現在の位置: 予算編成過程の公開 の 令和元年度予算 の 地域づくり推進部の古代山陰道(青谷地域)の調査研究事業
平成31年度
6月補正予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:総務費 項:企画費 目:埋蔵文化財センター費
事業名:

古代山陰道(青谷地域)の調査研究事業

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地域づくり推進部 とっとり弥生の王国推進課 企画研究担当 

電話番号:0857-27-6711  E-mail:zaisei@pref.tottori.lg.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト(A+B) 従事人役
現計予算額 0千円 0千円 0千円 0.0人
補正要求額 4,781千円 0千円 4,781千円 0.0人
4,781千円 0千円 4,781千円 0.0人

事業費

要求額:4,781千円    財源:単県、国1/2 

一般事業査定:計上   計上額:4,272千円

事業内容

1 目的

 青谷上寺地遺跡や青谷横木遺跡では、古代山陰道の道路遺構が極めて保存状態良く見つかっており、国内初となる柳の街路樹や朝鮮半島から伝わった高度な土木技術である敷葉・敷粗朶工法が発見されるなど全国的な注目を集めている。青谷地域の古代山陰道の調査研究を継続・進化させ、国史跡指定により更なる価値づけを目指すとともに、地域振興や観光振興に活かしていく。

     さらに古代山陰道の成果は、青谷上寺地遺跡の史跡整備にも活かすことで、青谷のもつ歴史的価値をより一層高め、新たな魅力発信にもつなげていく。

2 概要

(1)古代山陰道の調査研究 4,051千円

 平野部での発掘調査成果を受けて、平成30年度から周辺丘陵で現地踏査を行っており、東西の両丘陵上で道路痕跡とみられる大規模な切通しを発見している。今後、継続して調査研究を行うことで古代山陰道のルートや築造時期、構造を解明していく。
4か年計画。

<調査計画>
内容
H30
R元
R2
R3
R4
1次踏査
西エリアA

東エリア

東エリア
レーザー測量
西エリアB
2次踏査
西エリアB
発掘調査
西エリアA
東エリア
西エリアB
出土品整理・報告書作成
現地説明会・ウォーキング
展示・フォーラム

【文化庁の見解】
 青谷の古代山陰道については、平成30年10月11日に行われた「とっとり弥生の王国調査整備活用委員会」で文化庁文化財第二課主任調査官から「遺跡地内で検出された古代山陰道の遺構は保存状態が極めて良好であるので、遺跡の史跡指定地外についても調査することで国史跡の指定の可能性が出てくる。」との助言をいただいている。

<平成31年度実施内容>
1次踏査
 研究史に基づき、周辺丘陵の推定ルートを現地踏査し、切通しや加工段、造成面などの道路の痕跡を探す。令和元年度は東丘陵の残り部分の踏査を行う。

レーザー地形測量
 西側丘陵エリアBについては急峻な地形が連続し、樹木や草木が大量に繁茂しているために分け入ることが困難であり、航空レーザーによる地形測量(委託業務)を行うことで、微細な表面地形を明らかにし、踏査や発掘調査地点を絞る。また、それにより、調査期間の短縮や効率化を図る。

発掘調査
 1次及び2次踏査で見つけた古代道路の可能性がある痕跡を発掘調査することで、道路遺構を特定するとともに、古代山陰道の築造時期や構造を明らかにする。令和元年度は西側丘陵上で発見された切通し周辺で実施する。

現地説明会・ウォーク
 現地説明会やウォーキングを適宜開催することで、県民の古代山陰道や青谷に対する興味や関心を高める。令和元年度は東側丘陵で発見された切通し等で開催する予定。

2次踏査(令和2年度実施予定)
 西側丘陵エリアBについてはレーザー地形測量で明らかとなった表面地形の測量図を基に、道路痕跡を確認し、発掘調査地点を決定する。
(2)青谷平野の古環境復元(奈良文化財研究所との共同研究) 114千円

 青谷上寺地遺跡や青谷横木遺跡の発掘調査データ及び周辺でのボーリングデータ等を活用し、分析調査を行うことで、古代山陰道が造られた飛鳥時代から平安時代及び弥生時代等の古環境を復元し、青谷平野全体の成り立ちについても解明する。
3か年計画。

