1 終了の理由
試験実施期間を終了したため
2 試験概要
鳥取県が目指す和牛産地の姿として策定した「鳥取県和牛ビジョン」に、酪農家との連携による受精卵移植を活用した和子牛の安定生産が掲げられている。一方、酪農家で受精卵移植により乳用牛から生産された和子牛は、酪農家が飼育する乳牛で実用化されている人の手による哺育、育成が実施されるものの、和子牛での技術は確立されていないため、その確立、普及が必要とされている。
上記に合わせ、子牛の初期発育は、その後の成長及び生産性に大きく影響を及ぼす事が知られていることから、従来と成分の異なる代用乳(粉ミルク)を多給する強化哺育を活用し、和子牛の初期発育向上を図る。
3 試験内容
(1)高蛋白、低脂肪の代用乳を多量に給与する強化哺育群と、従来型の代用乳を給与する群の2つの試験区を設定し、せり上場までの子牛の発育を比較する。
(2)離乳後の飼料給与方法の検討
(3)強化哺育を活用した飼養管理マニュアルの作成、普及
(4)強化哺育実施牛の肥育成績、繁殖成績の追跡調査
4 試験結果
(1)生後3か月齢までの雄子牛において、標準哺育に比べ強化哺育で体重、体高が有意に大きくなった。その後、3か月齢までの発育差を維持したまま8.5か月の試験を終了し、強化哺育で優れた発育効果が認められた。
(2)離乳後の急激な配合飼料摂取による第1胃の異常発酵、その後の消化不良性の下痢の発症を抑制するためにモネンシン含有の育成飼料を離乳前から日量500gを給与した結果、消化不良性の下痢が改善した。