事業名:
市場競争力のある鳥取オンリーワン園芸新品種の育成
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農林水産部 園芸試験場 花き研究室
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事業費(A) |
人件費(B) |
トータルコスト (A+B) |
正職員 |
非常勤職員 |
臨時的任用職員 |
30年度当初予算額 |
5,726千円 |
21,452千円 |
27,178千円 |
2.7人 |
2.9人 |
0.0人 |
30年度当初予算要求額 |
5,726千円 |
21,452千円 |
27,178千円 |
2.7人 |
2.9人 |
0.0人 |
29年度当初予算額 |
6,157千円 |
21,460千円 |
27,617千円 |
2.7人 |
2.9人 |
0.0人 |
事業費
要求額:5,726千円 (前年度予算額 6,157千円) 財源:国庫 単県
一般事業査定:計上 計上額:5,726千円
事業内容
概略説明
・本県特産の園芸作物は産地間競争が激化するなか、独自品種による高品質・生産安定が急務となっている。そこで、本県産園芸作物のブランドアップと、栽培が簡素化できる独自の優良品種を育成し、生産者所得の向上と鳥取県園芸の発展に資する。
1.事業の必要性
(1) | 食の多様化が進む中、消費者は園芸作物に「食味」や「香り」、「安全性」のほかに「機能性」を求めている。 |
(2) | 生産者は有利販売と生産性向上ために「鳥取の顔となる品種」、「他のどこにもない品種」、「作りやすく儲かる品種」を求めている。 |
(3) | 消費者、生産者ニーズの両方に応え、また本県の園芸作物をブランド化するため、独自の優良品種育成が必要である。産地間競争激化の中にあって、独自ブランドの育成が急がれる。 |
(4) | あらゆる地域で育種は進んでおり、鳥取県にしかない園芸品種は本県で育成する必要がある。 |
(5) | これまでの育種資源を有効に活用し、早期に新品種を育成する必要がある。 |
2.事業の内容とH30年の試験内容
ナシ
事業の内容 | ・有望系統の特性調査 |
これまでの
成果 | ・平成19年〜21年に「なつひめ」、「新甘泉」等7品種を品種登録した。平成24年までに優良系統6系統を植付けた。
・平成27年3月に晩生の有望系統1系統の現地試験を開始した。 |
H30年の試験 | ・引き続き、交配による系統育成と優良系統の特性調査を行い選抜を進める。 |
カキ
事業の内容 | ・西村早生、伊豆に代わる優良な早生甘カキ品種の育成 |
これまでの
成果 | ・早生の甘柿「輝太郎」が品種登録となった(平成22年3月)。
・平成28年には23系統が結実し調査を行った結果、食味が優れる系統が3系統、やや優れる系統が3系統であった。 |
H30年の試験 | ・引き続き育種系統の特性調査を行い、選抜をすすめる。
・平成28年に交雑育種を行った種子を播種し、H29年に発芽したものを育成する。 |
ブドウ
事業の内容 | ・種無し、高糖度、盆前出荷可能品種の育成 |
これまでの
成果 | ・果皮が黄緑色、糖度18度以上、果粒重が10g以上の優良系統が4系統得られ、H25年3月に各系統を圃場に植え付けた。
・また、4系統の中で果実品質が良好であった1系統を平成28年5月、無加温ハウスの台木(テレキ5BB)に緑枝接ぎし、樹冠(注 拡大を進めている。 |
H30年の試験 | ・引き続き、地植え栽培(4系統)及び無加温ハウス栽培(1系統)での特性調査を行い選抜をすすめる。 |
イチゴ
事業の内容 | ・冬季寡日照条件下で高糖度、早生多収品種の育成 |
これまでの
成果 | ・開花が早く、収量性が優れ、食味の良好な1系統を「とっておき」として品種登録申請。
・平成28年度に23戸で栽培を開始。農家数、栽培面積が増加しつつある。 |
H30年の試験 | ・昨年までに選抜した系統の再選抜を実施。新たに交配を行い、順次、選抜を進める。 |
スイカ
事業の内容 | ・黒点根腐病および つる割耐病性台木育成
・育成系統の実用性検定 |
これまでの
成果 | ・つる割れ耐病性選抜系統「どんなもん台」が品種登録され、県内スイカ産地に導入された。
・つる割病、黒点根腐病に耐性が認められる系統を選抜した。 |
H30年の試験 | ・交配による系統育成、選抜を引き続き行うとともに、つる割病耐病性で選抜した系統の黒点根腐病耐病性を検定する。 |
シバ
事業の内容 | ・耐病性で生育が旺盛なコウライシバ品種の育成 |
これまでの
成果 | ・ノシバ「グリーンバードJ」が品種登録され(平成25年2月)、現在25haで栽培されている。
