1.終了の理由
一定の成果が得られたため
2.事業の概略説明
本研究では「きぬむすめ」の市場評価の維持・向上を通じて生産者の所得向上を目指して、県内のJA、農業改良普及所との連携により、等級・食味の高位安定化を図る栽培管理技術の構築を目指す。特に、等級・食味を低下させている要因を把握し、等級、食味が低位に位置するものの改善に注力する。
3.得られた研究成果
(1)食味と関連の深い玄米タンパク質含有率の年次別の変動、栽培要因である気温、標高、窒素施用量との関係を把握
(2)「きぬむすめ」の良質米生産における中干し(水管理)の効果を把握
(3)農業気象データに基づいた出穂期、収穫適期の予測方法を確立
(4)食味向上のための出穂期の葉色を指標とした肥培管理技術を検討
4.事業の効果
(1)栽培指導指針等の「きぬむすめ」の食味向上技術の基礎データとして活用
(2)農業気象データを用いた水稲の生育・品質改善技術の基礎データとして活用
5.残された問題点
(1)現在、使用している農業気象データは、鳥取県内全域を1km四方に区切った農業気象データである。しかし、1km四方内の標高差が大きい山間地では、データの誤差が大きくなる傾向があるため、山間地での精度向上を指導機関等から求められている。
(2)気象と関連性の高いものは、水稲の生育以外にも、野菜の生育、病害虫の発生等もあるため、幅広く農業気象データを用いた栽培管理技術に応用することが求められている。
6.問題点に対する対応
ICT機器等により、営農技術の「見える化」、作業効率向上を図り、技術の高位平準化を図る必要がある。