事業名:
鳥取スイカの生産・消費量拡大を目指す次世代栽培技術
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農林水産部 園芸試験場 野菜研究室
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事業費(A) |
人件費(B) |
トータルコスト (A+B) |
正職員 |
非常勤職員 |
臨時的任用職員 |
30年度当初予算額 |
979千円 |
7,945千円 |
8,924千円 |
1.0人 |
1.1人 |
0.0人 |
30年度当初予算要求額 |
979千円 |
7,945千円 |
8,924千円 |
1.0人 |
1.1人 |
0.0人 |
29年度当初予算額 |
1,052千円 |
7,948千円 |
9,000千円 |
1.0人 |
1.1人 |
0.0人 |
事業費
要求額:979千円 (前年度予算額 1,052千円) 財源:単県
一般事業査定:計上 計上額:979千円
事業内容
概略説明
栽培規模の拡大による生産量確保のため省力栽培技術を確立するとともに、鳥取スイカの新たなブランド強化のため小玉スイカ、加工用スイカの安定生産技術の確立、高付加価値化のための機能性成分の解析を行う。
1.事業の必要性
(1)本県特産野菜のスイカはこれまで生産量の確保と高品質生産で鳥取スイカブランドを築いてきたが、高齢化等による生産者数の減少とともに栽培面積、生産量も低下。平成元年は栽培面積808ha、販売額51億円であったが、年々減少し平成27年の実績は栽培面積277ha、販売額28億円である。
(2)生産量の低下はブランド力の低下となるため、栽培面積、生産量の確保が求められているが、生産者数の大幅な増加は見込めないため、生産量確保には個々の栽培規模の拡大が必要。
(3)しかし、現行の栽培法は労力的に規模拡大に限界があるため、省力的かつ高品質生産が可能な新たな栽培技術の開発が必要となっている。
(4)また、大玉スイカは消費ニーズの変化や人口減少に伴い消費量が減少傾向である。消費量拡大には鳥取スイカブランドをサポートする新たな需要、商品開発が必要であり、県内で生産されるあらゆるスイカの生産拡大、高付加価値化が求められる。
2.試験の内容および効果
試験内容 | 期待される効果 |
1.生産拡大と品質安定のための栽培改善 | 規模拡大のための省力・軽労化技術の確立 | ・規模拡大による継続した生産量の確保、安定供給。
・品種選定による着果、品質安定化ロスのない栽培。
栽培面積 280ha → 330ha
出荷量 14,500t → 17,500t |
作りやすく高品質な品種の選定 |
2.スイカニューアイテムの開発と栽培技術の確立 | 小玉スイカの商品力向上のための栽培技術確立 | ・小玉スイカ等生産性、品質向上によるブランド化、経営安定化。
・スイカPR、新商品開発による需要開発、消費拡大。 小玉スイカ収量1.5t/10 a→ 2.5t/10a。
・機能性成分(シトルリン、リコピン等)の含有量向上
・漬け物用スイカ収量13,000玉/10a→15,000玉/10a |
機能性成分の活用促進のための基礎調査 |
漬け物用スイカの安定多収技術 |
3.これまでの成果
試験項目 | 成果の概要 |
生産拡大のための省力・軽労化技術の確立 | ・ハウス栽培の不織布べたがけ栽培により作業労力の分散、換気作業の省力化などのメリットがあった。
・トンネル栽培でつる引き作業を必要としない新たな整枝方法は作業時間の削減に有効であった。
・品質が良好な4品種を有望品種として選定した。 |
スイカニューアイテムの開発と栽培技術の確立 | ・小玉スイカの施肥量は大玉スイカより減肥する必要があることが分かった。
・小玉スイカの整枝j方法は株当たりの着果数が少ないほど果重が重く、着果数が多いと糖度が低下する傾向であった。
・スイカを用いた台木によって、機能性成分の含量増加した。
・ハウス一条植え栽培は小玉スイカ促成栽培でも実用性が高かった。
・漬け物用スイカは草勢の強い台木を用いると8月以降の収穫玉数が増加した。 |
4.H30年度の試験内容
試験項目 | 試験内容 |
1.生産拡大と品質安定のための栽培改善 | ・トンネル栽培における省力整枝法(無つる引き栽培、改良つる引き栽培)の技術確立
・選定した有望品種の詳細調査
・土壌病害に強い台木の選定 |
2.スイカニューアイテムの開発と栽培技術の確立 | ・小玉スイカの品種、整枝、施肥方法の検討及び経営評価
