事業の目的
国産材を用いた新たな木質材料であるCLT(直交集成板)を大型建築物等に用いるため、JAS規格等により求められる性能を確保する技術を開発する。なお、本課題は、農林水産省の委託プロジェクト研究として実施した。
委託プロジェクト研究の概要
(1)課題名 伐採木材の高度利用技術の開発
(2)委託元 農林水産省農林水産技術会議事務局
(3)研究期間 〜29年度(5カ年)
(4)共同研究体制
〈中核機関〉
国立研究開発法人 森林総合研究所
〈共同研究機関〉
国立研究開発法人 建築研究所
宇都宮大学
民間企業(銘建工業、山佐木材、レングス、オーシカ)
道県公設試験場(北海道、岡山県、広島県、鳥取県
事業の内容
委託プロジェクト(農林水産省)で他機関と連携して実施
(対象とする製品)
厚さ12.5センチ、幅2メートル、長さ4〜6メートルのCLT
主として大型建築物の床、壁、屋根に使用
(鳥取県の担当する試験内容)
CLTの寸法安定性評価
- 建築物でCLTを使用する際、表面と裏面が異なる温度・湿度に曝されたときに生じる「反り」を評価する。
- 板材の材質(強度等級、樹種、厚さ)や製品の断面寸法の違いが反りに及ぼす影響を検証する。
成果
CLTは表と裏の温湿度環境が異なることで反りを発生した。板材の積層構成(厚さ、樹種など)によって、違いが認められ、等厚の板材よりも非等厚の板の組み合わせの方が反りが小さい傾向が、また、ヒノキとスギを組み合わせたCLTの反り量が小さい傾向が認められた。
反りを抑制する方法として、高湿度側に防湿シートを貼り付けた場合の反りの発生傾向を調べ、最終年度の成果とする。