現在の位置: 予算編成過程の公開 の 平成30年度予算 の 農林水産部のナシの気候変動に対する適応技術の確立
平成30年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:園芸試験場費
事業名:

ナシの気候変動に対する適応技術の確立

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農林水産部 園芸試験場 果樹研究室  

電話番号:0858-37-4211  E-mail:engeishiken@pref.tottori.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
30年度当初予算額 2,100千円 22,246千円 24,346千円 2.8人 4.0人 0.0人
30年度当初予算要求額 2,100千円 22,246千円 24,346千円 2.8人 4.0人 0.0人
29年度当初予算額 2,258千円 22,254千円 24,512千円 2.8人 4.0人 0.0人

事業費

要求額:2,100千円  (前年度予算額 2,258千円)  財源:受託事業、単県 

一般事業査定:計上   計上額:2,100千円

事業内容

概略説明

近年、気候変動が激しくなり、気象条件が原因と考えられる品質や収量の低下が多く認められるようになった。安定した品質の果実や数量の供給は消費者の信頼を高めるとともに、生産者の所得向上につながる。気象条件が原因と考えられる障害や品質低下要因について、そのメカニズムを明らかにし、気候変動に適応する技術を確立する。

1 事業の必要性

温暖化による開花期の前進や生育期間中の高温による果実品質への影響を明らかにし、品質低下を防ぐ技術の確立が必要である。
気象の年次変動が大きく、収穫時期が前進(後進)化している。果実品質や販売単価の向上には収穫適期を予測する技術が必要である。
「王秋」は食味、貯蔵性に優れ、晩生梨として期待されており本県は全国1位の生産量を誇っているが、収穫果にコルク状障害が発生することがあり、発生要因の解明と低減技術の確立が望まれている
開花・受粉期の天候が不安定な年は収量や果実品質に大きく影響するため、結実安定技術の確立が必要である。
他県ではすでに暖冬に伴う低温不足によって発芽不良が発生している。また低温要求量は十分でも2、3月の気温が高く推移し、生育が早まった後の低温遭遇による樹幹病害などの発生が見られるため、これらに対応する技術の確立が急務である。
高温、干ばつ、ゲリラ豪雨などの異常気象が毎年の様に起こっている。これらに対応できる土壌管理法や施肥法の確立が必要である。
過剰施肥は温暖化を進めている。温暖化防止に向けた施肥量削減技術の確立が必要である。
柑橘類やビワなど梨以外の品目も探索し、栽培適性を検討していく必要がある。

2 事業の内容

果実品質への影響評価と対応技術の確立
樹体への影響評価と対応技術の確立
地下部への影響評価と対応技術の確立

3 事業の効果

ナシ生産者(約1200戸)への技術普及により、気象変動に適応したナシ栽培が可能になり、毎年、高品質果実の安定生産、所得向上が期待できる。
「二十世紀」「王秋」は日本一の生産量であり、これらの高品質果実の安定供給は鳥取のくだもののブランド力向上につながり、生産者の所得向上が期待できる。
効率的施肥による施肥量削減で温暖化防止への取り組みをPRできる。

4 これまでに得られた成果一覧

施肥関係
冬期間に流亡しやすく効果が低いと考えられる元肥の施用をやめて11年間栽培試験を継続しているが果実品質や樹体生育に影響は見られなかった。現地試験園でも同様の処理を3〜4年間行い、果実品質に影響が無いことが確認された。
「王秋」のコルク状障害関係
障害の発生は高温・乾燥によって多くなるが、夏期の樹上散水によって低減された。
・土壌深耕や摘葉処理によって発生が低減された。
・粗摘果時期を早く、着果量を多くすることで発生が低減された。
「夏さやか」の耐寒性は他品種に比べて低く、このことが胴枯れ病の一因になっていると考えられた。
霜害対策技術として鳥取県版改良燃焼技術や潅水チューブなど既存の潅水施設を活用した散水氷結技術を確立した。
受粉前の気象条件が結実に与える影響には品種間差があり、「新甘泉」はほとんど影響がなかったが、「秋甘泉」は高温によって結実率が低下した。

5 平成30年度の試験内容

「王秋」のコルク状障害の発生要因解明と低減技術の確立
結実安定技術の検討
品質予測技術の確立
肥料削減栽培の実証および最小根域改良面積の検討
オ 温暖化に向けた新たな栽培品目の探索

6 平成30年度要求額内訳(単位:千円)

内訳
要求額
旅費(技術習得研修、情報交換など)
208
栽培資材、実験資材購入費など
1,652
通信運搬費
240
合計
2,100

7 試験実施期間

年度
事業費
事業内容
26
2,258
高温が果実品質・樹体生育に及ぼす影響の評価と対応技術の検討、品質予測技術の確立、「王秋」のコルク状障害の発生低減技術確立、
施肥量削減技術、温暖化に対応した土壌管理技術の確立
27
2,258
高温が果実品質・樹体生育に及ぼす影響の評価と対応技術の検討、品質予測技術の確立、「王秋」のコルク状障害の発生低減技術確立、
施肥量削減技術、温暖化に対応した土壌管理技術の確立
28
2,258
高温が果実品質・樹体生育に及ぼす影響の評価と対応技術の検討、品質予測技術の確立、「王秋」のコルク状障害の発生低減技術確立、
施肥量削減技術、温暖化に対応した土壌管理技術の確立
29
2,258
高温が果実品質・樹体生育に及ぼす影響の評価と対応技術の検討、品質予測技術の確立、「王秋」のコルク状障害の発生低減技術確立、
施肥量削減技術、温暖化に対応した土壌管理技術の確立
30
2,100
高温が果実品質・樹体生育に及ぼす影響の評価と対応技術の検討、品質予測技術の確立、「王秋」の栽培マニュアル作成、
施肥量削減技術、温暖化に対応した土壌管理技術の確立


これまでの取組と成果

これまでの取組状況

王秋は、コルク状障害の発生により出荷量が著しく低下する年もあったが、これまでの試験により、一歩ずつ発生抑制に向けた技術確立が進んでいる。現地試験も交えながら試験を進めており、成果の速やかな普及につながっている。
霜害対策についても、専技、普及所と連携をとり、研修会の実施、マニュアル作成を行った結果、多くの現場で実施されており、品質、収量低下対策として効果を挙げている。

これまでの取組に対する評価

平成28年度 外部評価委員会議(中間評価)の結果
   評点 12.3  判定 ◎
 (評点9以上で試験実施)
 評価委員の主な意見
・様々な個別的技術について、検討を進めておられるが、今後とも新しい課題が出てくるものと考えられ、このまま試験を続けて欲しい。
・気候変動は水分ストレスの問題と気温変化の問題に分けられるが、ここで研究されているのは気温の問題のみではあるまいか。
・様々な方向からの研究で成果がでています。柑橘についても適切かどうかの研究が進むことを期待しています。
・王秋のコルク障害原因の究明には引き続き研究を願いたい。
・開花期と収穫期の予測についてデータをHPで公開してほしい
・梨のみにこだわらず、温暖化の傾向を見越した品目(柑橘類など)の開発も進めていただきたい。







工程表との関連

関連する政策内容

安全・安心、高品質な農産物の生産技術の確立

関連する政策目標

土壌養分と養分吸収量との関係解明、可給態窒素に基づく施肥基準の作成


財政課処理欄


要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 2,258 543 0 0 0 0 0 1,044 671
要求額 2,100 416 0 0 0 0 0 1,060 624

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 2,100 416 0 0 0 0 0 1,060 624
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0