1.事業内容
森林整備の担い手である林業労働者は近年微増の傾向にあるが、平成32年に県が目標とする原木生産量38万m3を目指すには林業従事者が不足している状況にある。新規就業者の確保、低コスト林業に向けた人材及び林業事業体の育成・強化、労働災害の低減が課題となっている。
本年度は本県において現時点で林業労働災害による死亡事故の発生は無いものの、休業4日以上の災害は依然として発生している。災害を減らす取組を通じて、林業を魅力的な職業とし、担い手の確保、保険料の低下による事業体の経営改善等プラスの効果をもたらすことが期待されることから、安全対策等を含めた林業従事者支援が重要となっているため、森林整備担い手育成基金運用益を活用し事業を展開する。
2 一般要求整理結果
(1)鳥取県では平成26年から5か年間オーストリアの先進的な林業を学び、取り入れてきたが、これまでの事業では解消できなかった課題である効率的な集材を実施するために必要な「正確な伐倒方法」「作業連携」を定着させることを目標に、オーストリアから講師を招聘し県内林業事業体の作業班員を対象とした研修を森林整備担い手育成基金を活用し実施する。
(2)林業労働災害の主たる原因のひとつであるチェーンソーによる災害発生率を低減させるためには、「伐倒」、「枝払い」、「玉切り」等、それぞれの作業を正確に行うことが必要である。県内の労働災害発生件数は減少傾向にあるものの、平成30年度の速報値は17件であり、その5割が伐倒に起因するものである。また、直近5年間の県内労働災害発生率(発生件数/年間素材生産量(m3))は全国平均値と比較すると3%程度高くなっている。そこで、今まで行われてこなかった県内の担い手が一堂に会し、同時に安全な伐倒作業を行うための技術、知識の活用、安全作業の指導を実践する場を設けるため、県外から専門の講師を招聘し、チェーンソー作業実技訓練研修及び安全作業等指導者育成講習の開催を、森林整備担い手育成基金を活用し支援する。
3.調整要求内容
下記事業の追加
【新規】素材生産力向上のための作業改善研修事業
事業内容 | ○オーストリア、ピヒル研修所から講師を招聘し、4日間の日程で効率的な集材に適した正確な伐倒方法及び作業連携について、実践的な研修を県内林業事業体の作業班員を対象に行う。
〇事業期間H31〜33
<目標>
研修修了後3年で素材生産量1.2倍(2020年以降効果検証を実施) |
実施主体 | 県 |
予算額 | 4,296千円(国1,841千円、県2,455千円)
※地方創生推進交付金 |
【新規】チェーンソー等安全技術向上研修支援事業
事業内容 | チェーンソー技術向上研修、チェーンソー技術指導者育成講習会開催経費の支援 |
実施主体 | (公財)鳥取県林業担い手育成財団 |
補助率 | 1/2 |
予算額 | 677千円 |