○決算審査特別委員会から、誘致企業と県内企業の受発注が進んでおらず、県内企業への波及効果を高めるよう指摘を受けており、より踏み込んだ受発注支援施策に取り組む必要がある。
〈企業誘致・企業立地の推進〉
県は成長分野の企業誘致に力を入れていますが、県内企業への発注や関連技術者の育成が遅れている状況であります。これは、双方に受発注についての意欲はあるものの、誘致企業と県内関連企業との技術水準や生産量のマッチングが見込んでいたより難しかったことが要因と考えられます。
例えば、長野県は県内に誘致前からそれなりの関連技術やノウハウを持っている企業があり、誘致後に航空機関連産業で成功を収めています。
ついては、製造業のグローバル化により一地域内のみで受発注関係を成立させることは難しくなっているとはいえ、企業誘致事業を効果的に行うために、誘致前のリサーチをさらに徹底し、県内企業への波及効果につなげるべきであります。 |
(1)誘致企業等との受発注、及び下請け型からの脱却に意欲的な県内企業(=潜在企業)の掘り起こし |
誘致企業と県内企業との接点は意外に少ない。その要因として、受発注は単に製品・商品製造だけでなく、製造時に排出される副産物の活用、物流に関するコスト削減提案など幅広い分野で可能性があるが、自社と誘致企業の生産品目等が違う場合、接点はあり得ないと判断し、誘致企業への接触を最初から望まない県内企業が多いことによる。
マッチングの機会・成約率を高めるためには、まずは受発注関係の可能性がある県内企業を幅広に掘り起こし、層を厚くすることが必要となる。
→ 鳥取県産業振興機構の受発注コーディネーター、立地戦略課配置の企業誘致担当参与(非常勤職員)が連携し、個別企業訪問により潜在企業の掘り起こしを行う。
( ※ 予算は既定の標準事務費等で対応。)
(2)誘致企業等の新工場、県外本社見学会や県内企業との交流の場の創出 |
掘り起こした県内潜在企業を対象に、業種・地域の壁を越えた接点を作るため、県主導で誘致企業の新工場の竣工等にあわせて、県内企業による工場見学等の実施や県内企業による誘致企業の県外本社訪問を行う。また誘致企業等の技術課題や技術ニーズ等の説明会を開催する。
※ 県内企業にも誘致企業との接点を望む声はある。
(県内電機産業関連企業団体の声)
企業誘致と県内企業との取引の増加、地域社会とのつながりによる相乗的な発展が必要だが、誘致企業と県内企業の接点は想像以上に少ない。
特に同業、あるいは全くの異業種の場合は、連絡も取りにくく、行政等の仲介が必要。
○委託料 1,500千円
・誘致企業等の新工場・県外本社見学会、交流会の運営
・技術課題・技術ニーズ説明会の運営
(3)県内企業による誘致企業の受発注成約に向けた個別課題抽出・分析・戦略策定支援 (県内企業受発注戦略策定補助金) |
(2)により誘致企業等との接点を作った県内企業に対し、受注獲得のための戦略策定に向けた各社の初動経費(課題抽出・分析作業及び外部専門家等のアドバイスを受けるための経費等)の一部を助成する。
○補助金名 「県内企業受発注戦略策定補助金」
○補助金 1,500千円(H31〜H32年度分)
・補助対象 県内企業の受発注獲得に向けての課題抽出・分析検討・戦略策定に要した経費 (調査費、機器使用料、専門家委託費等)
・補助率 1/2
・補助上限 150千円/社(10社想定)
・事業期間 最長12ヶ月(※一部債務負担行為 平成32年度)
→ 県内では商流を外部商社に任せ、企画・営業等の担当者を配置していない企業も多く、受発注獲得戦略を自社の力のみで策定することは困難で、外部の力も必要となる。初動に係る経費の一部を助成。
(3)により戦略を策定し、方向性を明確化した企業を対象に、誘致企業等との受発注マッチングを伴走型で個別支援する。
→ 県内企業は鳥取県産業振興機構の受発注コーディネーター、誘致企業は立地戦略課配置の企業誘致担当参与がそれぞれ担当し、双方の条件調整等を支援。
→ 下請け型から提案型への成長を目指す県内企業の企画提案力・交渉力を高める観点から、企業が策定した戦略とのズレを修正しながら支援を行う。
( ※ 予算は既定の標準事務費等で対応。)