1 事業概要
地域がん診療連携拠点病院である厚生病院のがん診療・相談機能を強化し、総合的な「がん患者支援センター(仮称)」を整備するため、地域連携棟の増築等を行う。
(1)院内のがん診療機能等の集約・強化
<地域連携棟の増築>
・化学療法室を増床(7床→10床)
・相談室を増設(1室→2室)
・院内に分散しているがん関係諸室を地域連携棟に集約
名称 | 現在 | 整備後 |
診察室 | なし | 地域連携棟2階 |
化学療法室 | 外来・中央診療棟1階
(医事部門横) | 地域連携棟2階 |
無菌調剤室 | 外来・中央診療棟1階
(薬剤部内) | 地域連携棟2階 |
ペインクリニック | 外来・中央診療棟3階
(共用) | 地域連携棟1階 |
相談室(がん相談) | 地域連携棟2階 | 地域連携棟1階 |
がん患者サロン | 地域連携棟2階 | 地域連携棟1階 |
<外来・中央診療棟の改修>
・現在の化学療法室(外来・中央診療棟1階)部分の有効活用のため、患者や家族の相談支援を行う地域連携センターを外来1階に移転し、会計や医事部門との連携強化を図る。
名称 | 現在 | 整備後 |
地域連携センター | 地域連携棟2階 | 外来・中央診療棟1階 |
(2)地域連携棟の構造等
(3)工事概要
・地域連携棟を増築(316平方メートル)
・外来・中央診療棟1階の一部を改修
2 目的
がん患者が、住み慣れた地域(圏域内)で通院により、診療・相談を安心して受けられるよう、患者本位の視点での環境整備を行い、患者や地域の医療機関から選ばれる病院づくりを進めるとともに、中部圏域における在宅医療の推進を図る。
3 背景
中部圏域における5大がんを中心としたがん診療は、厚生病院が果たすべき大きな役割の一つであり(地域がん診療連携拠点病院)、平成29年度からは、これまで未実施であった婦人科がんも含めた診療機能の拡充を図っている。
- 外来化学療法は有効な抗がん剤の開発等により普及してきたものであり、近年のがん治療は手術だけでなく放射線治療や抗がん剤治療(化学療法)を組み合わせて治療を行うこと(集学的治療)が一般的となっている。
現在の外来化学療法室は、中央処置室(外来・中央診療棟)の一部を改修して整備したものであるが、以前から狭隘化への対応が大きな課題となっており、がんによる身体的・精神的な苦痛が大きい患者に対して施設面での問題のためにさらなる負担が生じていることから、施設の拡張が必要。
- 外来化学療法の稼働率が高い状況(80%台)で推移しているが、外来化学療法を必要とする患者の増加が見込まれており、通院によるがん診療を圏域内で完結させるためには、化学療法室の拡張だけでなく増床も必要。
- がん患者やその家族の精神的苦痛(不安、抑うつ等)や社会的苦痛(仕事、経済的負担等)に対する相談支援も重要であり、がん診療の圏域内完結を進めるのに併せて、相談室の増設も必要。
- 在宅患者の生活の質を向上させるためには、がん相談機能の充実はもとより、がん性疼痛の管理(ペインクリニック)、消化器がん・泌尿器科がんの術後の人工肛門・人口膀胱の管理(ストーマ外来)、乳がん・婦人科がんの術後のリンパ浮腫対策(リンパ浮腫外来)等、さまざまな診療機能の充実も必要であり、治療から相談支援までの機能を1か所に集約することで、がん患者の利便性を向上させる。
- がん関係諸室の集約化により外来・中央診療棟に生じるスペースを活用して、病院全体の相談機能等を担う地域連携センターを移転させることで、病院を利用する患者や家族にとって利便性の良い場所(会計窓口や医事部門に近い)で相談支援を行うことができる。
3 所要額及び財源内訳
(単位:千円)
年度 | 区分 | 事業費 | 財源内訳 |
県補助金 | 企業債 | 繰入金 | 内部留保 |
H30 | 基本設計 | 2,345 | 1,172 | 0 | 1,173 | 0 |
実施設計 | 9,980 | 4,990 | 4,900 | 0 | 90 |
小計 | 12,325 | 6,162 | 4,900 | 1,173 | 90 |
H31 | 実施設計 | 1,107 | 553 | 500 | 0 | 54 |
小計 | 1,107 | 553 | 500 | 0 | 54 |
H30
〜
H31 | 基本設計 | 2,345 | 1,172 | 0 | 1,173 | 0 |
実施設計 | 11,087 | 5,543 | 5,400 | 0 | 144 |
計 | 13,432 | 6,715 | 5,400 | 1,173 | 144 |
(参考)
平成31年度に実施する工事に係る概算費用は、1.5億円程度となる見込み。(工事費、工事監理費)
4 スケジュール
平成30年10月〜平成31年4月 基本・実施設計
平成31年5月〜平成32年2月 工事