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平成30年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:園芸試験場費
事業名:

園芸産地を守る難防除病害虫防除技術の確立

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農林水産部 園芸試験場 環境研究室  

電話番号:0858-37-4211  E-mail:engeishiken@pref.tottori.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
30年度当初予算額 2,081千円 18,274千円 20,355千円 2.3人 2.4人 0.0人
30年度当初予算要求額 2,081千円 18,274千円 20,355千円 2.3人 2.4人 0.0人
29年度当初予算額 2,052千円 18,280千円 20,332千円 2.3人 2.4人 0.0人

事業費

要求額:2,081千円  (前年度予算額 2,052千円)  財源:国1/2 

一般事業査定:計上   計上額:2,081千円

事業内容

概略説明

(1)県内園芸作物の生産地ではナシの白紋羽病、施設野菜のアザミウマ類、ラッキョウの赤枯病等の難防除病害虫が増加し、防除が困難であることから生産が不安定となっている。

    (2)これら難防除病害虫が増加している原因としては、荒廃園や耕作放棄地の増加、温暖化等の気象変化、栽培品種の変更、抵抗性害虫や耐性菌の増加等の様々な原因が関与しており、今後も難防除病害虫の発生が増加することが見込まれる。
    (3)生産団体や関係機関からは、これら難防除病害虫の防除対策確立に向けた試験要望が多く、早急な対策が望まれている。
    (4)これら難防除病害虫の防除対策を確立し、園芸産地の維持を図る。

1 事業の必要性

(1)現場で即利用できる技術を開発する研究であり、大学や独立行政法人等では実施されない内容である。また、現在適用のない農薬等も使用するため、普及機関等では実施できない内容である。
(2)他都道府県でも難防除病害虫の防除対策について研究が実施されているが、都道府県により園芸作物の栽培方法、栽培品種、抵抗性害虫や耐性菌の発達程度が異なるため、他県の結果をそのまま導入しても効果が不十分であり、本県独自で試験を行い、本県で実用可能な技術を構築する必要がある。

2 事業の内容

(1)ナシの難防除病害虫の防除技術確立
(2)野菜の施設栽培におけるアザミウマ類の総合防除体系の確立
(3)ラッキョウの難防除病害の防除対策の確立
(4)ホウレンソウのケナガコナダニの防除体系の確立
(5)ブロッコリー難防除病害の防除技術確立
(6)ミニトマトの難防除病害の防除技術確立
(7)ナスの難防除病害の防除技術確立
(8)スイカの難防除害虫の防除技術確立
(9)アスパラガス病害対策確立

3 事業の効果

(1)生産者への情報提供により、難防除病害虫の被害が減少し、それに伴って出荷量が増加、最終的に販売額の増加が見込まれる。
(2)無駄な防除を行わないことによる、防除コストの低減や省力化にもつながる。
(3)生産者の栽培意欲が向上することにより、園芸産地の維持が図れる。
(4)計画出荷が可能となり、消費者へ安定して園芸産物を供給することができる。

4 これまでの成果

・ナシの白紋羽病に対する温水処理によって、根部の菌糸密度の減少がみられた。温水処理による治療効果が期待できる白紋羽病の症状が明らかになった。
・黒星病に対するEBI剤は顕著な感受性の低下は無く、防除効果が確認された。現地における発生状況と防除の実態が明らかになった。黒星病に有効な防除体系がほぼ明らかになった。品種における感受性の違いがほぼ明らかになった。
・ナシ胴枯病の休眠期の防除薬剤の効果が認められた。
・ナシの芯腐症状から、1年目は未報告の各種菌が分離されたが、次年度以降は既知の菌のみ分離された。
・ナシのシンクイムシ類に対する新規系統殺虫剤について、その効果を検討し、その結果を基に県基準防除暦に提案・記載している。
・ハダニ類に対するマシン油の効果的な使用時期が明らかとなり、クワオオハダニに対する効果的な防除体系がほぼ確立できた。ハダニ類の薬剤に対する感受性が明らかになった。感受性低下の対策として他の薬剤の加用、新規薬剤が有効であった。
・一部の施設栽培におけるアザミウマ類の発生種を特定した。ネギアザミウマの系統の分布状況が明らかとなった。ネギアザミウマに対する有効薬剤が明らかになった。
・ラッキョウ赤枯病に温湯消毒が効果のあることが明らかとなった。処理時間を削減しても効果が認められた。散布、浸漬処理により効果のある薬剤が認められた。太陽熱処理の効果が認められた。
・ホウレンソウケナガコナダニに対し、発生を助長しない有機物が数種認められ、太陽熱消毒によって秋期の被害を軽減できた。有効な防除体系が明らかになった。
・ブロッコリー菌核病に有効な新規薬剤が数剤認められた。
・ブロッコリーの品種によって黒腐病の発病程度が異なることが明らかとなった。抵抗性誘導剤を利用した効果的な防除体系がほぼ明らかとなった。
・ミニトマトのすすかび病に有効な薬剤、有効な防除体系が明らかになった
・ミニトマトの青枯病に有効な台木、微生物資材が認められた。
・ナスの半身萎凋病に対しては、土壌消毒が有効である事が確認された。
・スイカのオオタバコガに対する有効な防除体系が明らかになった。
・アスパラガス茎枯病、斑点病に対する有効な防除薬剤がほぼ明らかになった。
・ラッキョウの根腐症状の株から病原菌が分離され、再接種によって同様の症状が再現された。

