これまでの取組と成果
これまでの取組状況
(1)DV被害者支援強化事業
○本県では、平成12年度に「女性に対する暴力防止」関係機関連絡会を発足させ、各機関の取組状況や認識を相互に理解し、課題を共有してきた。各圏域では、婦人相談所、中部・西部福祉保健局心と女性の相談室が中心となり、関係機関に対し定期的な研修や情報交換等を実施し、連携を図りながら組織的に被害者支援に取組んでいる。
○県民一人ひとりがDVについて理解を深め、暴力の潜在化を防ぐとともに、一人で悩んでいる被害者に相談窓口などの情報を提供できるよう、広報・意識啓発を進めており、毎年女性に対する暴力をなくす運動期間中(11/12〜11/25)には、街頭キャンペーンを実施し、DV相談窓口の書かれたポケットティッシュを配布している。
<平成29年度>
11月10日(金)に、鳥取・倉吉・米子の3地区において、各駅及びイオン等大型ショッピングセンターにて街頭キャンペーンを実施し、ポケットティッシュを配布した。また、各ショッピングセンター等で期間中、パネル展示も実施。
○これまで各圏域で実施してきた研修を、平成21年度から全県でDV被害者支援に必要な知識や相談技術を体系的に習得できるよう、研修体制の見直しを行い、職員の質の向上を進めている。
○平成18年度から外国人DV被害者への相談、支援に対応するための通訳の確保に取組んでいる。(現在16名)
○被害者の相談や支援に当たる職員等の代理受傷等に対する心のケアを実施している。
○平成18年10月から、加害者からの相談を受ける電話相談窓口を開設し、自らの暴力を反省し更生の意思のある加害者の支援を実施している。
・平成27年度 3件
・平成28年度 5件
・平成29年度 3件
○配偶者等からの暴力(DV)のない社会、DVを受けた被害者が安全に保護され、安心して暮らすことのできる社会を目指して、平成16年に全国に先駆けて「配偶者等からの暴力防止及び被害者支援計画」(DV防止法第2項の規定に基づく都道府県基本計画)を策定(H27.3改訂)し、DV被害者の実態に即した施策を全県的に実施している。
(2)DV被害者等保護・支援事業
DV被害者等を保護・支援する民間支援団体等が行う自立支援活動に要する経費を助成している。
民間支援団体の活動を支援するため、平成13年度から国の補助対象外であるDV法対象外の被害者を保護・支援するために借上げたシェルター家賃や被害者の自立に向けての活動に要した経費について単県に補助金を交付している。
補助実績
H30 6団体
H29 6団体
H28 6団体
(3)ステップハウス運営事業
民間アパート7部屋を借上げ、DV被害者や他の法律で支援を受けられない女性等に対し住居の提供を行い、心理的ケアや生活支援・就労支援を行った。
これまでの取組に対する評価
(1)DV被害者支援強化事業
関係行政機関、民間支援団体の体制の強化、職員のスキルアップを図ることにより、DV被害者の自立支援が図られた。
また、広報啓発活動を継続実施することで、DVに対する理解が進み、潜在していたDV被害者の支援が進んできている。
(2)DV被害者等保護・支援事業
暴力被害者が必要なときに、安心して安全なシェルターに避難、保護できる体制が整備され、当該補助金や他法他施策を活用し、被害者の個々の状況に応じ、必要な自立のための支援を行うことが可能となっている。
DV被害者及びDV法対象外被害者の保護及び自立に向けた支援は、行政によるもののほか、社会福祉施設及び民間支援団体が大きな役割を担っている。特に婦人相談所一時保護所で保護できない被害者を民間支援団体の一時保護施設で保護するなど、民間の支援活動により支えられている面が多々あり、本事業が民間支援団体の活動に必要不可欠である。
DV被害者の支援については、今後も被害者に寄り添い、柔軟で機動的な支援が行える民間の特性を生かした被害者支援活動が継続して行えるよう、引続き支援していく必要がある。
(3)ステップハウス運営事業
利用者の方々は、精神的な落ち着きを取り戻し、就業等により安定した生活を送れるようになり、経済的、社会的な自立につながっている。ステップハウスは、婦人保護施設では対応できない男性被害者や男児を同伴する者も利用が可能であり、ケースに応じた柔軟な対応が可能である。