現在の位置: 予算編成過程の公開 の 平成30年度予算 の 農林水産部の水稲新品種育成試験
平成30年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:農業試験場費
事業名:

水稲新品種育成試験

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農林水産部 農業試験場 作物研究室  

電話番号:0857-53-0721  E-mail:nogyoshiken@pref.tottori.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
30年度当初予算額 1,587千円 5,562千円 7,149千円 0.7人 0.8人 0.0人
30年度当初予算要求額 1,587千円 5,562千円 7,149千円 0.7人 0.8人 0.0人
29年度当初予算額 1,712千円 6,358千円 8,070千円 0.8人 0.0人 0.0人

事業費

要求額:1,587千円  (前年度予算額 1,712千円)  財源:単県 

一般事業査定:計上   計上額:1,587千円

事業内容

1 事業内容

食のみやこ鳥取県にふさわしい鳥取県オリジナルのブランド品種を育成し、有利販売につなげる。また、新品種を知的財産として保護することにより、産地間競争力を高める。

2 育種目標

産地戦略の実現を支援するため、(1)プレミアム主食品種、(2)もち加工用品種、(3)業務用主食品種、(4)酒造用品種、(5)飼料用米品種(6)新形質米を育成する。

3 具体的内容

(1)交配
      約80組合せ(例:良食味品種×高温に強い品種)

    (2)固定と選抜

      交配により得られたF1種子を元に播種と採種を繰り返し特性を固定化。

      雑種第4世代から、熟期の早遅、玄米の品質、収量等の特性を調査し、育種目標にあったものを選抜する。また、いもち病に強いものや中山間地、山間地に向く品種を得るため現地でも選抜を行う。


    (3)新品種候補の養成

      平成29年に選抜した約100系統について高温登熟性・収量性・耐病性・食味等を評価する。有望な系統には鳥系番号を付与し次年度に奨励品種決定調査等に供試する

    (4)新品種候補の食味特性の評価

      新品種を地域ブランドにするために、「特A」レベルの食味を持つことの確認を行う。

    (5)放射線の依頼照射

      短期間に優良な品種を育成するために、水稲種子に放射線を照射する。

    (6)酒造好適米の醸造適性の評価

      酒造好適米の新品種候補については、醸造用に高度精白し、(地独)鳥取県産業技術センターとの共同研究により試験醸造を行うことで醸造適性を評価する。

4 事業の必要性

1)国庫により水稲の育種を広域的に行う指定試験地制度が廃止となり、全国各地において水稲の品種育成が活発化し、優良品種が囲い込まれる傾向にある。こうした産地間競争に打ち勝ち、鳥取県独自の優良ブランド品種により他県産米との差別化を図り、農家収入の安定・向上を目指す。 2)夏の高温が激しい年でも米粒が白濁しない高温登熟性に優れた品種が早急に必要とされている。

3)「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」を9月上中旬に収穫した後、「きぬむすめ」を10月上旬に収穫するまでの端境期、いわゆる「中間熟期」の品種に対する要望も強い。

4)各県で知的財産の保護が進み、他県で開発された病気に強い等の優良な品種が本県に導入できない例もある。県内農家に不利益を生じさせないためにも県独自品種の開発が必要である。(例:新潟コシヒカリBL:コシヒカリにいもち病の抵抗性を持たせた品種)

5)有機栽培等の環境保全型農業に適した品種の育成も求められている。

6)試験場に求める試験課題に毎年新品種育成があげられ、現場の要望も強い。

5 事業の効果

1)鳥取県独自の優良ブランド米により県産米の有利販売と県内農家の収入が向上する。
2)優良ブランド品種を作り出すことにより、他県に対して鳥取県のイメージアップが図られ、農産物を始めとし、観光面等においても様々な経済効果が期待される(例:熊本県の森のくまさん、新潟県の新之助等)。

3)耐病性品種の育成により、農家の省力低コスト化、減農薬・有機栽培が可能となり、食のみやこ鳥取県にふさわしい安全・安心な農産物が生産される

6 事業実施期間

昭和43年〜継続

7 鳥取県農業活力増進プラン」における位置づけ

温暖化に対応した品種構成の見直し、品質向上

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

<政策目標>
良食味、多収、加工適性等の特徴を有する水稲品種の育成・選定を行うとともに、有望系統を品種登録し、知的財産として保護する。

<品種登録>
「とりの泉」
H20年登録。玄米タンパク含量が低く、精米時の胴割が少なく、醸造、ポン菓子に向いた中生品種。ポン菓子としての利用が定着し、品種名が書かれた商品が販売されている
「ゆめそらら」
H22年1月登録
コシヒカリの美味しさをそのままにしながら、ほ場で倒れにくいよう品種改良した品種。平成22年準奨励品種に採用された。

「鳥姫」
H24年2月品種登録
粒が大きく、稈長(草丈)が低く、酒造好適米の早生品種。鳥取県の酒米を代表する新品種として期待されている。
平成21年度は県内8酒造会社が試験醸造に取り組み、H22年10月には試飲会が開かれた。現在県内2社から純米酒が商品化されている。
「鳥系香122号」
H29年8月品種登録出願
カレールウ消費量が多い鳥取県にふさわしいカレーに合うお米。ポップコーンの様な香りともっちりとした食感を合わせもつこれまでにないタイプの新品種。現在、各種マスコミから問い合わせが殺到している。

<新品種候補>
「鳥系93号」:コシヒカリときぬむすめの間の熟期で、高温にやや強く、コシヒカリより倒伏といもち病に強い系統を育成した。奨励品種決定調査の本調査に供試中。
「鳥系酒105号」:栽培特性、醸造適性に優れ、大吟醸等の高級酒にも向く新たな新品種候補として注目されており、H27年度は県内現地での栽培試験及び酒造業者による大仕込みでの試験醸造に取り組んでいる。H29年内の品種登録出願を予定している。

これまでの取組に対する評価

<自己分析>
主食用品種、酒米品種、カレーに合う品種を育成し、県育成品種のオリジナリティ向上に寄与してきた。

<改善点>
品種育成には、長期間の労力を要することが課題となるものの、地球温暖化への対応、良食味米や特色のある米、安価な米を求める消費ニーズに応えるべく、育種目標の重点化を図りながら取り組む。

工程表との関連

関連する政策内容

市場に打って出る魅力あるオリジナル品種の育成、高付加価値化技術の開発

関連する政策目標

1 県独自水稲品種の育成、本県に適した水稲品種(系統)の選定


財政課処理欄


要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 1,712 0 0 0 0 0 0 0 1,712
要求額 1,587 0 0 0 0 0 0 0 1,587

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 1,587 0 0 0 0 0 0 0 1,587
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0