1 事業の概要
近年、地球温暖化等の影響もあり、豪雨の発生頻度が高まる等、本県でも災害の発生しやすい状況となっている。
災害復旧事業の迅速な実施のためには、職員の確かな技術力と、ノウハウの蓄積が必要となる。
しかしながら、各年の災害発生状況により事業量が大きく異なることから、必要な技術やノウハウの若手職員への伝承が十分にできていない。
2 事業内容
(1)災害復旧事業迅速化事業 C=0 (1,512)千円
既往災害・復旧資料の一元管理システム C=0 (1,512)千円
災害査定は災害収束後から2カ月以内に受検することとなっているため、過去の検討事例を参考にすることで、迅速な工法決定を行うことが重要である。
本県ではこれまで、災害査定から復旧完了までの資料は各県土整備事務所等が保管しており、既往災害・復旧資料の統一的な管理が行われておらず、工事完了後資料が散逸してしまい、近傍で同様な災害が発生した場合にも、改めて設計条件等から検討する必要があるなど、業務の重複が生じると共に、適正な維持管理にも支障をきたしていた。
そのため、平成28年度、既存のタブレット端末情報共有システム(タブレット端末で閲覧可能なため、災害調査時には現場で近傍の被災履歴等が確認できる)に機能を追加し、一元管理が可能なシステムを構築した。平成29年度は、既往の災害データ(大部分は紙資料)を構築したシステムに登録し、実活用を図っており、平成30年度以降も継続的に活用する。
(2)査定受検実務研修会 C=93(93)千円(資料印刷代)
公共土木施設災害復旧事業国庫負担法に基づく災害復旧事業の事業費は、申請者(県・市町村)と国土交通省の災害査定官及び財務省の立会官の3者合意によって迅速に事業費が決定されることから、申請者として的確な説明を行うことが非常に重要になる。
そこで、過去の災害査定における反省点を踏まえて模擬的に災害査定を行い、災害査定時の説明力を付ける。
なお、本研修会には市町村の担当職員も参加していただくこととする。
(3)災害復旧事例実地研修
C=1,042(1,042)(研修旅費)
普通旅費 420千円
役務費 622千円
計 1,042千円
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他県で実施された災害復旧事業のうち、特徴的な事例について実際に現地に赴き、申請や復旧に際して工夫した点等を学ぶ。
被害が激甚で原型復旧のみで効果が限定される場合等、災害後、直ちに短期間で改良復旧計画を策定する必要がある。近年、鳥取県では改良復旧事例が少なく、技術の伝承が困難な状況にあるため、他県の事例を学び、改良復旧の是非等を判断できる人材を育成する必要がある。
※研修先(案)
新潟県(平成23年新潟・福島豪雨災害関係)
宮城県(東北地方太平洋沖地震関係)
奈良県、和歌山県(平成23年豪雨災害関係)
島根県・山口県(平成25年豪雨関係)
広島県(平成26年豪雨関係)
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
(災害復旧事業迅速化事業)
今年度、既往災害・復旧資料の一元管理システムを構築し、各事務所へタブレット端末の操作説明会を実施した。
(査定受検実務研修会)
1月に研修会を実施するよう現在調整中。
(災害復旧事例実地研修)
平成28年11月に平成23年新潟福島豪雨、中越、中越沖地震により大規模な災害が発生した新潟県において実施予定でしたが、10月の鳥取県中部地震により中止となった。平成29年度は平成23年東日本大震災、平成28年台風10号による災害復旧事業を実施している宮城県・岩手県で実施した。
これまでの取組に対する評価
団塊の世代の大量退職や、若手職員の技術力低下の懸念、平成23年災害時の業務量の増大への対応などから、平成27年度、事業新設しており、今後も継続的に検討を行い、災害復旧技術の向上に取り組んでいく。