・コウライシバは、生育が旺盛な5系統について現地特性を調査中。その中から、初冬でも葉色が濃い系統と、株張りが早い系統が有望と判断した。 |
H30年の試験 | コウライシバ・・・耐病性系統の評価と現地生育特性の年次調査を行う。 |
実つき枝物
事業の内容 | ・枝姿が優れ、実数が多く、本県で確立した樹形管理で多収となる品種の育成 |
これまでの
成果 | ・ツルウメモドキ・・・病気に強く、実が大きく実数が多く、早熟な系統を有望と認め、品種登録に向けて準備中。
・サルトリイバラ・・・県内自生種の中から、棘が極めて少なく、実が大きく、実数が多い系統を選抜した。 |
H30年の試験 | ・ツルウメモドキ・・・品種登録に必要な経年特性を継続調査する。
・サルトリイバラ・・・生育特性を調査し、高接ぎなど圃場での増殖法を検討する。 |
リンドウ
事業の内容 | ・頂花咲き性に優れ、6月から盆前に咲く新品種の育成
・ボリュームのある三倍体の育成 |
これまでの
成果 | ・頂花咲き性に優れ。6月下旬から7月上旬に開花する極早生系統を育成し、現地栽培試験を実施中。
・切り花が長く、ボリュームのある三倍体を作出した。 |
H30年の試験 | ・極早生系統の現地特性検定と採種。
・極早生三倍体の生育特性調査と挿し木による増殖法の確立。 |
ユリ
事業の内容 | ・秋冬出荷作型に適した新品種の育成(シンテッポウユリ)
・球根養成期間の短い小球開花性新品種の育成(小球開花性ユリ) |
これまでの
成果 | ・電照なしで抽だい率が高く、上向き咲きで葉幅の広い系統を選抜した(シンテッポウユリ)。
・球根養成期間が従来の1/3で開花する、小輪で黄花の系統を選抜した(小球開花性ユリ)。 |
H30年の試験 | ・交配系統の育成・選抜により、輪数が3〜5輪でボリュームのある草姿に改良する(シンテッポウユリ)
・採花率向上のための栽培法の確立。桃色など新たな花色系統の育成・選抜を行う(小球開花性ユリ) |
(1) | 事業対象者 |
| 県内の園芸農家 |
| ナシ(1,290ha、県内全域)、カキ(178ha、県内全域)、ブドウ(70ha、県内全域) |
| イチゴ(7ha、湯梨浜町、倉吉市)、スイカ(280ha、北栄町、倉吉市他) |
| シバ(760ha、琴浦町、北栄町、大山町)、実つき枝物(30戸、10ha、鳥取市、智頭町、大山町) |
| ユリ(1.3ha、北栄町、鳥取市)、リンドウ(0.2ha 智頭町、船岡町) |
3.事業の効果
(1) | 良食味、新キャラクター→高単価、高付加価値化、ブランド化
目標糖度 ブドウ18度以上、イチゴ12度 |
(2) | 耐病性品種の育成:防除回数の削減→低コスト化(シバ;10a当たり55,000円減) |
(3) | 機能性の付加→新規需要開拓 |
(4) | 多収性→増収増益 (イチゴ、実つき枝物 50%増収) |
(5) | 高品質・多収性→周年出荷体系・ブランド力の強化 |
(6) | 球根養成期間の短縮→種苗費の低減(ユリ)→増収 |
4.H30年度要求額内訳
内訳 | 要求額 |
栽培資材費、実験用器具・試薬 等 | 4,834 |
普通旅費 | 515 |
役務費 | 297 |
賃借料 | 80 |
合計 | 5,726 |
5.年度別試験内容と事業費(単位:千円)
事業実施期間:平成28年度〜32年度
年 | 試験内容 | 事業費 |
ナシ | カキ | ブドウ | イチゴ | スイカ | シバ | 枝物 | リンドウ | シンテッポウユリ | 小球開花ユリ |
29
| 選抜 | 選抜 | 選抜 | 選抜 | 耐病固定 | コウライ特性 | サルトリ選抜 | 選抜 | 交配 | 選抜品種申請 | 6,157
|
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
30
| 選抜 | 特性調査 | 特性調査 | 選抜 | 耐病固定 | コウライ特性 | サルトリ選抜 | 特性調査 | 選抜 | 選抜 | 6,157 |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
31
| 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | コウライ特性 | サルトリ特性 | 特性調査 | 選抜 | 特性調査 | 6,157 |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
32
