研究の背景
(1)県内スギ人工林の蓄積は、386m3/ha(面積62千ha)と大きく増加。付加価値が高い内装材としての有効活用に期待。
(2)スギ材は他の木材に比べ柔らかく表面にキズが付き易いことが内装材(特に床・壁)としての利用拡大の妨げとなっている。
(3)自然志向から「節(生き節)」 がある製品を求める消費者が増加し、これら需要動向に即した製品提供が必要。
(4)キズを防ぐ対策としてウレタン塗装が一般的だが、木の自然さが減退することが短所。木の風合いを保った加工方法が必要。
目的
スギ有節材の内装材利用を拡大するため、キズを抑制するための表面処理技術(うづくり、表層圧密など)を構築する。
効果
(生産者)
キズの抑制に効果のある表面処理技術により、有節材の内装材としての利用価値が高まり、県産材の販売促進につながる。
(工務店)
特長のある無垢内装製品として施主に提案・提供できる。
(施 主)
キズに対する不安が軽減され、無垢材を利用しやすくなる。
(表層圧密)
(1)圧密条件:温度、圧力、時間等
(2)性能評価:キズ付きにくさ、硬さ、寸法安定性
(3)床材としての性能評価:すべり、温かみ、色
(うづくり加工)
(1)加工方法:ブラシ、サンドブラスト、プレス等
(2)性能評価:キズの付きにくさを以下の項目で評価
(3)材質(板目・柾目、年輪の細かさ)、
(4)加工の程度(深さ、粗さ)、塗装との併用
(「表層圧密」と「うづくり」の併用)