1 背景
大阪北部地震、平成30年台風21号、北海道胆振東部地震等、連続発生した災害により、被災地の病院等が診療機能停止に陥った。
一定の被災は免れないものの、地域に必要な医療を提供し続けなければならない病院等は、早期に通常診療を復帰させ、住民の健康被害に対処することが求められる。
これまで県は、災害や事故など不測の事態を想定して、業務の迅速な復旧、再開のための対応策をまとめた行動計画(BCP(業務継続計画))の策定を、全病院に対し求めてきたが、
「担当職員の知識不足」、「事務部局・医療部局の院内調整が困難」、「業務繁忙」などにより、全策定には至っていないのが現状。(鳥取県国土強靭化計画「H32までに病院BCP100%」)
また、今後は病院に加え、早期の診療回復が特に必要な、透析や分娩を扱う診療所についてもBCP策定を推進することとしている。(鳥取県保健医療計画における施策目標)
2 事業概要
BCPに関する基礎知識や策定に当たってのポイントを学ぶ研修会を開催するとともに、希望に応じて策定の進め方やあい路(院内調整、推進委員会の設置、その他)について助言するアドバイザーを派遣する。
また、BCP策定により必要となる備蓄品などを整備する場合の経費の一部を補助する。
※本事業は、医療機器の高層階移設(H31国概算要求)、BCP策定研修事業(災害拠点病院が対象)など国庫補助の対象とならない内容について、単県事業で実施するものである。
3 事業内容
(1)BCP研修会及びアドバイザー派遣 3,030千円
ア 研修会開催 2,187千円
・対象 主に病院及び透析・周産期医療を担うすべての医療機関
・会場 東部地区、西部地区 各3回
・内容 基礎知識、策定ポイント、見直しポイントを学び3回の学
習で基本的なBCPを完成をさせる。
・主な経費 委託料(全6回分。会場費、講師謝金、通信運搬
費、旅費、資料作成)
イ アドバイザー派遣 843千円
・対象 BCP未策定・策定済みだが内容の見直しを行いたい医療機関(主に病院及び透析、周産期医療を担う診療所を想定)
・内容 新規策定、見直し・検証に関する助言を個別に行う。最
大2回程度派遣。
・主な経費 委託料(旅費、資料作成)
(2)BCPに基づき整備する備蓄品等への支援 9,000千円
・対象 BCPを新たに策定又は見直しを行った医療機関(主に病院及び透析、周産期医療を担う診療所を想定)
・基準額 600千円
・補助率 1/2
・補助対象 BCPに基づいた備蓄品、災害対応品
(水質浄化フィルター、簡易トイレ、ポータブル発電機などの設備や栄養食品・医薬品などの備蓄など)
・所要額 9,000千円(300千円×30件)
4 これまでの取組
・H24 全病院、医師会にBCP策定依頼、説明会実施
・H25 再依頼(文書等)
・H26 透析医療機関にBCP策定依頼(文書等)
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
・H24 全病院、医師会にBCP策定依頼、説明会実施
・H25 再依頼(文書等)
・H26 透析医療機関にBCP策定依頼(文書等)
これまでの取組に対する評価
・病院については一定程度の策定が進んだが、その他の医療機関においては進んでいない。
・近年多発する災害を踏まえ、地域になくてはならない医療提供機能をしかっりと整えておく必要がある。