(1)生息状況の調査、保護管理対策の検討
ア.特定鳥獣生息状況調査の実施 7,666千円(7,291千円)
ツキノワグマ・ニホンジカ・イノシシの生息情報・被害情報の整理、行動分析等を行う。(専門機関への委託)
イ.特定鳥獣保護管理検討会の開催等 672千円(686千円)
保護管理検討会を開催し、生息状況調査の結果を踏まえて保護管理計画の達成状況や対策等について検討する。
(2)ツキノワグマ対策の推進
ア.クマ追跡調査の実施 13,617千円(13,625千円)
電波発信器により、放獣したクマの行動把握を行うための、非常勤職員(3名)人件費、必要備品購入費等。
イ.錯誤捕獲個体等の学習放獣の実施 3,396千円(2,661千円)
人里離れた場所で錯誤捕獲されたクマに電波発信器を装着し、人里へ近づかないよう学習させた上で放獣する。
(放獣予定15頭、安全確保のためのバックアップハンター7頭分、発信機費用)
ウ.遭遇回避対策費 2,959千円(2,290千円)
追い払い体制の整備、出没時の安全対策、注意喚起看板の作成、学習会の開催等、住民の安全・安心を確保するための活動を支援する。
事業主体:市町村、地元自治会
補助率:1/2(メニューにより1/3)
エ.堅果類豊凶調査 482千円(472千円)
秋の大量出没に影響するブナ科堅果類(ドングリ)の豊凶を調査し、出没動向等の予測により対策の参考とする。
オ.【新規】近畿北部・東中国ツキノワグマ広域保護管理協議会への負担金拠出 1,000千円(0千円)
より適切な保護管理・被害対策のため、隣接4府県が連携・共同し、地域個体群を1ユニットとした広域的な保護管理体制の構築を進めているところ。
参画する4府県が費用を負担し、地域個体群単位での個体数推定に必要なデータ収集システムを構築・運用する。
(3)ニホンジカの捕獲強化
県東部地域を中心にニホンジカによる農林業及び生態系被害が深刻化しているため、国の「指定管理鳥獣捕獲等事業」制度を活用し捕獲を強化する。
ア.指定管理鳥獣(ニホンジカ)捕獲等事業【調査事業】 6,142千円(5,870千円) ※国庫:定額、1/2
ニホンジカに係る「指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画」の策定調査及び効果検証を行う。(専門機関への委託)
イ.指定管理鳥獣(ニホンジカ)捕獲等事業【捕獲事業】 59,000千円(58,460千円) ※国庫:1/2
「指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画」に基づきシカを捕獲する。(認定鳥獣捕獲等事業への委託)
・対象地域:県全域の奥山
・捕獲目標:約2,100頭相当(月300頭×7ヶ月)
ウ.3県広域連携捕獲実践会議 368千円(368千円) ※単県
隣接県と連携した奥山・県境域でのシカ捕獲体制を整備するため、3県の狩猟団体・県・市町村等で、10月の捕獲強化月間の実施に向けた協議や、合同研修会等を開催する。
(4)ジビエ利用拡大のための狩猟捕獲支援 9,000千円(9,000千円) ※国庫:定額
更なる捕獲の強化とジビエ利用拡大のため、狩猟により捕獲したイノシシ・ニホンジカを処理加工施設に搬入した場合、狩猟者と施設に対し経費等を支援する。
狩猟者への支援:1頭9千円以内
処理施設への支援:廃棄物処理費用等 200万円以内
(1)ツキノワグマ
◎県東部中心に生息する東中国地域のクマの生息数は、平成22年度当時は200頭前後と推定され、環境省レッドリストで「絶滅のおそれのある地域個体群」とされている。
◎このため、鳥獣保護管理法に基づく保護計画を策定してクマの保護を図った結果、県内の推定生息数は703頭(平成29年末)まで回復・増加している。
◎平成28年度のクマ大量出没を踏まえ、平成29年度からゾーニング管理(棲み分け)を導入し、人とクマの軋轢の軽減と適正な個体管理を図っている。
(2)イノシシ・ニホンジカ
◎イノシシ・ニホンジカによる農林作物被害・生態系被害を減少させるためには、物理的な被害防止対策を行うとともにイノシシ・ニホンジカを捕獲し、個体数を減少させることが必要。
◎ニホンジカについては、指定管理鳥獣捕獲等事業をはじめとする捕獲強化に取り組んだ結果、狩猟や有害捕獲も含めた平成28年度の捕獲実績は7,274頭と、初めて7千頭を上回った。管理計画では、個体数半減に向け年間9千頭以上の捕獲目標を掲げており、捕獲強化の継続が必要。