1.終了の理由
一定の成果が得られたため
2.事業の概略説明
1)地大豆生産の効率化
農業試験場で育成し、地域でブランド化している地大豆3品種(三朝神倉・鳥取大山2001・緑だんだん)は、一般大豆品種と比較して過繁茂による倒伏や着莢不良が発生しやすく、収量及び品質が不安定であることから、生育途中で上部の葉や茎を切除し(剪葉摘心)、倒伏防止を図りながらコンバイン収穫適性や収量性を向上する効果を検討した。
2)菓子原料となる小豆の安定供給
近年、大手製菓業者が鳥取県内に誘致され、製餡用として地元産小豆の供給要望があり、農商工が連携しながら生産拡大の取り組みを進めているが、生産拡大によって供給量を確保するために、コンバイン収穫を前提とした無培土栽培等による省力化技術を検討した。
3.得られた研究成果
(1)地大豆3品種は、生育途中に剪葉摘心することにより、倒伏を軽減しながら収量および品質を確保することができた。また、条間を狭くする密播で培土を省略しても、倒伏を軽減しながら収量を確保することができた。
(2)小豆は、地大豆と同様の密播を行うことにより、培土を省略できるとともに増収することがわかった。実際の現地で、コンバイン収穫を行った際には、培土による地面の凹凸がない影響で、コンバインの刈取り部が安定して、収穫物のロスが少ないことも明らかとなった。
4.事業の効果
(1)地大豆における剪葉摘心の効果が明らかとなり、倒伏しがちな早播や密播が可能となることによって、省力化とともに需要に応えるための規模拡大の可能性が拡がった。
(2)小豆の密播無培土による省力化体系が実証されることにより、現地生産者の規模拡大につながった。
5.残された問題点
剪葉摘心技術について、作業機(乗用管理機のオプション)の導入が必要であるが、経営的な導入条件の確認が明らかとなっていない。
6.問題点に対する対応
普及所と協力しながら、生産者における導入条件の試算や技術的指導を実施する。