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平成30年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:畜産業費 目:畜産試験場費
事業名:

鳥取和牛肉うまみ開発試験

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農林水産部 畜産試験場 育種改良研究室  

電話番号:0858-55-1362  E-mail:chikusanshiken@pref.tottori.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
30年度当初予算額 12,944千円 8,740千円 21,684千円 1.1人 1.0人 0.0人
30年度当初予算要求額 14,832千円 8,740千円 23,572千円 1.1人 1.0人 0.0人
29年度当初予算額 14,741千円 8,743千円 23,484千円 1.1人 1.0人 0.0人

事業費

要求額:14,832千円  (前年度予算額 14,741千円)  財源:国庫 単県 

一般事業査定:計上   計上額:12,944千円

事業内容

1.事業内容

「うまみ」のある和牛肉を求める消費者ニーズに応えるため、またTPPの大筋合意を受け海外産牛肉との差別化を図るため、鳥取和牛肉のおいしさにかかる様々な「うまみ」を調査し、最終的に簡易測定機器を開発することで、新たなブランド化の創出や、鳥取和牛の育種・改良手法の開発につなげていく。

2.背景・目的

(1)「鳥取県農業活力増進プラン」では「百合白清2」「白鵬85の3」などの高能力種雄牛を活かした「鳥取和牛」のブランド化を推進することが求められており、この2頭に特有の「うまみ」を解明することが必要とされている。

    (2)一方では、霜降り能力の国内トップの「百合白清2」「白鵬85の3」が誕生した現在、今後は霜降りではなく、「うまみ」を持った種雄牛造成が求められている。オレイン酸については、既に遺伝的評価を行い、種雄牛造成に活用しているが、さらに、それ以外の「うまみ」の成分についても同様の取り組みを行えるような展開が必要とされている。
    (3)平成27年10月5日のTPP閣僚会合での大筋合意を受け、海外産牛肉に課せられていた38.5%の関税は1〜2年後の発効時には27.5%に引き下げられる。また最終的には9%になることが決定し、安い海外産牛肉が大量に国内に輸入されることが予想される。
    (4)こうした状況の中、他県あるいは海外産との差別化を図り、鳥取和牛を世界に打って出る産業にするには、「うまみ」の主要因となる成分を突き止め、瞬時に「うまみ」を数値化して全世界の消費者に説得力のある裏付けデータを提示し、鳥取和牛の良さをアピールしていくことが有効手段だと考えられる。

3.期待される効果

鳥取和牛肉の特徴を活かしたうまみのある牛肉生産で鳥取和牛のブランド力が向上し、子牛や鳥取和牛肉の評価が上がる。農家のみならず小売店や飲食店にまで経済効果が期待される。

4.これまでの成果

(1)和牛肉の脂肪に含まれるオレイン酸を指標化した「鳥取和牛オレイン55」(認定  基準:オレイン酸55%以上かつ「気高」号の血統を引き継ぐもの)の誕生に本事業での研究結果が活かされた。

(2)和牛肉のオレイン酸の遺伝的影響は高い(遺伝率0.78)ことから、計画交配や遺伝子解析などによる遺伝的な面からの改良が効果的と判明(本成果はJournal of Animal Science(2011年、89号)で論文発表)。

(3)味覚センサーを用いた試験で赤身肉のうまみと関係ある
    アミノ酸を特定(本成果は日本畜産学会第117回大会で発表)

(4)和牛肉の食味評価と成分分析値との関係を調査し、うまみと関係ある成分を数種特定(本成果は日本畜産学会第121回大会で発表)

(5)和牛肉の食味評価に関わる水っぽさについて調査し、月齢及び季節と水っぽさとの関係を解明(本成果は日本畜産学会122回大会で発表)

5.事業費


年度

内容

事業費(千円)

平成17年度

・備品(ガスクロマトグラフ)購入
(H17年度)
・オレイン酸の調査(H18年度〜)




・備品(食肉脂質測定装置)購入 (H21年度)
和牛肉のオレイン酸迅速評価の調 査(H21年度〜)

5,214

平成18年度

3,018

平成19年度

845

平成20年度

2,331

平成21年度
(9月補正)

