民間企業の技術を活用し、一般廃棄物焼却残渣の資源化を行うことを目的とし、次の研究を行う。
なお、研究により、試作されたリサイクル製品については、環境安全性の評価を行い、実際に商品として製造される場合の品質管理手法の確立についての研究も行う。
(1)焼却主灰の新規無害化技術の確立
(2)品質管理手法の確立
(3)環境影響の評価
また、焼却飛灰について、有害物質の不溶化技術の開発を目的として次の研究を行う。
(1)重金属の不溶化技術の確立
(2)難分解性有機物による浸出水への影響の評価
(3)カルシウム等の溶出特性の評価
○現状と課題
鳥取県における一般廃棄物焼却残渣の発生量は12,722t(平成 27年度)であり、焼却残渣を資源化できればリサイクル率の向上に大きく寄与する。
また、焼却主灰を県内で土木資材等として利用することができれば、環境産業の創出等への貢献も期待される。
なお、焼却灰を再利用するうえで、環境安全性の確保は極めて重要であり、環境汚染を未然に防止し、健全なリサイクルを進める必要がある。
一方、焼却飛灰は重金属の含有量が高く、特別管理一般廃棄物であり、一般的には重金属の不溶化処理を行った上で埋立処分されている。
しかし、焼却飛灰は消石灰、塩化物が主成分であり、処分場においてカルシウムによるスケールの生成等が問題となっており、新規の処理方法の開発が求められている。
○実施のニーズ
焼却主灰については、県内でのリサイクル産業の創出につなげて行くことが求められており、コストの低減と環境安全性を確保した適正なリサイクル技術の確立が必要である。
焼却主灰のリサイクルの推進が求められる一方で、焼却残渣等のリサイクル製品について環境安全性に関する法的な基準がない状況。これまで我が国ではリサイクル材の不適切な利用が社会問題化した事例もあり、不適正なリサイクルを未然に防止することが必要とされる。
焼却飛灰については、処分場における水処理施設への負荷削減のための新規不溶化技術が必要とされる。