1 調整理由
ノロウイルスは感染性胃腸炎、食中毒の原因として最多のものであり、その感染経路の調査及び結果に基づく指導は今後の感染予防に必要と考える。そのため、感染者減少に向けた調査研究の方向性を資料03に明示し、復活要求をする。
【査定額】ゼロ
【査定理由】研究成果をどのようにノロウイルスの感染者減少につなげていくのかが不明確であるためゼロとします。
2 事業の内容
保育施設ではノロウイルスによる感染性胃腸炎、食中毒が多発し、その発生防止が重要な課題となっている。本事業では保育施設内のウイルス汚染状況を検査し、適切な清掃・消毒を指導するとともに情報を共有し、感染症発生予防の向上を図る。
<シーズン別 鳥取県感染性胃腸炎集団発生件数>
| 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 計
()内NV件数 |
2013-14 | | | 3 | 16 | 2 | 6 | 5 | 3 | 2 | 2 | | | 39(37) |
2014-15 | | | | 1 | 2 | 5 | 5 | 2 | | | | | 15(12) |
2015-16 | 1 | 10 | 6 | 5 | 10 | 4 | 2 | 5 | 5 | 3 | 3 | | 53(35) |
2016-17 | 3 | 4 | 21 | 15 | 6 | 1 | 2 | 3 | | | | | 55(50) |
3 事業の必要性
ノロウイルスは消毒液に対して抵抗性が高く、環境中に安定して残存する特徴をもち、集団発生がおこるには初発患者から排出されたノロウイルスが消毒をかいくぐって何らかのルートで感染が広がったことが考えられる。また、保育施設は人手不足であることがほとんどで、患者の即時隔離は難しく、患者である乳幼児も手洗い等の衛生管理の徹底は難しい状況である。これらのことから、保育施設では感染性胃腸炎が発生しやすい状況であるといえる。その発生防止にはノロウイルスによって汚染された環境の徹底した消毒が必要であるものの、ノロウイルスの汚染は目に見えず現状行われている消毒で確実に消毒できているかは不明である。
県内の保育所に聞き取りを行ったところ、保育現場でもノロウイルス対策に非常に苦慮されていた。現場の声として「十分消毒しているつもりだが集団発生が出るし、ノロウイルスがきちんと消毒できているか不安」との声があった。さらに、乳幼児の家族内に感染が広がれば、保護者に調理従事者がいる場合、食中毒のリスクも高まることが考えられる。以上から、本研究に対するニーズは高いと考える。
4 事業の効果
ノロウイルスの潜在的な汚染状況を把握し、効果的な消毒方法を具体的に記載したマニュアルを作成する。また、各保育施設で実習を開催して指導することにより、保育施設の職員の衛生意識を向上をさせ、鳥取県におけるノロウイルス感染者数を減少させる。
4 調整要求額内訳
(単位:千円)
内訳 |
要求額 |
普通旅費 |
32 |
医薬材料・消耗品費 |
1,823 |
役務費 |
49 |
合計 |
1,904 |
6 事業期間及び経費
(単位:千円)
年度 |
内容 |
事業費 |
H30 |
・現在の保育施設職員の意識調査のための事前アンケート実施
・集団感染が発生した施設への現地調査
・検査結果のフィードバック |
1,904 |
H31 |
・集団感染が発生した施設への現地調査
・情報提供を受けた後の意識変化を確認するためのアンケート実施
・感染症発生予防啓発のためのツール検討(HPでの情報公開、パンフレット作成、講習会開催等) |
1,500 |