎ウイルスとされており、肝硬変・肝がんなどの重篤な病気への進行を未然に防ぐ観点から、本事業の推進は重要である。

財政課処理欄


 実績を勘案し、金額を精査しました。

要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 174,444 85,567 0 0 0 0 0 17 88,860
要求額 148,756 77,210 0 0 0 0 0 6 71,540

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 117,962 61,812 0 0 0 0 0 6 56,144
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0