<調査計画>
内容
R元
R2
R3
青谷横木遺跡周辺の土壌分析
道路・河川の土壌分析
景観復元図作製・公開・展示
<効 果>
 弥生時代に青谷上寺地遺跡にあった港湾集落、古代に青谷平野に造られた古代山陰道、近世初頭に亀井茲矩が朱印船貿易を行う際に鹿野城から芦崎港に行くために造った「亀井縄手」(道路)など、青谷の地はいずれの時代も交流拠点となっている。
 各時代における青谷平野の景観を明らかにすることで、それぞれの遺跡の価値を高めていく。とくに、古代山陰道は潟湖やそのほとりに想定される港湾施設や、その周辺環境を一体で復元できる稀有な事例となり、国史跡指定への後押しとなる。

(3)事務費 616千円

3 事業成果の活用

(1)国史跡指定を目指すとともに、青谷上寺地遺跡の史跡整備でも古代山陰道を復元するゾーンが設けられる予定であることから、その整備にも研究成果を活かす。

 復元ゾーン名:「C古代山陰道地区(C1古代山陰道・C2条里ひろば)」(青谷上寺地遺跡整備活用計画に位置付け)

(2)国史跡を目指す古代山陰道や日本遺産に認定された北前船の寄港地などと関連付けることで、青谷の交流拠点としての評価がさらに高まり、「海と交流の歴史を学ぶ」活用の推進につながる。(青谷上寺地遺跡整備活用計画に位置付け)

(3)現地踏査や発掘調査の成果を聞きながら歩いてもらうイベントを地元や近隣の支所、商工団体等と連携して実施し、鳥取西道路の開通とも合わせ、文化政策課で取り組む西いなば工芸アート村推進事業とも連携することで、西いなば(旧気高郡)が一体となった地域振興を図っていく。

・古代山陰道ウォークの開催
  古代山陰道は西いなば全体を繋げる研究テーマであり、現地説明会も兼ねたウォーキングを開催することで、調査研究の成果を情報発信するとともに西いなばを盛り上げる。本年度は第3回目となり、今後も定番コースとして定着させていく。

・古代山陰道ルート等マップの作製
  調査研究成果を盛り込んだ古代山陰道の推定ルートや江戸時代の亀井畷や鹿野往来のルートに加え、沿線の文化財も入れた西いなば遺跡マップを作成し、鹿野の道の駅や観光案内所などに配架するなど、周遊型の観光振興に役立てる。

(4)平成30年度から古代山陰道をテーマ研究として進めている島根県(島根県古代文化センター)や、杉沢遺跡などの国史跡「出雲国山陰道跡」の調査研究を進める出雲市、山陰道と山陽道を結ぶ官道が発見されている兵庫県朝来市などと共同でサミットやシンポジウムを開催する計画(平成33・34年度)としており、他県と連携することでより一層の情報発信を図っていく。

・サミット「但馬・鳥取・島根をつなぐ古代山陰道サミット(仮称)」
・シンポジウム「古代山陰道からみた新たな古代官道の実像(仮称)」


これまでの取組と成果

これまでの取組状況

平成30年度に標準事務費内で行った踏査では、青谷西側丘陵上において道路痕跡とみられる大規模な切通しを発見した。 
また、9月に開催した「古代山陰道ウォーク」と題したウォー
キングイベントでは57名のもの参加者があり、参加者から非常に好評を得た。そのため、12月にもウォークパートUを開催したところ、冬季にも関わらず45名もの参加者があった。参加者のアンケートからも今後の調査研究に対する期待度は高い。

これまでの取組に対する評価

現地踏査で発見した東西両丘陵の切通しは、青谷上寺地遺跡や青谷横木遺跡から続く古代山陰道の可能性が十分に考えられる。青谷の古代山陰道は遺構の保存状態が極めて良好で、古代道路の構造や特徴を具体的に解明できる稀有な事例として、国史跡の指定を目指すことが可能である。
また、ウォーキングイベントでも古代山陰道や青谷横木遺跡への関心の高さが窺われ、継続して研究成果を効果的に発信していくことが求められている。

財政課処理欄


 枠外標準事務費は枠内標準事務費に振り替えて計上します。

要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
現計予算額 0 0 0 0 0 0 0 0 0
要求額 4,781 2,082 0 0 0 0 0 0 2,699

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 4,272 2,082 0 0 0 0 0 0 2,190
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0