藻場(海藻群落)は、魚類の産卵場、及び稚仔魚の生育場
など多くの機能を持ち、特に沿岸域の水産資源を支えるうえで
重要な役割を果たしている。しかし、近年藻場は、海水温の
上昇等の影響により全国的に衰退傾向にある。このため
県は、平成16年5月に策定した「鳥取県藻場造成アクション
プログラム」を改訂し、平成28年3月に「藻場造成アクション
プログラムII」を策定した。本事業では、漁業者から要望が
強い藻場造成に対する技術開発や指導に取り組むとともに、
水温の上昇等に対応した藻場の新たな増殖方法を検討する。
(1)藻場造成技術調査
○従来藻場造成に用いられている基質について、漁業者から大型
で使いづらく、そのうえ高価であるという声を受けた。そのため、本
事業では、安価で漁業者が大量かつ簡便に設置できるアラメ・クロ
メの移植方法を検討する。
民間の業者から藻場造成の基質として提案があったものを用い
て効果を比較、検証する。
○漁業者からニーズの強い深場の藻場造成に対応するため、浅
場から深場に生育するクロメ、さらに比較的高水温に強く、浅場か
ら深場に生育可能なホンダワラ類(ノコギリモク等)についてスポア
バッグ式増殖調査を行う。また、スポアバッグ式増殖効果検証のた
め、これまでの調査実施区で追跡調査を行う。また、平成28年に
行った鉄錯体材を加えたクロメのスポアバッグ式増殖策についても
追跡調査を行う。
(2)鳥取県における藻場の面積把握調査
(3)水産多面的事業(国・県・市町)における藻場造成
および食害生物駆除に係る活動支援・指導