1 事業の目的・概要
地球温暖化防止や生物多様性保全に効果が高い営農活動を行う農業者等に対して支援を行い、農業分野における環境保全機能の発揮に資する。
2 主な事業内容
(単位:千円)
事業区分 | 事業内容 | 実施主体 | 事業費 | 予算額 | 補助率 |
環境保全型農業直接支払交付金
(平成27〜31年度) | 農業者等が化学肥料・化学合成農薬を原則5割以上低減する取組と合わせて行う地球温暖化防止や生物多様性保全に効果の高い営農活動を支援。
【交付対象となる営農活動】 | 市町村 | 41,755 | 31,316 | 国1/2
県1/4
(市町村1/4) |
| 対象取組 | 支援単価
(円/10a) | |
緑肥の作付け | 8,000 |
堆肥の施用 | 4,400 |
有機農業の取組
(うち、そば等雑穀、飼料作物) | 8,000
(3,000) |
リビングマルチの実施 | 8,000 |
草生栽培の実施 | 8,000 |
冬期湛水管理 | 8,000 |
*支援単価は国と県と市町村の合計 |
県事務費 | 制度の周知や交付金の交付事務等 | 県 | 30 | 30 | 国10/10 |
市町村事務費 | 各種申請書や実施状況の確認事務等 | 市町村 | 818 | 818 | 国10/10 |
合計 | | 42,603 | 32,164 | |
<参考>
【環境保全型農業直接支払の実施状況】
| 実施市町村数 | 取組件数 | 実施面積(ha) | 交付金額
(千円) |
平成26年度 | 15 | 100 | 270 | 18,775 |
平成27年度 | 15 | 43 | 373 | 24,527 |
平成28年度 | 15 | 45 | 437 | 28,962 |
平成29年度
(見込み) | 15 | 46 | 499 | 29,800 |
※境港市、智頭町、日吉津村、伯耆町を除く15市町で実施されている。
※平成27年度から農家申請を農業者団体申請に国が見直ししたため、取組件数が減少している。
3 事業の実施期間
平成27年度〜31年度 (5年間)
4 要求額
区分 | 事業費 | 負担額 | 負担割合 | 備考 |
国 | 県 | 市町村 |
環境保全型農業直接支払交付金 | (41,367)
41,755 | (20,683)
20,877 | (10,342)
10,439 | (10,342)
10,439 | | |
県事務費 | (30)
30 | (30)
30 | | | 国10/10 | |
市町村事務費 | (818)
818 | (818)
818 | | | 国10/10 | |
要求額 | | (31,873)
32,164 | | | |
5 事業内容
1 支援内容
農業者の組織する団体等の以下の取組に対し、直接支払交付金を交付するための経費を助成する。(国1/2、県1/4、市町村1/4)
区分 | 事業主体 | 事業内容 |
環境保全型農業直接支払交付金
| 農業者の組織する団体
農業者※等
| 化学肥料・化学合成農薬の5割以上低減した上で、地球温暖化防止や生物多様性保全に効果の高い営農活動を行う農業者等の取組面積に対し、直接支援する。
交付額=支援単価×取組面積 |
※一定の条件を満たす農業者を想定
2 採択要件
ア) 化学肥料・化学合成農薬の5割以上低減又は有機農業を行う作物について、販売を目的に生産。
イ) エコファーマー※(持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律に基づき県が認定)であること。
※ エコファーマ-要件の特例措置の対象として、(1)共同販売経理を行う集落営農、(2)導入指針が定められていない主作物、(3)有機農業の取組に加え、(4)県特別栽培農産物認証等の認証を取得している者を追加。
※ H30年度エコファーマー要件について「GAPをする」ことに国で見直し中。
ウ) 農業環境規範に基づく点検の実施
エ) 自然環境の保全に資する農業の生産方式を導入した農業生産活動の実施を推進するための活動(技術向上や理解促進に係る活動等)の実施を追加
3 支援単価
| 対象取組 |
|
全国共通取組 | カバークロップ | 8,000円 |
炭素貯留効果の高い堆肥の
水質保全に資する施用 | 4,400円 |
有機農業
(うちそば等雑穀・飼料作物) | 8,000円
(3,000円) |
地域特認取組 | リビングマルチ | 8,000円 |
草生栽培 | 8,000円 |
冬期湛水管理 | 8,000円 |
※ 1ほ場で複数の活動を組み合わせて実施する場合、2取組目まで支援
支援単価は各対象取組の合計(最大16,000円/10a)⇒H30年度以降廃止
6 事業の背景・課題/対応方向
○平成23年度に、国際的な動きとして地球温暖化防止や生物多様性保全への対応が急務となる中、化学肥料及び化学合成農薬の施用を5割以上低減する取組とセットで、地球温暖化防止や生物多様性保全に効果の高い営農活動に対する支援を行う環境保全型農業直接支援対策を創設。
○平成26年度に、農業、農村の有する多面的機能の維持・発揮を図るため、多面的機能支払、中山間地域等直接支払、環境保全型農業直接支払を日本型直接支払制度として位置付け。平成27年度から、「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」に基づく制度として実施。
○意欲ある農業者がより環境保全に効果の高い営農活動に取り組む場合に、幅広く支援を行っていくことが必要。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
平成25年度→平成26年度→平成27年度→平成28年度
→平成29年度見込
○取組市町村数:14→15→15→15→15市町
○実施面積:232→270→373→437→499ha
○交付金額:17,026→18,775→24,527→28,962→29,800千円
これまでの取組に対する評価
・有機農業の実践等に係る追加費用を補助することにより、環境保全効果の高い営農活動に取り組みやすくなった。
・将来的には、農業者の自発的取組を促すため、集団的な取組や、農作物の付加価値化や販路拡大に向けた取組に誘導していく仕組みについても、本対策やその他施策を含め総合的に検討していく必要がある。