1 事業の目的・概要
家畜敷料の代替資材として期待される、炭化鶏糞の脱臭・衛生害虫抑制効果の検証、および廃石膏ボード剥離紙の敷料としての効果検証を行い、リサイクルを進め、環境に配慮した畜産業の推進を図るため、製造装置の導入経費および検証農場への運搬費に対して支援する。
なお炭化鶏糞を製造する養鶏場と、効果検証へ協力いただける畜産農家、および効果検証機関(畜産試験場、園芸試験場)が集中し検証実施に適していること、また琴浦町は畜舎からの臭気等への環境対策として本事業への助成を行うことから、炭化鶏糞効果検証は琴浦町をモデル地区として官民一体となって実施し、もって県下全域への利用拡大を図る。
2 主な事業内容
(1)炭化鶏糞効果検証
1)製造装置導入支援
炭化鶏糞製造装置導入経費の1/2を助成する。
・補助率 県1/3、町1/6
・事業費 6,000千円(県2,000千円)
・対象装置 散水装置1台、ショベルローダー1台
・実施主体 養鶏事業者
2)輸送費支援
検証農場への運搬費を助成する。
・補助率 県10/10
・事業費 216千円(3,000円/台×72台/年)
・実施主体 養鶏事業者
・輸送先 3農場(肉牛肥育農家)
(2)廃石膏ボード剥離紙効果検証
検証農場への運搬費を助成する。
・補助率 県10/10
・事業費 400千円(5,000円/台×80台/年)
・実施主体 大山乳業農業協同組合
・輸送先 5農場(酪農家)
3 事業実施期間
平成31年度
4 背景
肉用牛、酪農の各農家では、家畜の敷料として利用するおが粉が不足しており、安価で入手の容易な代替資材が求めらている。
鶏糞処理方法には堆肥化と焼却処理とがあるが、堆肥化は処理過程での悪臭発生等の課題があり、大規模農場を中心に焼却処理が行われている。焼却処理により生産された炭化鶏糞は、牛舎敷料の代替、脱臭効果、衛生害虫(ハエ)抑制効果が期待されている。
またリサイクル業界では、石膏ボードの排出量が今後増加すると見込まれており、廃石膏ボード剥離紙の活用方法として、敷料としての利用が期待されている。
代替資材の有効性を検証し県内農家へ普及することで、敷料不足の解消、および環境に配慮した畜産業の推進を図る。
(参考:県機関での取組状況)
【畜産試験場】
臭気測定、水分吸水率測定、堆肥発酵温度測定
【園芸試験場】
堆肥施用試験(発芽試験)