○小学校算数の授業づくりに課題。指導のポイントを絞ることと、その徹底が重要。
○教員の授業づくりのための支援(コンテンツの整備、効果的な情報発信)が必要。
○計算が遅い児童は家庭学習時間が短い傾向があり、より一層の家庭学習を充実させることが必要。
○問題文から適切な情報を読み取る読解力に課題。
○学校経営(管理職の問題意識等)の水準が高い県は学力が高い。管理職に対して学校経営に係る指導助言の充実が必要。
子どもたちが「わかった」「できた」を実感できるワンランク上の授業づくりを目指す
(1)「学びに向かう力」の育成による児童生徒の学力向上
(2)鳥取県版「学びのスタンダード」※の策定・徹底による教員の指導力向上・授業改善の推進
(3)県教育委員会の指導体制の見直し・強化
※鳥取県版「学びのスタンダード」とは
県教委作成の「とっとりの授業改革【10の視点】」のうち、次の3点を特に重点的に取り組み、県内小中学校の全教員が授業改革を実践するための授業形態を確立し、その徹底を図る。
ア 子どもたちが自ら問いを見出し、調べたい、考えたいと思えるような魅力的な課題・教材の提示
イ 一人ひとりの習熟度等を把握し、個々に応じた支援を行った上での学習評価の推進
ウ 学習の課題やポイントを掴み、達成感を感じることができる学習の振り返り活動の設定
(1)「学びに向かう力」の育成による児童生徒の学力向上
平成30年度に圏域ごとに学力向上に向けて取り組んだ成果を全県へ展開する。
◆【拡充】家庭学習の質の向上の推進 2,190千円
・H30年度に指定校がそれぞれで作成した家庭学習の手引き等のうち、特に優良な事例を集約した実践事例集を作成し、家庭学習の意欲を引き出す好事例の周知・徹底、横展開を図る。
・家庭学習の意欲向上に向けて、ICTを活用した児童生徒自身が習熟度に応じて問題を選択したり正解後にさらに難易度の高い問題に挑戦できたりする問題配信等、新たな取組を実施する。
<H30年度の取組・成果>
家庭学習の手引きの作成や授業と連動させた予習課題の実施により、児童生徒の学習意欲が向上。
◆【拡充】小学校の国語・算数の活用力向上 2,711千円
・1年目に成果が上がった活用問題集について、これを活用した授業の実践事例や文科省、県が作成した授業アイデア例等をさらに盛り込んだ活用問題集に充実させる。
・国立教育政策研究所の調査官や大学教授から助言を受け、国語・算数の活用力向上に向けた授業改善を推進し、児童が「わかった」「できた」を実感できる授業の徹底を図る。
・小学校教育研究会の研修会で指定校の実践発表を行うなど、横展開を図る。
<H30年度の取組・成果>
全国学力調査の過去問題等を集めた活用問題集を作成、活用することにより、正答率が上昇し、無回答率が減少。
(2)鳥取県版「学びのスタンダード」の徹底による教員の指導力向上・授業改善の推進
◆【新規】鳥取県版「学びのスタンダード」による授業手法の確立、徹底 500千円
秋田県の教育専門監を招聘して秋田の探究型授業(めあての提示→話合い→振り返り、計画的な板書)を取り入れ、それにタイムマネジメント(振り返りまでを確実に実施する時間管理)の視点を加えて発展させた鳥取県版「学びのスタンダード」による授業手法を確立し、実践・徹底を図る。
◆【新規】学校教育支援サイトの構築 987千円
教員の指導力向上を図るため、エキスパート教員等によるモデル授業や研修の動画、各種資料等を掲載できる支援サイトを構築する。
◆【新規】中学校数学データベースの導入 3,409千円
全国学力調査問題の類題、全国公立高校入試問題等を元に習熟度別に良問のみを集約したテストや問題を作成できるデータベースを導入する。
◆【新規】中学校の活用力・読解力向上に向けた授業改善研究 419千円
活用力と、その基礎となる読解力を伸ばすための授業方法を確立するため、文章を読む力を測るリーディングスキルテストを活用した中学校教員向けの研修と授業の改善研究を行う。
◆単元到達度評価問題を活用した小学校の算数の弱点克服と授業改善(別途要求)
・H30年度に市町村教委と共同で作成した児童の基礎力・活用力を測る単元到達度評価問題について、未作成の分野や作成済の分野を島根大学教授のアドバイスを受けながら充実・発展させる。
・単元到達度評価問題を西部地区の全小学校で実施し、児童の理解度の検証と個に応じたきめ細かい支援を行う。
・島根大学教授がアドバイザーとして直接学校に指導を行い、小学校算数、小中学校外国語教育の授業改善を推進する。
<H30年度の取組・成果>
(3)教育委員会の指導体制の見直し・強化
◆【拡充】「学力向上推進プロジェクトチーム」の設置
1,100千円
引き続き学力向上推進PTを設置し、外部アドバイザー等の意見を伺いながら、学力向上策の検証、改善を進める。
また、事業の検証や学校現場での具体的な取組方法、徹底を図るための方策等を検討するため、ワーキンググループ(WG)会議を開催する。
・PT会議(6、8、11月) ・WG会議(5、10、1月)