これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○モニタリング調査
ハタハタ(9月)及びズワイガニ漁期前調査(10月)の調査結果速報をFAX、ホームページ等で漁業者やマスコミに提供した。また、賀露、網代、田後の沖合底びき網漁業者に対して調査結果説明会を開催した。
各調査で得られた資料から資源を持続的に漁獲できる漁獲可能量を推定した。
○フロンティア魚礁調査
これまでに鳥取県が造成した増殖場には増殖場外の約10倍のズワイガニが分布していることが明らかになり、保護育成礁の役割を果たしていることを証明でされた。
○標本船調査
これまで不明であったズワイガニ禁漁期間中のズワイガニ投棄及びズワイガニ漁期中の規定サイズ以外の投棄状況が把握できるようになった。
これまでの取組に対する評価
○モニタリング調査
漁期前調査結果によって漁業者から「操業計画の決定に大変役にたった」と評価された。
ズワイガニが2020年漁期に大幅に減少するという調査結果報告に基づき、漁業者によるズワイガニの漁獲自主規制が強化され、資源が管理されている。
○フロンティア魚礁調査
これまでに整備された保護育成礁の効果調査の継続とともに、これから造成予定(保護効果が認められるため、今年度までの整備地区21群から更に11群が追加されることになった)の保護育成礁についても引き続き調査を行って欲しいという要望がある。
○標本船調査
漁業者自らが積極的に調査に参加し、資源管理に対する意識が高まった。調査結果を踏まえ、H28年漁期から11月に2日の休漁日を設けることを因但沖底協議会で決定し、H29年漁期からは休漁日を72時間以上に延長するとともに、隠岐西方海域に周年の禁漁区を設定。H30年度には更に隠岐北西海域に周年の禁漁区を設定するとともに、TAC削減を実施。
【今後の課題】
現在、沖合底曳網漁業は収入的にズワイガニの漁獲に頼っている。今後数年のズワイガニの漁獲量は安定するものの、その後、減少することが見込まれているため、本調査を継続し、カニ以外での操業利益の確保、カニの更なる資源管理の推進等を進める必要がある。