1 目的
旧優生保護法による優生手術を受けられた方に面談等を行い、現状やお気持ちに寄り添いながら必要な支援を行う。
2 背景
(1)旧優生保護法の概要
人口過剰問題やヤミ堕胎の増加を背景に、優生思想の下、不良な子孫を出生することを防止するとともに、母性の生命健康を保護することを目的として、優生手術(不妊手術)や人工妊娠中絶等について規定し、昭和23年に制定。
障がい者の権利の実現に向けた取り組みが進められる中、障がい者を差別する優生思想を排除するため、平成8年に法律名を改正するとともに、遺伝性精神疾患等を理由とされた優生手術(不妊手術)や、人工妊娠中絶に関する規定が削除された。
本人の同意によらない優生手術(不妊手術)は、都道府県に設置された「優生保護審査会」にて審査され適否が決定された。
(2)最近の動き
平成30年1月に当事者の一人が知的障がいを理由に不妊手術を強いられたのは違憲として、国会賠償を求める訴訟を起こした。
上記訴訟等の動きを受け、国会では与党ワーキングチームが設置され、超党派での議連も設立されるとともに、厚生労働省では被害の実態調査に着手するなど、救済策の検討に向けた取り組みが出始めている。
一方、各都道府県では優生保護審査会の資料の多くが廃棄処分されているなど課題がある。
(3)本県で確認できた件数
本県において実施された旧優生保護法に基づく不妊手術(本人同意なし)の件数について、現存する資料で確認できたのは次のとおり。
区分 | 件数 |
優生保護審査会の記録のあるもの(個人が特定できるもの)(A) | 20件 |
県の独自調査で個人が特定できたもの(B) | 1件 |
国の統計資料のみで確認できたもの(C) | 2件 |
計(A+B+C) | 23件 |
3 所要経費
1,200千円
4 事業内容
(1)訴訟支援
被害者が訴訟への参加を希望される場合に必要となる費用を支援する。
(2)同行支援
被害者が救済を受けるため活動される際、若しくは県が行う面談の際に、介助者等の同行が必要となる場合に、必要となる費用を支援する。
(3)その他の支援
個々の被害者の困り感をお聞きしながら必要な支援を行う。