5 H30の試験内容

(1)ナシの難防除病害虫の防除技術確立
・白紋羽病に対する還元土壌消毒の検討
・黒星病に対する各品種の感受性、亜リン酸肥料を含めた防除体系の検討
・枝枯病、胴枯病に対する有効薬剤・防除体系の検討
・果実腐敗症状の防除対策
・ウイルス様症状の診断方法の検討
・シンクイムシ類に対する有効薬剤の検索、散布体系の検討
・ハダニ類に対する天然物由来を含めた有効薬剤の検索、散布体系の検討
(2)ラッキョウ赤枯病、根腐症状の防除対策の確立
・根腐症状の原因究明
・赤枯病に対する薬剤散布及び薬剤浸漬の防除効果
・種球の太陽熱処理による赤枯病に対する効果の検討
(3)ブロッコリー難防除病害の防除技術確立
・抵抗性誘導剤を利用した黒腐病防除体系の検討
(4)ミニトマトの難防除病害の防除技術確立
・抵抗性台木の発病抑制効果比較検討
・微生物資材を利用した防除効果検討
(5)アスパラガス病害対策
・茎枯病、褐斑病、斑点病に対する防除対策の検討

6 平成30年度要求額内訳(千円)

内容
要求額
委託料
173
旅費
112
栽培資材・試験資材購入費等
1,796
合計
2,081

7 年次別事業内容と事業費

年度
事業費
事業内容
23
2,324
難防除病害虫の発生状況把握と有効な防除対策の検討
24
2,052
難防除病害虫の発生状況把握と有効な防除対策の検討
25
2,052
難防除病害虫の発生状況把握と有効な防除対策の検討
26
2,252
防除体系の確立、防除体系の提案
27
2,268
防除体系の確立、防除体系の提案
28
2,268
難防除病害虫の発生状況把握と有効な防除対策の検討
29
2,052
難防除病害虫の発生状況把握と有効な防除対策の検討
30
2,081
難防除病害虫の発生状況把握と有効な防除対策の検討
31
2,081
難防除病害虫の発生状況把握と有効な防除対策の検討、防除体系の確立
32
2,081
防除体系の確立、防除体系の提案
※「地方創生推進交付金充当」

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

<目標>
H29工程表政策内容
安全・安心、高品質な農産物の生産技術の確立

<取り組みの内容>
・難防除病害虫に対する防除対策については、薬剤による防除対策を中心に以前にも行っており、防除対策が一度は確立されたものもある。
・温暖化等の気象変化、栽培品種の変更、抵抗性害虫や耐性菌の増加等によって、新たな難防除病害虫の発生や一度は防除対策が確立された病害虫の問題化が起こっており、これらに対する対策が必要である。

これまでの取組に対する評価

<外部評価>
平成22年度の外部評価(事前)の結果
評点:13.29(評点9以上で試験実施)
平成25年度の外部評価(中間)の結果
評点:11.0(評点9以上で試験実施)
平成27年度の外部評価(中間)の結果
評点:12.4(評点9以上で試験実施)
○評価委員の主な意見
特に問題ない。生産者への効果はあると思う。解決には時間がかかると思うが頑張って欲しい。
<自己分析>
・難防除病害虫に対する防除対策の確立は、各関係機関から毎年のように要望が上がってきているが、効果的な防除対策がこれまで見つかっていないものが多く、これらに対する取り組みが必要である。
・単なる薬剤防除だけでは効果が不十分であり、病害虫の発生生態や発生状況、薬剤以外の防除対策等も含めて検討する必要がある。
・経費や労力が多大になると現地への適用が困難であるため、防除経費や労力も考慮した防除対策の構築が必要である。
<改善点>
・発生生態や発生状況、薬剤以外の防除対策等も含めて検討を行う。
・防除経費、労力等も含め、現地での適用性を検討する。
・解決した課題は終了し、新しい課題を検討する。

工程表との関連

関連する政策内容

安全・安心、高品質な農産物の生産技術の確立

関連する政策目標

物理的な防除方法の検討、微生物を活用した防除法の検討、品種特性を活用した農薬削減の検討、殺虫剤削減によるマイナー害虫の発生動向把握と対策の検討


財政課処理欄


要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 2,052 511 0 0 0 0 0 0 1,541
要求額 2,081 814 0 0 0 0 0 0 1,267

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 2,081 814 0 0 0 0 0 0 1,267
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0