1 事業の目的・概要
酪農において自然災害等で停電すると、搾乳できなかったり機器の洗浄ができず生乳を廃棄せざるを得ないことから、大きな損害を生じる。このため、災害時の備えとして非常用発電機の運転に必要な配電盤等関連装置導入を支援する。
あわせて、生乳受入先の乳業工場での非常用発電機整備に対し、支援を行う。
2 主な事業内容
(1)酪農家の非常用電源配電盤整備に対する支援
酪農家を対象とし、配電盤やPTO発電機用ジョイント等、発電機運転に必要な関連装置導入経費の1/4を補助する。
・補助率 県1/4、大乳1/4
・事業費上限 670千円/戸
・標準事業費 250千円/戸
・対象農家数 100戸
・事業費 25,000千円(県費 6,250千円)
・対象経費 配電盤、PTO発電機用ジョイント
(2)工場クーラーステーション用発電機整備に対する支援
国の事業を活用したクーラーステーション(集乳した生乳を一時保管する場所。以下、CSという。)用発電機の整備に対し、上乗せ補助を行う。
・補助率 国1/2、県1/12
・事業費 394,000千円 (県費 32,834千円)
・対象経費 CS用発電機及び電源切替装置
・実施主体 大山乳業農協
※国の事業:酪農経営支援総合対策事業(生乳流通体制合理化推進事業)
3 背景
平成30年9月北海道胆振東部地震ではブラックアウト(全道停電)が発生。長期にわたり搾乳できない状況が続き、牛が乳房炎を発症するなど酪農家にとって大きなダメージにつながった。また、発電機を所有しており搾乳ができても、受入先の乳業工場が停電により稼働せず生乳廃棄を余儀なくされ、生乳廃棄を含む損失額は23億円と言われている。
北海道地震だけでなく近年は全国各地で自然災害が多発しており、非常用電源の備えは生産基盤強化の一つとして喫緊の課題である。
4 事業実施期間
平成31年度(2019年度)