2,495
(3,518)  

平成22年度

・鳥取和牛オレイン55の誕生
(H22年度)

2,777

平成23年度

・赤身肉のうまみ調査開始
(H23年度〜)

2,636

平成24年度


2,795

平成25年度

・赤身肉のうまみの研究成果を
 学会で発表(H25年度)

3,019

平成26年度

・備品(肉分析計)購入

8,711
(うち備品購入費
:5,692)

平成27年度

・食味試験と成分分析の関係の研究成果を学会で発表(H27年度)

3,019

平成28年度

・九州大学への委託研究開始
・備品(GCMS)購入

41,079
(うち九州大学委託費
:5,000
うち備品購入費
:32,400)

平成29年度



・受託試験(H28年5月補正)
 ※事業名「和牛肉の美味しさ評価と育種改良手法の開発」で予算化

14,741
(うち九州大学委託費
:5,000
受託試験
:6,000)

平成30年度

・備品要求
 マイクロプレートリーダー
 タブレットパソコン

14,832
(うち九州大学委託費
:5,000
受託試験
:4,000
備品購入費
:1,888)
※「地方創生推進交付金充当」

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

<取り組み>
(1)和牛肉のうまみに関係する脂肪中の「オレイン酸」の鳥取和牛肉の現状を調査。
(2)オレイン酸の鳥取和牛新ブランド基準への導入の取り組み
(3)味覚センサーを活用し、赤身肉のうまみに関係するアミノ酸の特定

<成果>
(1)オレイン酸は性・と畜月齢・血統などにより影響を受けることが判明。血統的特徴の調査では、「気高」の血統を引き継ぐ鳥取系はオレイン酸割合も高くなることが判明。

(2)食味試験等の結果を基に「オレイン酸55%かつ気高号の血縁を引き継ぐもの」を鳥取和牛新ブランド基準とすることが決まった。また、ブランド認定機関に対し、オレイン酸測定をサポート。

(3)和牛肉のオレイン酸割合の遺伝的影響は高い(遺伝率0.78)ことから、計画交配や遺伝子解析などによる遺伝的な面からの改良が効果的と判明。

(4)味覚センサーを活用し、赤身肉の「うまみ」に関係するアミノ酸として、グルタミン酸、セリン、アルギニンは好ましい関係、カルノシンは好ましくない関係があることが判明(日本畜産学会で発表)

(5)和牛肉の食味評価と成分分析値との関係を調査し、うまみと関係ある成分を数種特定(本成果は日本畜産学会第121回大会で発表)

(6)和牛肉の食味評価に関わる水っぽさについて調査し、月齢及び季節と水っぽさとの関係を解明(本成果は日本畜産学会122回大会で発表)

これまでの取組に対する評価

<自己分析>
和牛肉の脂肪に含まれるオレイン酸を指標化した「鳥取和牛オレイン55」の誕生に本事業での研究結果が活かされた。

<改善点>
新ブランド認定基準にオレイン酸が導入されたことから、鳥取和牛肉の脂肪の質の改良が期待される。今後は新たな「うまみ」に関する成分の調査、指標化に取り組む必要がある。

<今後の取り組み>
味覚センサーを活用した試験結果をベースに、さらに赤身肉の「うまみ」成分を特定していく。アミノ酸に加え、香りや糖類の分析も進める予定。特定後は、「鳥取和牛オレイン55」と同様に簡易評価法を検討し、他県を先行する鳥取和牛肉のブランド化及び改良につなげていく。

工程表との関連

関連する政策内容

鳥取和牛のブランド化と高付加価値化に向けた技術の開発

関連する政策目標

優秀な種雄牛の造成及び「鳥取和牛オレイン55」発生率向上のための研究強化と和牛肉の「うまみ」を数値化する研究の進展


財政課処理欄


 備品購入費について、緊急性を勘案し精査しました。

要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 14,741 3,959 0 0 0 0 0 6,000 4,782
要求額 14,832 3,780 0 0 0 0 0 4,000 7,052

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 12,944 3,780 0 0 0 0 0 4,000 5,164
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0