◆鳥取県中西部(伯耆国)では、日本古来の製鉄法である「たたら」が各地で行われ、川で運ばれる砂による弓浜半島の土地形成や海運業(米子市)や鉄製品作り(倉吉市)など山間部から沿岸部まで各種産業に影響を及ぼしてきた。
◆特に日野郡は古くから「たたら製鉄」が盛んで全国でも有数の産地であり、「たたら」は鳥取県が誇れる歴史的文化遺産とも言える。
◆日野郡には、歴史的・文化的に価値の高い資源があり、行政と民間団体が連携してそれらの普及や顕彰に取り組んでいる。
◆近年では、地域団体による散策コースを活用したイベントや、たたら製鉄をテーマにしたツアーの実施のほか、日野町が地方総合戦略にたたらを活用したまちづくりを盛り込むなど、日野郡の「たたら」の認知度は徐々に高まってきている。
◆さらに平成30年の大山開山1300年祭における「たたら」「刀剣」に着目した様々な事業展開により、「たたら」への関心も高まった。
◆大山開山1300年祭クライマックスイベント「日本の鉄文化・たたらの歴史フォーラム」(H30.10.21開催)において、「たたら製鉄」は、日野郡のみならず西部圏域全体で盛り上げられる格好の素材であり、さまざまな切り口で圏域で連携した情報発信を続けることが県民への関心の喚起、たたら文化の盛り上げにつながるという提言もされた。
◆このように地域資源を活かした観光メニューの造成や新商品の開発の動きも活発となってきており、これらの動きを県としても積極的に継続的に支援していく必要がある。