・栽培方法、品種と機能性成分の関係解明
・収量性の高い漬け物用スイカ台木の増収方法の検討 |
5.H30年度の要求内訳
内訳 | 要求額(千円) |
旅費 | 40 |
栽培資材・実験器具購入費 | 932 |
通信運搬費 | 7 |
合計 | 979 |
6.試験実施期間
平成27〜30年度
年度 | 試験内容 | 事業費
(千円) |
H27 | ・ハウス一条植栽培の特性解析
・ハウス簡易保温栽培の実証
・トンネル省力整枝方法
・着果、品質安定品種の選定
・土壌病害に強い台木の選定
・小玉スイカの品種、台木、整枝方法の検討
・機能性成分生成経過、品種間差の解析
・漬け物用スイカの台木比較 | 1,052 |
H28 | ・トンネル省力整枝方法
・トンネル支柱設置の省力化
・着果、品質安定品種の選定
・土壌病害に強い台木の選定
・小玉スイカの品種、台木、整枝方法の検討
・栽培方法と機能性成分の関係の検討
・漬け物用スイカの台木比較 | 1,052 |
H29 | ・ハウス一条植栽培の生産安定
・トンネル省力整枝方法
・トンネル支柱設置の省力化
・着果、品質安定品種の選定
・土壌病害に強い台木の選定
・小玉スイカ品種比較
・機能性成分の増加条件の検討
・漬け物用スイカの増収技術 | 1,052 |
H30 | ・ハウス一条植栽培の生産安定
・トンネル省力整枝方法
・着果、品質安定品種の選定
・土壌病害に強い台木の選定
・小玉スイカ品種比較
・小玉スイカの経営評価
・機能性成分の増加条件の検討
・漬け物用スイカの増収技術 | 979 |
合計 | 4,153 |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<省力化>スイカの栽培管理の中で最も労力を要するつる引き作業の省力軽労化を実施し、無つる引き栽培を検討では慣行の約40%作業時間が削減された。
<品種選定>H29年度はハウス栽培で7品種、トンネル栽培で11品種の生育状況、果実品質を比較し、良好な品種を継続して検討する。
<小玉スイカ>県内での栽培事例が少ない促成作型における品種の選定を行った。
<機能性成分>主要品種の果実肥大経過とシトルリン等成分含量の経時的変化を鳥取大学と連携して分析し、鳥取県で育成されたスイカ台木「どんなもん台」を使うと、機能性成分のシトルリンの含量が多いことが分かった。
<漬け物用スイカ>草勢の強い台木では、8月以降の収量が多くなることが分かった。
これまでの取組に対する評価
平成29年度外部評価委員会議(事前評価)の結果
評点 12.9 判定 ◎ (評点9以上で試験実施)
評価委員の主な意見
・鳥取産物として生産者と産業の持続をはかって頂きたい。
・大型産地を維持するためのきめ細やかな技術改善の努力を評価します。
・産地、農家のニーズに寄り添った、さらなる課題の抽出と対応に期待。
・健康機能性成分によるPRは、時流に乗って有効と思う。
・鳥取推奨のスイカは近年好調な販売成績だそうです。農家の収入増と省力化のために研究成果に期待する。
・消費者ニーズにみあった新品種の開発に期待する。
工程表との関連
関連する政策内容
低コスト生産・経営管理技術の開発
関連する政策目標
鳥取スイカのブランド強化に必須の安定着果技術と省力整枝法
財政課処理欄
要求額の財源内訳(単位:千円)
区分 |
事業費 |
財源内訳 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
前年度予算 |
1,052 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1,052 |
要求額 |
979 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
979 |
財政課使用欄(単位:千円)
区分 |
事業費 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
計上額 |
979 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
979 |
保留 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
別途 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |