社会的養護等を必要とする子どもに対する支援は、原則18歳に達した時点で終了することとなっているが、これは支援の必要性の観点に基づくものではなく、あくまで現行法の「児童」の定義に従っているものである。継続的な支援を必要とする児童等が、職業的、社会的自立のための能力と基盤の形成が不十分な状態で社会に放り出されてしまうことのないよう、里親等への委託や児童養護施設等への入所措置が終了となる児童等に対して、18歳(措置延長の場合は20歳)到達後や施設退所後等も含め、個々の児童等の状況に応じた支援を継続して実施することによって、児童等の自立に結び付けていく必要がある。
そのような状況の下、平成28年通常国会において成立した改正児童福祉法において、自立援助ホームの対象者に、22歳の年度末までの間にある大学等就学中の者が追加された(従来は満20歳に満たない者のみ)ことを受けて、利用者に対する支援を20歳到達後も継続し、当事者の自立に結び付けていくための国補助事業(就業者自立生活援助事業)が創設された。
さらに、里親等への委託や、児童養護施設等への施設入所措置を受けていたが18歳(措置延長の場合は20歳)到達により措置解除された者に対しても、原則22歳の年度末まで、引き続き必要な支援を受けることができる国補助事業(社会的養護自立支援事業)が新たに創設された。