事業の概要
直交層を挿入した新しい県産材LVL製品を住宅用部材(面材(壁・床・天井)、土台など)として実用化するため、必要な性能を明らかにする
事業の背景・目的・効果
(1)事業の背景
- LVL(単板積層材)は、丸太をかつら剥きした「単板」を、繊維方向を平行に積層・接着した木質材料。県内でも県産スギ・ヒノキ材で生産され、多くの製品を県外移出している。
- LVLは、平成25年に日本農林規格(JAS)が改正され、より多くの直交層が挿入可能となり、用途拡大の道が開けた。
- 直交LVLの実用化を進めるには、まずJASに対応した直交LVL製品の、住宅用部材としての各種性能の評価と改善、製造技術の構築が必要。
(2)事業の目的
直交層を挿入した新しい県産材LVL製品を、住宅用部材(面材(壁・床・天井)、土台)として実用化するために必要な性能を明らかにする。
(3)事業の効果
県産材LVL製品の商品開発により、県産材の利用拡大、間伐促進、製品加工移出による雇用拡大等に貢献
事業の内容
開発する製品に応じた性能評価を行う
(1)土台
直交LVLを土台として利用するため、直交単板の挿入による柱のめり込みや接合性能について、直交層の挿入枚数や密度との関係から明らかにする。
(2)面材
幅の広い構造用面材として利用するため、直交単板の挿入による反りの抑制などについて、直交層の挿入枚数や密度との関係から明らかにする。
成果
直交層を挿入したLVLの土台としての性能をめりこみ試験によって検討した。縦使いの場合、初期の強度は平使いよりも高かった。材の割裂が生じたため、接着の改善を必要とした。
- LVLにくぎを打ち込んだ時の割裂性について調べた結果、直交層を挿入したLVLは材の端に釘を打っても割裂はほとんどなく、優れた割れ抑制効果を示し、釘の保持力も従来の製品に比べ高い値を示した。
- 寸法安定性(反り、幅の伸縮)についても、直交層を挿入したLVLは従来の製品よりも優れていた。
- 本年度、企業の実機で直交LVLを試作した。今後、各種性能について評価を行う。