(1)県内の有効求人倍率(平成29年11月)は、1.66倍で、平成4年2月以来の高水準で人手不足が深刻化。正社員の有効求人倍率も1.06倍で統計開始以来(H16.11〜)過去最高で、経営を持続可能とするための人材確保が急務な状況である。
(2)職業別では「商品販売」「接客・給仕」「介護サービス」「飲食物調理」「自動車運転」が、毎月、人手不足の上位を占めている。人手不足の要因は、休暇、勤務時間、勤務場所の不規則による求職者の負担感があり、短期的な就職はあるものの、長期的な正社員の就職は希望されず、再募集が繰り返されている状況にある。
<参考>人材の過不足の状況(H29.11)、単位:人
職業分類 | 求人数 | 求職者数 | 過不足数 |
商品販売(小売・卸売、商品仕入れ) | 1,378 | 489 | Δ889 |
接客・給仕(飲食店員、旅館ホテル従業員) | 1,086 | 231 | Δ855 |
介護サービス(施設・訪問介護) | 1,053 | 427 | Δ626 |
飲食物調理(調理師) | 881 | 316 | Δ565 |
自動車運転(バス、タクシー、貨物運転士) | 557 | 204 | Δ353 |
(1)本正規雇用助成金の平成29年度9月末の利用状況155人において、人材不足の業種では「卸・小売」や「介護サービス」の比較的規模が大きい事業所で利用が進んでいるが、「宿泊業」「飲食サービス」「運輸」では各分野3人の利用実績、「職務限定・短時間正社員」にあっては2人(飲食業)の実績である。
(2)平成27年度以降、各250人分を予算要求しているが、利用実績は393人(H27:50人、H28:188人、H29:155人、総合戦略KPI:1,000人に対して進捗率39%)であり、「宿泊・飲食・運輸」の分野で正規雇用転換が進んでいないことが要因にある。KPIの目標達成、人材不足解消のため、「働き方改革」の推進が必要である。
(3)平成30年度から求職者と求人企業とのきめ細やかなマッチングなど質の高いサービスの提供を行う県立ハローワークの全県展開を準備中であるが、正規雇用転換助成金は、県立ハローワークが企業へ就業規則や求人条件変更の働きかけを行う重要な支援ツール、インセンティブとして活用していく。また、人材不足業種等(職業分類を限定しない)において「職務限定正社員」「短時間正社員」の支給額を引き上げ、企業へ働きかけていくことがマッチング率を高めていく上で効果的である。
(※)多様な正社員制度を導入する場合のコンサルティング料相場(就業規則の改正や交通費等含む)は10〜20万円程度であり、インセンティブが必要。