| 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | コウライ品種申請 | サルトリ特性 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 6,157 |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
※「地方創生推進交付金充当」
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<目標>
特徴ある鳥取オリジナル品種の育成
・消費者、生産者ニーズに応え、本県の園芸作物をブランド化する独自の優良品種を育成する。
<取り組みの内容>
・ナシ有望系統の選抜
・西村早生、伊豆に代わる優良な早生甘カキ品種の育成
・皮ごと食べられる盆前出荷ブドウ品種の育成
・高糖度、早生多収イチゴ品種の育成
・つる割病および黒点根腐病耐病性スイカ台木の育成
・耐病性で生育が旺盛なノシバおよびコウライシバ品種の育成
・枝姿が優れ、実数が多く、本県で確立した樹形管理で多収となる「実つき枝物」品種の育成
・頂花咲き性に優れ、6月から盆前に咲くリンドウ品種の育成
・花が大きく日持ちの良い三倍体リンドウの育成
・秋冬出荷作型に適したシンテッポウユリ品種の育成
・球根養成期間の短い小球開花性ユリ品種の育成
<現時点における達成度>
これまで、以下の品種を登録申請した。
ナシ・・・・・・青ナシ「なつひめ」(H18年)、「夏さやか」、「夏そよか」、 「えみり」、「涼月」(H19年)、赤ナシ「新甘泉」(H19年)、 「秋甘泉」(H20年)
カキ・・・・・・早生甘ガキ「輝太郎」(H20年)
イチゴ・・・・・「とっておき」(H28年申請中)
スイカ・・・・・つる割れ耐病性台木「どんなもん台」(H19年)
シバ・・・・・・ノシバ「グリーンバードJ」(H20年)
実つき枝物・・ツルウメモドキ(申請準備中)、
サルトリイバラ ユリ・・・・・・小球開花性ユリ(H29申請準備中)
これまでの取組に対する評価
<H28年度の外部評価(中間)の結果>
評点:12.7 判定:◎
(評点9未満は試験を中止すべき)
(1)委員の主な意見
・これまでの成果と課題が明確になっている。本県の基幹。継続した調査研究に期待する。
・全体的に結果が出ている。
<改善点>
・ナシ・・・・優良系統で高接ぎ予定樹を選抜する。
・カキ・・・・育種系統の特性調査を行い、選抜をすすめる。
・ブドウ・・・特性調査を行い選抜をすすめる。
・イチゴ・・・有望系統に適した栽培方法を検討するとともに、新たに交配を進め特性検定による選抜を行う。
・スイカ・・・交配による系統育成、選抜を引き続き行うとともに、つる割れ病以外の土壌病害耐性についても検討する。
・ノシバ、コウライシバ・・・耐病性系統の評価と現地生育特性の年次調査を行う。
・実つき枝物・・・現地生育特性調査を行う(ツルウメモドキ)。優良系統の圃場での増殖法(高接ぎ繁殖など)を確立する(サルトリイバラ)。
・リンドウ・・・極早生系統の現地特性評価を行うとともに、早生及び中生系統の交配検定及び特性調査を行う。三倍体の特性調査と挿し木による増殖法の確立。
・ユリ・・・・育成系統をボリュームのある草姿に改良する(シンテッポウユリ)秋出荷作型での栽培法の確立を行うとともに、新たな花色の系統の育成によりシリーズ化を図る(小球開花性ユリ)。
工程表との関連
関連する政策内容
オリジナル品種・高付加価値化技術開発
関連する政策目標
交雑育種・系統選抜・優良系統の特性調査
財政課処理欄
要求額の財源内訳(単位:千円)
区分 |
事業費 |
財源内訳 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
前年度予算 |
6,157 |
790 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
5,367 |
要求額 |
5,726 |
790 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4,936 |
財政課使用欄(単位:千円)
区分 |
事業費 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
計上額 |
5,726 |
790 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4,936 |
保留 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
別途 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |