1 背景
近年のデジタル化の進展、昨年度の行政監査結果等を踏まえ、自治体広報を効果的なものに展開していく必要がある。
(1)デジタル化の進展、情報入手手段の多様化
- 近年の情報通信技術の進化により、大容量のデータ通信が可能となるとともに、テレビやゲーム機など身近な機器からのインターネットへの接続や、スマートフォンやタブレット型端末などの高機能化した携帯情報端末による移動中の情報取得が一般的となっている。
- フェイスブック、ツイッター等SNSによる情報発信が普及し、今後も身近な情報伝達手段として情報伝達効果が期待できる。
(2)地域の魅力発信の必要性の高まり
- 人口減少、少子高齢化が進む中、地方創生をさらに進めていく必要性については、今年の県議会でも指摘され(平成30年6月議会:坂野県議、平成30年11月議会:福田県議)、地域の魅力を効果的に情報発信し、観光誘客、移住定住、関係人口の増加等につなげることが喫緊の課題になっている。
- 社会経済活動がグローバル化する中、本県の魅力や情報を国外にも広く発信する必要性が、これまで以上に高まっている。
(3)平成29年度行政監査結果
- 紙媒体の印刷物は、企画立案段階において作成目的を明確にし、対象者に理解しやすいものとなるよう論点整理し、他の広報媒体との併用・連携等、一連の広報計画を十分検討のうえ作成に着手されたい。
- インターネットとの併用・連携は、有効性を十分検討のうえで効率的な情報提供により作成経費の削減に努められたい。
- 一定の広報物を対象に、作成効果を測るため、既存のモニター制度や県民意識調査を利用するなど、認知度や理解度を確認することを検討されたい。
(4)平成30年度県政モニターからの提言
- 紙広報物は、ごみや印刷代等の費用問題に配慮する必要があるものの、デジタル弱者への配慮、配布等により受動的に目に入る可能性があること、いつでも見ることができるもの等により必要な手段。
- 現状の広報物は、記載内容はよく考えられているが、作成自体が目的となっているものも多く、県民に広報物を手にしていただくために、広報媒体選択の適正性の確認、広報物作成時留意点のチェックリスト化などの改善を検討してほしい。
2 目的
近年のスマートフォン、タブレット端末等のモバイル端末の普及状況、及び即時に広範囲への情報提供が可能なインターネットによる情報伝達の有用性をを踏まえ、デジタル媒体を中心にした広報への転換を図る。
広報物のタイトル、内容の見せ方やレイアウトの工夫等による広報物の質の底上げを行うとともに、適切な広報媒体の選択及び適時・適量かつ適所への情報提供等を行うことにより、対象者に必要な情報が効果的に届く広報体制を構築する。
3 事業概要
(1)広報物の質の向上(事業費を伴うもの)
ア 広報力向上研修(609千円)
(各課管理職向け、担当職員向け)の実施(自治体向け戦略的
広報、タイトルや見せ方の工夫、見やすく読みやすいデザイン・
レイアウト、文字量・フォント・色づかい等の研修を実施し、広報
力及び広報物の質の底上げを図る(研修内容、資料を後閲で
きるデータベース等も作成)。)
<経費>
・講師謝金:42千円/回×2地区×4テーマ=336千円
・講師旅費:68,020円×4回=273千円
イ 専門家による広報物の監修(5事例程度)(300千円)
<経費>
・監修者謝金:60千円/1回×5回=300千円
(2)その他
ア 情報のデジタル化への対応
(ア)デジタル媒体を中心にした広報への転換(刊行物作成要領 の一部改正)<H30年中に一部改正予定>
(イ)とりネット閲覧環境の向上(モバイル端末からの閲覧環境の
向上、モバイル端末用とりネットページの作成)<H30年度中
に一部改修予定。以降、随時改修予定。>
イ 多様な情報伝達手段に対応した計画的で効果的な広報
広報項目、広報内容に応じた適切な広報媒体の選択、及び
適時・適量かつ適所への情報提供について広報課で調整。
ウ 広報物の質の向上(事業費を伴わないもの)
(ア)広報推進員制度の創設(各課1名の配置想定)
(イ)広報課による広報物の事前審査(審査対象の想定:委託金
額が50万円以上の動画)
エ 広報効果の検証スキームの検討
効果検証のスキームを検証し、平成32年度以降の導入を目
指す。
オ 広報課の体制見直し
カ 広報連絡協議会の活用