１ 終了の理由
試験実施期間を終了したため
２ 試験概要
鳥取県が掲げる「食のみやこ鳥取県」の目玉である、脂肪のまろやかさと質にこだわり、オレイン酸の含有量に着目したブランド「鳥取和牛オレイン５５」の増産を、新たな飼養管理技術（飼料給与方法）の開発により推進する。
また「鳥取和牛オレイン５５」を効率的に生産するため、オレイン酸含有率生前診断法開発のための研究に取り組む。
３ 試験内容
（１）肥育試験（県独自部分）
・飼料による牛肉含有オレイン酸の向上
ア 肥育牛へ飼料添加物モネンシン含有飼料を給与することにより、牛肉に含まれるオレイン酸割合を向上を図り、「鳥取和牛オレイン５５」の生産頭数の増加を目指す。
イ 筋肉内脂肪酸組成に関与する遺伝子と枝肉成績、生化学的肉質成績（脂肪酸組成、アミノ酸組成）の関係を調査する。
ウ 当場での試験結果に基づき、現地実証試験を行い、技術の普及を図る。
（２）生前診断法開発（近畿大学受託研究）
・生きている牛のオレイン酸量を推定する
県内で飼育されている肥育牛の調査（発育・血液）を定期的に実施し、調査データとともに採取した血清サンプルを近畿大学に送付する。
近大から鳥取県への委託金額 1,200千円以内（年間）
４ 試験結果
（１） 肥育試験（県独自部分）
・飼料による牛肉含有オレイン酸の向上（今年度末終了予定）
油粕について嗜好性試験を実施したものの、当初有力であったエゴマ油粕への嗜好性が悪く、発育に悪影響を及ぼすことが推測された。代替品として、膨潤発酵処理米とビオチンの予備試験でオレイン酸割合が上がる可能性が示唆された。
これを受け、平成２６年１２月のセリで試験牛を購入し、膨潤発酵処理米とビオチンを併せて添加する肥育試験を平成２８年７月まで実施したが、オレイン酸の向上は認められなかった。
飼料添加物モネンシン含有飼料を給与する試験は、平成２９年６月のセリで試験牛を購入し、今年度末に終了する見込み。
（２）生前診断法開発（近畿大学受託研究）
肥育牛の耳垢を採取し、オレイン酸含有率との関係を調査したが、オレイン酸との関係性は低かった。
肥育牛の血液を採取し、血漿中のオレイン酸含有率との関係を調査したところ、例数は少ないものの生前診断の可能性が示唆された。